NACK5スタジアム大宮へ向かう道中、武蔵一宮氷川神社の参道でお祭りと遭遇。お祭りに参加されている方も雨の中でびしょ濡れだ。今日は台風21号の影響で全国的に雨。試合に影響が出ないことを願うばかりだ。

この日は大宮アルディージャと柏レイソルの試合前イベントとして、地元の与野少年団と宮崎県西都市の少年団の試合が行われた。過去にキャンプ地だった縁で毎年招待しているという。また、試合前には雨の中にもかかわらずもう一つのイベントがあった。雨の中でのフラダンスだ。試合前に募集をしてチアダンスなどを踊ってもらっているそうだ。さすがにちょっと寒そうだったが、思わず見とれてしまった。


大宮は毎年夏に『ORANGE! HAPPY!! SMILE CUP!!!』という障がい者の方々が参加するサッカー大会をNACK5スタジアムで開催している。私も視察に伺ったことがあるが、参加者の皆さんはとても喜んでいた。大宮はこういった地域社会との連携に関して積極的に取り組んでいるクラブ。あとはトップチームが頑張るだけだ。
その大宮は勝ち点23で17位。対戦相手の柏は勝ち点53で3位。今節、大宮はマルセロ、柏はクリスティアーノが出場停止で、さらにお互いにケガ人も多数出ているが、それは言い訳にはできない。

大宮はJ1残留圏内である15位のヴァンフォーレ甲府と勝ち点5差。今日はどうしても勝ち点3が欲しい。一方の柏も前節で北海道コンサドーレ札幌に0-3で完敗。上位の鹿島アントラーズ、川崎フロンターレに何とかついていきたいところ。この日の柏はスタメンの平均年齢が23.91歳。負傷欠場のキャプテン大谷秀和に代えて、キム ボギョンを先発起用し、ゲームキャプテンに置いた。
立ち上がりから積極的な入り方をしたのはホームの大宮。マルセロに代わってFWに入った長谷川アーリアジャスールと江坂任が前線からプレスを掛ける。しかし次第にペースを握ったのは柏だった。

伊東純也やハモン ロペスが仕掛けてCKを取る。先制点はそのCKから。43分、キム ボギョンのキックからチャンスを作ると、ハモン ロペスのヘディングが決まって柏が先制点を奪う。
後半、大宮は瀬川祐輔、大前元紀を投入して得点を狙うもゴールが遠い。試合間際にはヘディングの強いストッパーの菊地光将と河本裕之を前線に上げるパワープレーを仕掛け、そこに江坂、大前も絡んでチャンスを作る。

柏がルーズボールを拾えなくなってきたところ、大宮は山越康平が積極的に狙うと、大津祐樹がペナルティエリアの外で思わずファウル。終了間際の90+3分、このチャンスでマテウスが鮮やかな直接FKを決めた。

まさに執念での同点ゴール。最後に見せたなりふり構わずゴールに向かう姿勢こそ、今の大宮に必要なものではないかと感じた。残り4試合、その気持ちをキックオフから出してほしい。雨の中、休むことなく声援を続けてくれたサポーターのためにも。

文=原 博実




