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自チームをとてつもなく愛し、この上ない熱量で臨む。La Liga1部と2部をはしご観戦【ラ・リーガメディアツアー3日目】

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ラ・リーガが世界各国のメディアを招いて実施している「ラ・リーガメディアツアー」。ツアー3日目はいよいよ試合日のスタジアムを訪問。デポルティーボ・アラベスvsアトレティコ・マドリー、SDエイバルvsミランデス、La LigaとLiga2、はしご観戦となった。【取材・写真:浅野凜太郎】

▶1日目レポート:「美食の街の真髄を見た」はこちら
▶2日目レポート:「レアル・ソシエダ練習場訪問」はこちら

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    街全体にあふれるサッカーの熱

    ラ・リーガによるメディアツアー3日目は、まず17位デポルティーボ・アラベス対3位アトレティコ・マドリーの試合観戦から始まった。

    快晴に恵まれたエスタディオ・デ・メンディソロツァに残留争いを戦っているチームの焦燥感はない。むしろ、街全体がこの日を待ちわびていたというくらいの盛り上がりだ。

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    試合前、残留争いが少し心配?

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    ピッチサイドから見る新鮮な風景

    試合開始前にピッチサイドへ案内されると、アトレティコ・マドリーのスター選手たちがウォーミングアップを開始。FWアントワーヌ・グリーズマンやMFロドリゴ・デ・ポールらFIFAワールドカップの王者に輝いた名手たちが、目の前に現れた。

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    試合前のVIPエリアで

    その後われわれはVIPエリアへ移動。お酒やおつまみが味わえる空間で過ごす時間は至福のひと時。VIPといっても、敵味方を問わず50人以上の観客がこの場所を利用していて、「存分に楽しもう!」という空気感に満ちている。

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    その場でスライスされる生ハム

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    アラベスが上位に臆さず勝ち点1を奪う

    試合はアラベスが集中した守りを披露。上位チームに対して臆さずに挑む姿勢はサポーターの心を打ち、大声援へと変わっていた。ホームチームは得点こそ奪えなかったが、アトレティコ・マドリーに対して貴重な勝点1を奪取。順位を暫定16位へと押し上げ、残留に向けて弾みをつけた。

    試合終了のホイッスルと同時に拍手が鳴り響くエスタディオ・デ・メンディソロツァ。対するアウェイサポーターは不完全燃焼といった表情を浮かべていた。

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    人口2万人のエイバルに移動

    その後、われわれは第2の目的地であるエイバルへ移動し、スペイン2部第38節SDエイバル対ミランデスの試合を観戦。人生初のはしごラ・リーガだ。

    エイバルは人口約2万人、バスク州ギプスコア県にある街だ。かつて乾貴士、武藤嘉紀、橋本拳人が所属していたため日本でも名前を知っている人も多いだろう。

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    約7千人収容のスタジアム

    マンションが立ちならぶ山間の小さな町に建てられたエイバルの本拠地イプルアは約7千人ほどを収容するコンパクトなスタジアム。ここが住民たちにとっての交流の場になっていることが伺われる。

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    ファンはみんな顔見知り?

    試合観戦中も「おー来たのか!」といったぐあいに、次々と知り合いたちが集まってくる。また、子どもたちも人懐っこいのか、僕らジャーナリストを見るなり握手を求めてきたり、挨拶を交わしてくれたりと、のんびりとした空気がスタジアムや町を包んでいた。

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    地元住民が束となって応援

    しかし試合が始まれば話は別だ。この日、34分に退場者を出してしまいゲームを難しくしたエイバル。なかなか攻め切れない時間が続いたが、地元住民が束となってイレブンを後押しした。

    残念ながら、90分に決勝点を決められてしまい敗戦。試合終了後のスタジアム前は、友人たちと立ち話をするエイバルサポーターで溢れかえっていた。

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    ラ・リーガを生で体験して感じたこと

    全員がサッカーに対して本気だ。きょう観戦した2試合で見たサポーターたちは自チームをとてつもなく愛し、試合に対してはこの上ない熱量で臨んでいた。情熱の国スペインが誇るラ・リーガを生で体験できた僕はもっとサッカーが好きになった。

    ただ、どこかで申し訳なさを感じたことも事実だ。なぜなら、お金を払わなければ受けられないサービスを、メディアの特権を利用してタダで体験できているから。

    試合会場にお金を支払って集まったサポーターに対して、自分は胸を張ってメディアの人間だと言えるのか。この日、アラベスからは記念の品としてタオルマフラーを、エイバルから名前入りユニフォームをプレゼントしてもらったが、本来ならば購入するべきグッズだ。先日のレアル・ソシエダといい、ラ・リーガと各クラブはわれわれに対してこれ以上ない“おもてなし”をしてくれている。

    エイバルでの試合観戦前、一人の少年が僕のメディアパスを見て「それ、ちょうだいよ!」と声をかけてきた。どんなにサッカーを観たくても、観られない人がいる。そんな当たり前のことを、これまでの自分が来たくても来られなかった場所に今いるからこそ、思い出した。

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