1月1日に冬の移籍市場がオープンした。『Goal』では5大リーグの中で最も動きが活発なプレミアリーグのビッグクラブの補強ポイントを考察。6回にわたり、リヴァプール、マンチェスター・シティ、チェルシー、トッテナム、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッドの補強の動きを特集する。最終回は、リヴァプール編だ。
【補強ポイント】
Getty（1）左サイドバックの控え
（2）世代交代を見据えた若き中盤
（3）確実にレベルアップが期待できるスーパースター
圧倒的な強さで前半戦を駆け抜けたリヴァプール。開幕21試合での勝ち点61到達は、欧州5大リーグ史上初の記録だ。プレミアリーグでは1年以上負けなし、昨シーズンから続く無敗記録は「37」に到達した。アーセナルの持つ49戦無敗記録に並ぼうかという勢いである。さらに1月のマーケット開幕前には、ユルゲン・クロップ監督、選手ともに獲得を熱望した南野拓実を加えることに成功。スカッドは質・量ともに世界屈指だ。1月に再び補強を行う可能性は低いとみられるが、もし投資するとすれば、将来を見据えたもの、もしくは確実にチームを強化してくれるスーパースター以外は必要ない。
【推薦候補①】DFベン・チルウェル（23歳、レスター）
Getty Images市場価値：5000万ユーロ（約61億円）
主な競合相手：チェルシー、マンチェスター・シティ
移籍実現度：15％
現在のスカッドで、唯一層に不安を抱える左サイドバック。アンドリュー・ロバートソンがフル稼働を続けているが、控えは本職中盤のジェームズ・ミルナーだ。両者ともに素晴らしいパフォーマンスを見せてはいるが、ミルナーは34歳。遅かれ早かれ将来を見据えた強化も必要になってくる。今季レスターで新たな次元に突入した23歳のイングランド代表DFは、ロバートソンほどではないものの、クロスの精度も十分。絶え間ないオーバーラップも可能で、そん色ないプレーを見せることができる。しかしレスターのブレンダン・ロジャース監督は、1月のマーケットでは1人も放出しないと明言しており、実現する可能性は低いだろう。
【推薦候補②】MFサンデル・ベルゲ（21歳、ヘンク）
Getty Images市場価値：2200万ユーロ（約27億円）
主な競合相手：ウェストハム
移籍実現度：40％
前述のミルナーに加え、ジョーダン・ヘンダーソン、ジョルジニオ・ワイナルドゥム（共に29歳）、アダム・ララーナ（31歳）と、中盤はやや高齢化してきている。緊急性はないが、将来を見据えて若手選手を加えることも悪くはないだろう。急成長中のノルウェー代表MFは、今季チャンピオンズリーグの舞台で才能の片りんをクロップの目の前で見せている。また195cmと長身を誇り、今のスカッドにはない新たな武器を加えてくれるだろう。本人も「アンフィールドでプレーしたい」と語っていることから、オファー次第では実現する可能性は高い。
【推薦候補③】キリアン・ムバッペ（21歳、PSG）
Getty市場価値：2億ユーロ（約245億円）
主な競合相手：レアル・マドリー
移籍実現度：5％
サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノ、モハメド・サラーの3トップは世界最高と言っても良い。彼ら以上の選手は世界を探してもほぼ見つけられないだろう。もし攻撃陣に手を加えるとすれば、それは圧倒的なクオリティを持つスーパースターでなければならない。世界トップクラスのスピード、世界トップクラスの得点力、世界トップクラスの戦術理解度が必要となる。そしてそれらを併せ持つのが、ムバッペだ。21歳にして既にワールドカップ王者であり、3シーズン連続リーグ・アン制覇。通算111試合で74ゴール32アシストとすでにリーグ最高の選手となっているが、いかなるインタビューでもさらなる高みを目指すと語っており、勝者のメンタリティも持ち合わせている。もちろんPSGは放出を考えておらず、リヴァプールとしても3トップの誰かしらが退団しない限り、獲得に動くことはないだろう。が、クロップの要望であればピンポイントで超高額を支払ってきたリヴァプールであれば……、と、妄想するのも悪くはない。
【後半戦理想フォーメーション】
(C)Goal昨季欧州王者に輝きながらも、まったくモチベーションが落ちることなく、さらなる進化を見せるリヴァプール。1試合未消化ながら第22節終了時点で2位マンチェスター・Cに14ポイント差をつけており、悲願のプレミアリーグ初制覇へ邁進中だ。年末年始の過密日程も大きなケガ人なく乗り切った。さらに11月後半から負傷離脱していたファビーニョの復帰も迫っており、スカッドはもはや完璧。補強の必要性は感じられない。
それでも、チームに新たな血を加えることは大きなメリットを持つ。唯一層が薄い左サイドバック、ベテランの域に差し掛かったミルナーの後任は考えても良い時期だ。ムバッペに関しては、実現してしまったら彼らに追いつけるチームはないだろう。
【プレミア勢の補強審査vol.1～マンチェスター・U編～】
【プレミア勢の補強審査vol.2～トッテナム編～】
【プレミア勢の補強審査vol.3～チェルシー編～】
【プレミア勢の補強審査vol.4～アーセナル編～】
【プレミア勢の補強審査vol.5～マン・C編～】
【プレミア勢の補強審査vol.6～リヴァプール編～】
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「※」は提携サイト『 Sporting News 』の提供記事です