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Getty/GOAL2024-25シーズンのプレミアリーグは、いよいよ終盤戦に突入した。そして残留争いに関してはすでに決し、おそらく昇格組3チームがそのまま1シーズンで降格することになるだろう。しかし、チャンピオンズリーグ（CL）出場権争いは史上最もスリリングな展開になる可能性がある。
新たなUEFA係数ルールにより、イングランドは来季5つ目のCL出場枠を手にする可能性が高い。そのため5位以内まで欧州最高峰の舞台に出場することができる。そしてこのトップ5争いは、30試合消化時点で4位チェルシー（勝ち点52）から8位ブライトン（勝ち点47）まで5ポイント差に5チームがひしめき合っており、また9位フラム（勝ち点45）や10位ボーンマス（勝ち点44）も十分に逆転が可能な位置につけている。
今回『GOAL』は、終盤戦に突入したプレミアリーグでどのチームがトップ5フィニッシュを決めるのか、残り試合とともに分析していく。
Getty Images Sport現在の順位：9位（勝ち点45） 予想順位 ：10位（勝ち点56）
普段のリーグ戦なら勝ち点56はCL出場権に近いといえる。しかし、今回のシミュレーションでは10位だ。この順位だけを見ればマルコ・シルバが成し遂げてきた素晴らしい仕事ぶりが色褪せてしまうかもしれないが、下位に低迷していたチームを出場権争いできる状況に仕上げてきた仕事は評価されるべきだろう。
残念ながら、インターナショナルウィーク後の一戦はアーセナルに敗戦。その後もリヴァプールやチェルシー戦も控えており、最終節はマンチェスター・シティと激突する。下位チームとの対戦は3試合のみで、そのうち1試合は宿敵ブレントフォードとのアウェイゲームだ。ファンにとっては辛いことだが、夢のCL出場権獲得は来季以降にお預けとなりそうだ。
Getty Images Sport現在の順位：10位（勝ち点44） 予想順位：9位（勝ち点57）
この魅力的なチームから多数の主力が引き抜かれてしまう前に、クラブ史上初めてCL出場権を獲得できれば素晴らしいドラマになっただろう。しかし、現実はそう甘くないようだ。リーグ戦直近6試合はわずか1勝で、イラオラ監督のハイインテンシティなスタイルの蓄積された疲労が顕著になってきている。
おそらくイプスウィッチ戦やウェストハム戦は3ポイントを期待できそうだが、終盤にかけてマンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、アストン・ヴィラ、マンチェスター・シティと厳しい4連戦が控えている。徐々に不安定さが露呈しており、トップ5までは届かない可能性が高い。
それでも、昨季序盤は降格濃厚だったチームにとって、目を瞠るような進歩である。ディーン・ハイセンやミロシュ・ケルケズといったスターに加え、イラオラ自身もクラブに残っているかは不透明だが、来シーズン以降の再建に期待したい。
Getty Images Sport現在の順位：7位（勝ち点48） 予想順位：8位（勝ち点58）
CLでは準々決勝へ、FAカップでは準決勝に進むなど大健闘だが、その過密日程による影響でプレミアリーグはやや苦戦。上位勢では唯一得失点差がマイナスであるなど、リーグ戦で安定して結果を残せない状況が続いている。
アストン・ヴィラの場合は、フラムと同じくシーズン終了までに上位6チームとの対戦を残している。1月の積極補強が効果を発揮しているとはいえ、ここにCLとFAカップが入ってくるため、トップ5に食い込む可能性はあまり高くないのが現状だ。今季を8位以内で終え、来季カンファレンスリーグ優勝を目指す道が現実的と言えそうだ。
Getty Images Sport現在の順位：8位（勝ち点47） 予想順位：7位（勝ち点60）
2月頭にノッティンガム・フォレストに0-7と衝撃の大敗を喫した後、ファビアン・ヒュルツェラー監督は選手たちの前で自らの戦術プランを文字通り燃やしたという。良くも悪くも哲学に執着する指揮官が多い中で、これは称賛すべき行為だ。そしてこの効果もあってか、その後の6試合で勝ち点を13を獲得し、欧州カップ戦を狙える位置につけている。
彼らにとって幸運なことに、残りのうち6試合は下位チームとの対戦だ。こうした試合で取りこぼしがなければ、欧州カップ戦の舞台に戻ることができるだろう。7位以内であればヨーロッパリーグ出場の可能性が高く、ブライトンは再びこの舞台で躍進を狙うことになりそうだ。
AFP現在の順位：4位（勝ち点52） 予想順位：6位（勝ち点63）
前半戦はコール・パーマーの爆発もあって2位と躍進したが、12月15日のブレントフォード戦からプレミアリーグ14試合でわずか4勝にとどまっている。パーマーの得点が止まったことが結果に直結しており、やはりこのチームが成熟するにはまだ時間が必要になりそうだ。
対戦相手の面では多くのライバルよりも恵まれているが、彼らはまだカンファレンスリーグを戦っていること、そしてエンツォ・マレスカ監督が多すぎるスカッドをうまくコントロールできていないことから、残念ながら欧州最高峰の舞台には一歩届かない可能性が高い。
AFP現在の順位：6位（勝ち点50） 予想順位：5位（勝ち点66）
リーグカップ優勝で波に乗るニューカッスル。シーズン中にタイトルを手にしたチームが無意識の内にギアを緩めてしまうことはままあるが、今の彼らにそうした兆候は一切見られない。
現在のスカッドは、リーグでの屈指の強さを誇っている。アレクサンデル・イサクを止められる選手はこのリーグには存在せず、ジョエリントンとブルーノ・ギマランイスは中盤を支配し、リーグ最長身のダン・バーンは相手ストライカーを圧倒し続けている。残り9試合中6試合がボトムハーフとの対戦であり、下位4チームとの連戦で大きく勝ち点を伸ばすはずだ。CL出場権を獲得する可能性は十分にある。
Getty Images Sport現在の順位：3位（勝ち点57） 予想順位：4位（勝ち点66）
今季最大のサプライズだ。5位マンチェスター・シティとは6ポイント差をつけており、2位アーセナルには4ポイント差に迫るなど大健闘。FAカップ準決勝へ進んだことも、チームの雰囲気には大きなプラスとなっている。
すでに上位勢との対戦もほとんど消化し（31節アストン・ヴィラ戦と最終節チェルシー戦のみ）、下位チームとの連戦でもこれまで通りの結果を残すことができれば、夢の舞台への切符を掴むことができそうだ。
前身大会を2度制した古豪が、再びCLの舞台へ戻って来る。そう、レアル・マドリーやバルセロナといった世界屈指の強豪が、クリス・ウッドに恐れを抱く日がもうすぐやってくるのだ。
AFP現在の順位：5位（勝ち点51） 予想順位：3位（勝ち点67）
予想通り勝ち点67で終われば、これはペップ就任前の2015-16シーズン（勝ち点66）以来最悪のシーズンとなる。失点数（40）を見ても、アブダビ・ユナイテッド・グループ買収初年度である2008-09シーズン（50）を更新してしまうかもしれない。近年大幅な進化を遂げたマンチェスター・シティにおいて、歴史に残る失敗のシーズンになる可能性もある。それでも最終的にプレミアリーグを3位で終え、準決勝まで進んだFAカップを優勝できれば、一定の満足感を持って次のシーズンへ向かえるだろう。
第31節マンチェスター・ユナイテッドとのダービーで良い結果を手にできれば、残る難しい試合は第34節のアストン・ヴィラ戦だけだろう。ボトムハーフ4チームとの試合すべてで3ポイントを手にし、来季の挽回に備えたい。
Getty Images Sport残念ながら、今シーズンでプレミアリーグ“ビッグ6”の時代は完全に終わった。金があるからといって愚かな決断を繰り返しても、一定の結果を手にできる時代は終わったのである。マンチェスター・ユナイテッドは13位、トッテナムは14位と、すでに欧州カップ戦を争える状況にすらない。
幸い、両チームともにヨーロッパリーグでは準々決勝へ勝ち残っており、ビルバオでの決勝で顔を合わせる可能性もある。リーグでの状況を考慮すると、両チームともにこの大会へ全力を注ぐことがCLへの近道だ。
