U-24日本代表は25日、東京オリンピック（五輪）2020のグループA第2節でU-24メキシコ代表と対戦した。
初戦でU-24南アフリカ代表に1-0で勝利した日本が、フランスに4-1で勝利して得失点差の関係で首位に立つメキシコと第2節で首位を争った。
第2節のもう一試合ではフランスが南アフリカに4-3で競り勝って勝ち点3を獲得したため、この試合の結果でどちらかの決勝トーナメント進出が確定することはない。とはいえ、日本は最終戦でフランスと対戦するため、この試合を引き分け以上で終えれば最終節も引き分け以上、勝利した場合には最終節で敗戦しても他会場次第となる。
グループステージの最大の要所ともいえる一戦に向けて、日本はオーバーエイジ（OA）の3名や久保建英や堂安律ら現状のベストメンバーを引き続き起用。初戦からの変更は三好康児から相馬勇紀に変えた1名のみ、負傷が伝えられる冨安健洋が引き続きメンバー外となった一方で三笘薫がベンチ入りを果たしている。
試合はいきなり動きを見せた。6分、酒井宏樹からのスルーパスを受けた堂安が右サイドに抜け出して中央にグラウンダーの折り返し。ボックス内に飛び込んだ久保が左足のアウトで合わせて名手ギジェルモ・オチョアの逆を突いた。久保の2戦連発弾によって日本が先制する。
その流れから勢いに乗る日本の攻撃が続くと、相馬がボックス左深い位置までドリブルで突破して中央に折り返し。これは味方に合わなかったものの、セサル・モンテスがアフター気味に相馬にタックルをしていたとしてVARオンフィールドレビューによりPKの判定。キッカーを務めた堂安が左足でど真ん中に豪快に蹴り込んで2点目を奪った。
多くの時間帯をメキシコ陣内で進行した立ち上がりだが、17分にはボックス内で板倉滉を背負いながらもボールを受けたエンリ・マルティンが強引に振り向いて右足でシュート。しかし、正面に飛んだシュートはGK谷晃生がしっかりとキャッチした。
ブンデスリーガで“デュエルキング”に輝いた遠藤航を中心に矢継ぎ早に素早い攻撃を仕掛けていく日本。22分には遠藤のボール奪取からショートカウンターがスタートして堂安がクロス、最後はボックス左の相馬がシュートを浴びせたもののメキシコDFにブロックされる。
前半半ばごろからややトーンダウンする日本に対してメキシコは高い位置まで持ち込む回数を増やすが、決定的な場面を作らせず。上手くペースをコントロールしながら無失点を保つ。
前半終了間際にはメキシコにアクシデントが発生。42分にエリック・アギーレが脚を痛めた様子でプレー続行不能という判断となり、ウラジミル・ロロニャとの交代を強いられる。
その後も冷静なプレーを続ける日本は2点をリードしたまま前半を終了した。互いにハーフタイムの選手交代をせずに臨んだ後半も日本は立ち上がりから危なげなく進行していく。
51分には遠藤からのパスを受けた久保が右足でミドルシュートを繰り出す。これはGKオチョアに阻まれたものの、日本の攻撃を警戒するメキシコを攻勢に移らせない。
日本は65分に最初の選手交代を敢行。PKを奪取するだけでなく守備でもスプリントを繰り返して貢献した相馬に代えて前田大然を投入した。対するメキシコはエースのディエゴ・ライネスに代えてウリエル・アントゥナを起用する。
直後の68分、後方からの浮き球のパスに反応した堂安がボックス内に抜け出そうとしたところで背後から追ったホアン・バスケスがタックル。このプレーに笛が鳴り、バスケスが退場となって日本は数的優位を得る。このプレーで得たボックス手前右からのFKでは久保が直接狙ったが壁に阻まれた。
79分、数的不利のメキシコがトーンダウンする中でボックス左に抜け出した林大地が一対一を迎えたかに思われたがここはオフサイド。日本は直後に堂安に代えて状態が危ぶまれていた三笘を送り出す。また、同じタイミングで林に代わり上田綺世が出場した。
しかし試合終盤の85分に右サイド深い位置でメキシコがFKを獲得。途中出場のロベルト・アルバラドが左足でゴール方向に蹴り込むと、中央の密集地帯では誰も触れなかったものの直接ネットを揺らした。
大会初失点を喫した日本だったが、そのままリードを保って試合が終了。日本が開幕から連勝を飾ることに成功した。
メキシコ（勝ち点3）に勝利した日本は勝ち点6でグループA首位に浮上。28日の最終節ではフランス（勝ち点3）と対戦するが、その試合を引き分け以上で終えれば無条件で首位での決勝トーナメント進出が確定する。
■試合結果
U-24日本代表 2-1 U-24メキシコ代表
■得点者
日本：久保建英（6分）、堂安律（12分）
メキシコ：ロベルト・アルバラド（85分）
■東京五輪｜関連情報