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代表デビューが待たれる鹿島アントラーズのセンターバック、水戸ホーリーホックの俊足ストライカーらをピックアップ/今週のヤングガン Vol.10

日本サッカーの未来を担うU-23世代を輝かせるべくスタートした『タグ・ホイヤー ヤングガン アワード』。Goalでは彼らの奮闘に注目し、U-23世代の活躍をピックアップしてお届け。明治安田生命J1リーグ第27節、明治安田生命J2リーグ第34節、明治安田生命J3リーグ第24節からは、4名のヤングガンを紹介する。

植田直通 (鹿島アントラーズ)

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土壇場での完璧な決勝ゴールだった。後半アディショナルタイム2分、右CKを永木亮太が蹴ると、西大伍がニアに飛び込んだ背後に生じたスペースへファーサイドから走り込み、マークに付いていた金正也の先手を取る。そしてマイナスに巻く軌道にヘッドで合わせると、ガンバ大阪の日本代表GK東口順昭が死守しようとする牙城を打ち破った。試合後のフラッシュインタビューで「自分が決めるしかないと思っていた」と語った彼は守備でも奮闘。特にG大阪が長身FW長沢駿を投入した後半は迫力ある競り合いを制し、相手にターゲットマンとしての仕事をさせなかった。

この試合は序盤に喫した失点を何とかPKで追い付いて接戦に持ち込んでおり、最後は“勝負強い鹿島”を印象付ける結果となった。その中で攻守にわたって大きな活躍を見せたのが、他ならぬ植田直通だった。高い身体能力でデビュー当時から期待された大型センターバックも常勝軍団・鹿島でレギュラー争いに苦労し、継続的にスタメン起用されるようになったのは昨シーズン途中から。日本代表には2015年のAFCアジアカップで初選出され、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の就任以降も何度か招集されているが、ここまで出場はなし。10月には指揮官が新しい選手の起用を示唆しているキリンチャレンジカップが行われるだけに、鹿島での存在感アップを受けて日本代表デビューが期待されている。

イッペイ・シノヅカ (横浜F・マリノス)

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齋藤学に代わって投入された快足MFがゴールを決めたのは、後半アディショナルタイムが5分を回ったところだった。天野純のFKから中澤佑二が競ったセカンドボールに素早く反応したイッペイ・シノヅカが冷静なモーションでゴール右隅に流し込んだ。チームは彼の記念すべきJ初ゴールも実らずヴァンフォーレ甲府に3-2で敗れたが、上位フィニッシュを目指す横浜F・マリノスにとって期待できる新戦力であることを印象付けるには十分なJリーグデビューとなった。

千葉県で生まれ育ったシノヅカは東日本大震災後を母親の故郷であるロシアで過ごし、名門スパルタク・モスクワのアカデミーで頭角を現した。二軍にあたるスパルタク・モスクワⅡ(ロシア2部リーグ)から今年8月に横浜FMへ加入。練習試合から鋭いドリブルや飛び出しが注目されており、デビュー戦でいきなり得点力を証明した形だ。U-18ロシア代表の経験も持つが、彼が目標に掲げるのは日本代表入り。ここから活躍を続けて横浜FMを躍進に導いていけば、「篠塚一平」として日の丸を背負う時もそう遠くはないかもしれない。

田川亨介(サガン鳥栖)

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ここまでリーグ戦16試合1得点だった18歳のFWが、強豪の浦和レッズを相手に2得点をマークした。「練習でイメージしていたとおり」という鋭い飛び出しから、1点目はキックオフ直後に豪快な右足ボレーを叩き込み、2点目はGK権田修一のパントキックから相手のクリアミスを突いて相手GKの頭上を破った。4-1-4-1システムのサイドハーフを担うことから守備で求められる役割は少なくない。それでも攻撃に転じれば高い走力で前方のスペースを駆け上がり、ビクトル・イバルボや小野裕二との連係で鮮やかなカウンターを繰り出していた。

「ビクトルや豊田(陽平)さんのプレーがすごく参考になっている」と語る田川。サガン鳥栖U-18から昇格1年目のルーキーは、恵まれたサイズと抜群の身体能力を買われ、大きな注目を浴びていた久保建英(FC東京U-18)とともに“飛び級”で今年5月のU-20ワールドカップメンバーに抜てき。2試合無得点に終わった大会では大きなインパクトは残せなかったが、そこで得た経験を糧に成長を続ける。10月にはAFC U-19選手権2018予選に参加予定。U-20W杯への再挑戦、そして3年後の東京オリンピックを目指すアタッカーには、日本サッカー界の未来を担う期待も寄せられる。

前田大然(水戸ホーリーホック)

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ザスパクサツ群馬を相手に2本のPKでリードを広げていた水戸ホーリーホックに試合を決定づける追加点をもたらしたのは、圧倒的なスピードを武器にJ2で存在感を高める19歳の俊足ストライカーだった。自陣からのロングパスに右サイドへ抜け出してスピードに乗ると、得意のドリブルで相手DFのマークを外してカットインで中央へ入り込み、ペナルティエリア中央付近で左足を振り抜いて鮮やかに決めた。

日本代表FW浅野拓磨(シュトゥットガルト)を想起させるスピードと非凡なシュートセンスで今季13ゴール目。同じJ2の松本山雅FCから期限付き移籍で水戸に加入し、すでにチームに欠かせない存在となっている。ここまで先発フル出場は22試合を数えるなど、豊富なスタミナも兼ね備える。これだけの活躍を見せながら各年代の日本代表とは無縁だが、1997年生まれで東京オリンピックに出場する資格もある。かつて田中マルクス闘莉王(京都サンガF.C.)や塩谷司(アル・アイン/UAE)といった代表クラスの選手を育てた水戸でJ2を席巻するほどの“爆走ドリブラー”に育った彼は、ここからいかなる成長曲線を描いていくのだろうか。

【今週のヤングガン プロフィール】 

植田直通(鹿島アントラーズ)
イッペイ・シノヅカ(横浜F・マリノス)
田川亨介(サガン鳥栖)
前田大然(水戸ホーリーホック)

【TAG Heuer YOUNG GUNS AWARD】

Jリーグの次世代を担う若い選手層の育成・Jリーグの発展を目的に、各メディア・著名人など、本企画に賛同するアワード サポーターが、J1、J2、J3のクラブに登録されているU-23選手の中から候補者30名を選出。その後、一般投票を含む最終選考にて11名を選抜、2017年12月に表彰する。

詳しくは こちら から

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