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もしも「プレミアリーグ・オールスターゲーム」が実現したら:選ばれる選手は?そして勝敗の行方は…

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2月はアメリカンスポーツの最高のシーズンだ。先日行われたスパーボウルでフィラデルフィア・イーグルスが連覇中の王者カンザスシティ・チーフスを圧倒したばかりだが、今度は16日のNBAのオールスターゲームが開幕する。再び世界的スポーツの熱狂に包まれることになるだろう。

そんなオールスターゲームだが近年、「プレミアリーグでも導入すべきだ」とたびたび話題になっている。チェルシーの共同オーナー、トッド・ベーリー氏も推進する発言を残しており、当然イギリス国内では反対する意見が大多数ではあるが、アメリカ的な考えを持ち込もうとする人間が増えているのも現実だ。

もちろん、プレミアリーグは現状のままで十分に魅力的であり、オールスターゲームを行う必要はないだろう。だが、「オールスターゲーム」というものを妄想すること自体は楽しく、悪いものじゃないはずだ。今回は、「もしプレミアリーグでオールスターゲームが実現したら」を考えてみる。

文=ショーン・ウォルシュ
  • Stephen Curry LeBron JamesGetty Images

    オールスターゲームとは?

    そもそも「NBAオールスターゲーム」とはどんなものか。

    NBAオールスターゲームに参加する選手は、ファンや選手、メディアの投票を組み合わせた方法で選出される。長い間、イースタン・カンファレンスとウェスタン・カンファレンスに分かれていたが、近年では一時的な措置として選手主導のドラフト制に変更。また各チームを率いる監督は、投票締切時点で各カンファレンスの首位にいるチームの監督が自動的に選出される。

    スター選手たちが一同に共演するまさに“夢の祭典”だ。さらに近年は、ルーキーと2年目の選手が参加する「ライジング・スター」ゲーム、技術を競うスキル・チャレンジ、ダンクシュート・コンテストなど華々しいイベントが目白押しである。また試合自体は真剣勝負と言うよりも、豪華スターたちが「ファンがみたい」華麗なプレーを披露し合う言わばお祭りのようなものである。

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  • Aston Villa v Manchester City - Premier LeagueGetty Images Sport

    プレミアリーグで導入するには?

    では、そのオールスターゲームの方式をプレミアリーグに導入するとしたらどうすればいいのか?

    イングランドの地図を見てみると、北と南に分けるのが適切だろう。北から10クラブ、南から10クラブで区切ればいい。今季はロンドンに7チーム(アーセナル、ブレントフォード、チェルシー、クリスタル・パレス、フラム、トッテナム、ウェストハム)もあることに加え、ブライトン、ボーンマス、サウサンプトンの3チームが南側に存在するため、この作業は簡単だ。彼らが「サウスチーム」を構成する。そして残りの10クラブ(アストン・ヴィラ、エヴァートン、イプスウィッチ、リヴァプール、レスター、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、ニューカッスル、ノッティンガム・フォレスト、ウルヴス)が「ノースチーム」を構成することになる。

    そしてもちろん、攻撃的な選手ばかりを集めればいいわけじゃない。フットボールの試合を行うために、各ポジションからバランスの取れた選手を選出。当然、現在負傷中の選手は選外だ。また公平を期すためにも、ここでは各クラブから選べる先発メンバーは最大3人に設定する。好き勝手に選び続けるのは、フットボールの精神に反するだろう。

  • هالاند وصلاحAFP

    「ノースチーム」メンバー

    それでは「ノースチーム」のメンバーを選考しよう。

    まずはプレミアリーグで首位を快走するリヴァプールから、モハメド・サラー、フィルジル・ファン・ダイク、トレント・アレクサンダー=アーノルドの契約終了間近の3選手を選びたい。

    GKには、今季最多10回のクリーンシート達成中であるノッティンガム・フォレストGKマッツ・セルスを。チームメイトのムリージョとモーガン・ギブス=ホワイトも、今季は素晴らしい活躍で周囲を驚かせている。そしてルイス・ホールが4バックを締め、同じくニューカッスルのスター、ブルーノ・ギマランイスとアレクサンデル・イサクも加わえる。中盤には、アストン・ヴィラ躍進の立役者であるユーリ・ティーレマンスも入るはずだ。

    前線には、現時点で得点ランキングトップのアーリング・ハーランドも選ばれるべきだ。そして監督は当然、アルネ・スロットである。

    「ノースチーム」先発メンバー

    ▽GK

    マッツ・セルス(ノッティンガム・フォレスト)

    ▽DF

    トレント・アレクサンダー=アーノルド(リヴァプール)

    フィルジル・ファン・ダイク(リヴァプール)

    ムリージョ(ノッティンガム・フォレスト)

    ルイス・ホール(ニューカッスル)

    ▽MF

    ブルーノ・ギマランイス(ニューカッスル)

    ユーリ・ティーレマンス(アストン・ヴィラ)

    モーガン・ギブス=ホワイト(ノッティンガム・フォレスト)

    ▽FW

    モハメド・サラー(リヴァプール)

    アーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)

    アレクサンデル・イサク(ニューカッスル)

    監督:アルネ・スロット

    ※控え選手:アリソン、ニコラ・ミレンコヴィッチ、ヨシュコ・グヴァルディオル、ライアン・フラーフェンベルフ、アレクシス・マクアリスター、モーガン・ロジャース、アマド・ディアロ、マテウス・クーニャ、クリス・ウッド

  • Tottenham Hotspur FC v Arsenal FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    「サウスチーム」メンバー

    次は「サウスチーム」だ。

    残念ながらブカヨ・サカは負傷中で選ぶことができないが、アーセナルのチームメイトから、ウィリアン・サリバとガブリエウのセンターバックコンビは外せない。そして3人目は、チームの“指揮者”であるマルティン・ウーデゴールを選びたい。彼ら3人を選んだことで、GKダビド・ラヤとデクラン・ライスは泣く泣く選外に。代わりにクリスタル・パレスを支える守護神ディーン・ヘンダーソンを選出する。そしてチェルシーからは、当然コール・パーマーは選ぶべきだ。モイセス・カイセドも入るだろう。

    その一方で、14位に低迷するトッテナムからは非常に選びにくい状況だ。ソン・フンミンは今の調子ではスタメンには入らないだろう。唯一先発メンバーに入るのは、ペドロ・ポロのみだ。また左サイドバックは、ボーンマスのミロシュ・ケルケズも十分に値する選手ではあるが、フラムのアメリカ代表DFアントニー・ロビンソンを推したい。

    そして前線の並びは予想外だろう。アーセナル、チェルシー、トッテナムとロンドンの強豪3クラブの選手が誰もいない。今季の戦いを見ると、ブレントフォードのブライアン・エンベウモ&ヨアネ・ウィサ、ボーンマスのアントワーヌ・セメンヨが並ぶ。

    そしてチームを率いるは、アーセナルのミケル・アルテタだ。そして彼の場合は特例で、セットプレーコーチのニコラ・ジョバーの帯同を許可しよう。

    「サウスチーム」先発メンバー

    ▽GK

    ディーン・ヘンダーソン(クリスタル・パレス)

    ▽DF

    ペドロ・ポロ(トッテナム)

    ウィリアン・サリバ(アーセナル)

    ガブリエウ(アーセナル)

    アントニー・ロビンソン(フラム)

    ▽MF

    モイセス・カイセド(チェルシー)

    マルティン・ウーデゴール(アーセナル)

    コール・パーマー(チェルシー)

    ▽FW

    ブライアン・エンベウモ(ブレントフォード)

    ヨアネ・ウィサ(ブレントフォード)

    アントワーヌ・セメンヨ(ボーンマス)

    監督:ミケル・アルテタ(with ニコラ・ジョバー)

    ※控え選手:ダビド・ラヤ、マロ・ギュスト、ミロシュ・ケルケズ、デクラン・ライス、デヤン・クルゼフスキ、ジャスティン・クライファート、ジョアン・ペドロ、ジャン=フィリップ・マテタ、ラウル・ヒメネス

  • FBL-ENG-PR-IPSWICH-MAN CITYAFP

    選外となったスターたち

    フットボールは、バスケットボールよりも予測が難しいスポーツである。マンチェスター・シティの低迷はまさにそうだろう。ケヴィン・デ・ブライネやフィル・フォーデンはその影響を受けている。さらに今季はベテラン選手の衰えも感じるシーズンであり、ソン・フンミンやイルカイ・ギュンドアンは苦しい時を過ごしているに違いない。そして、過密日程の「被害者」となったサカやロドリは非常に残念である。

    一方で、「1クラブから先発3人」というルールがなければ、首位を気持ちよく走り続けるリヴァプールからは何人も選べたはずだ。コーディ・ガクポやドミニク・ソボスライも名を連ねていてもまったく不思議ではない。

  • Salah Haaland Isak GFXGetty/GOAL

    勝敗の行方は?

    前述のとおり、オールスターゲームはエンターテイナーが活躍する場である。「サウスチーム」の守備陣は素晴らしいが、周りの連携がなければ、圧倒的な個を備える「ノースチーム」のアタッカーを止めることは難しいだろう。もちろん1試合限定の即興ゲームでは、連携を深めている時間はない。

    また「ノースチーム」は、ベンチメンバーも「サウスチーム」を上回っているだろう。そして陽気なスロットの下で、純粋にファンを楽しませるプレーを90分間に渡って見せてくれるはずだ。今季を基準にして選考した場合、残念ながら「サウスチーム」は調子が良い選手は少ないことが影響してしまっている。

    今季の対戦で、勝つのは「ノースチーム」だ。イングランドで以前から言われてきた結果に落ち着くことになるだろう。「サウスチーム」の選手たちには、来季の幸運を祈りたい。