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【原博実の超現場日記/第10回】上海に乗り込んだ浦和…伝わってきたACLに懸ける思い

上海はどんよりした曇り空で思っていたよりも涼しい。前日は気温32度で、湿気もあり、相当蒸し暑かったと浦和関係者から聞く。

AFCチャンピオンズリーグ準決勝第1戦。アウェイの上海に乗り込んだ浦和レッズは、本当に気持ちが入っていた。最後まで足が止まらなかった。ケガを抱えていると言われていた柏木陽介も先発出場。ACLに懸ける思いが伝わってくる。そして浦和サポーターも数多くスタジアムに駆けつけていた。

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浦和のスタメンはGK西川周作、4バックの右から遠藤航、マウリシオ、阿部勇樹、槙野智章。中盤は中央に青木拓矢、右は長澤和輝、左に柏木陽介。FWは右からラファエル・シルバ、興梠慎三、武藤雄樹。

上海上港は浦和と同じ4-3-3システム。怖いのは右FWのフッキ、センターFWのエウケソン、攻撃的MFのオスカルとウズベキスタン代表のオディル・アフメドフ。攻撃面は組織的ではなく、その4人の個人技がベースになっている。両サイドにスピードある選手はいるが、特に怖いのはフッキの左足。Jリーグで活躍し、ブラジル代表でもお馴染みの存在だ。

浦和は槙野がフッキ、長澤がオスカル、青木がアフメドフ、マウリシオがエウケソンに対応。マンツーマンではないが、槙野、長澤はかなりしつこくマークしている。特に目立つのはJリーグで出場機会の多くない長澤が堂々とプレーしていることだ。守りだけでなく攻撃でもアクセントをつけていた。

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それにてもフッキは本当に怖い存在。槙野がファウル気味で当たっても弾き飛ばされている。15分の失点は、まさにその形からだった。

しかし浦和も反撃。28分、青木から興梠への浮き球パスに走り込んだ柏木が右足シュートを決めて同点に。このアウェイゴールの1点は浦和を勇気づけてくれる。その後、フッキ、エウケソン、オスカルのシュートを西川がことごとく防ぐ。特に押された後半に放たれたオスカルのFKには、「やられた!」と思わず目をつぶったが、これは逆サイドのポストが防いでくれた。

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押されながらも最後まで足が止まらなかった浦和。堀孝史監督は上海上港のシステムを分析した上で長澤を起用したという。彼をオスカルに当てたのは大正解。武藤は守備面での貢献が大きかった。チーム全体が戦う姿勢を最後まで切らさなかったことがアウェイで引き分けに持ち込めた大きな理由だし、何よりもサポーターの熱い応援が選手を支えてくれた。1stレグを1-1で終え、浦和は準決勝第2戦につながる大きな勝ち点1を獲得した。

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上海の前線4人が相当レベルの高い個人技を持つ。しかし、フッキやエウケソン、オスカルの守備は時として気まぐれで、そこを通過すればボールは回せる。だが、ボールの奪われ方が悪かったり、苦し紛れのバックパスが怖い。そうすると残っている3人が躍動を始めるからだ。

10月18日のACL準決勝第2戦は埼玉スタジアム2002での勝利を!そしてACL決勝に!

頼むぞ、浦和レッズ!
当日はみんなで思いっきり応援しよう!

文=原 博実

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