「どんな状況でも絶対に守り切る」横浜F・マリノスGKオビ・パウエル・オビンナが追い求める勝者のメンタリティー/インタビュー前編

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(C)Y.F.M.
【国内サッカー(Jリーグ) インタビュー】Goalでは、スポーツ配信チャンネルDAZN(ダゾーン)とパートナーメディアによる「DAZN Jリーグ推進委員会」の金J特別企画として、横浜F・マリノスのGKオビ・パウエル・オビンナに話を聞いた。【聞き手=林遼平】

 流通経済大から新加入するも「4番手の状態」が続く中、8月に栃木SCに育成型期限付き移籍し、10月末に復帰。昨季リーグ最終盤に見せたGKオビ・パウエル・オビンナのパフォーマンスは新シーズンへの期待が膨らむものだった。「ものすごく濃かった」1年をあらためて振り返ったオビは、いかに成長し、そして今季を見据えているのか?

【後編】いざ開幕戦へ。警戒する川崎Fの選手は?

■栃木に行って本当に良かった

――昨年、流通経済大学から横浜F・マリノスに加入しました。シーズン当初はどんな思いを持って臨んでいたのでしょうか?

 最初は「試合に出るために何をするべきか」ということを常に考えていました。ただ、考えてやってはいたのですが、現実的には4番手の状態が続きベンチにもなかなか入れませんでした。もちろんF・マリノスで試合に出ることを諦めていたわけではないのですが、「このままではダメだ」というか「何かを変えなければ」という中で、栃木SCから声を掛けていただきました。

 違うクラブで勝負して見えてくる課題もあると思って、環境を変えることにしました。そして8月から栃木に行き、ありがたいことに試合に出ることができました。そこで日々練習しているだけでは気づかないことや試合に出る大切さ、試合の中で起きる状況に対しての試合勘を身を以て経験することができました。本当に、昨シーズンはそこから始まったな、という感じでしたね。

――短かったですが、栃木に在籍した期間はすごく大きいものだったんですね。

 すごく大きかったですし、プロになって初めて試合に出たのも栃木でした。そういう面で本当に感謝していますし、あの期間のおかげで昨シーズンいろいろな経験ができたと思っています。やはりピッチに立つことによって得られるものもありました。ピッチに立つことによって、立っていない時の時間がどれだけ重要かも分かりました。栃木でピッチに立つことができて本当に良かったです。

――10月末、横浜F・マリノスに戻ることになります。その時は、どんな思いを?

 やはり自分はF・マリノスで試合に出て活躍することを目標に加入しました。ただ、それがなかなかできず、栃木で試合に出させてもらっていたので、戻ることに対して100%嬉しいという気持ちだけではなかったのが正直なところです。栃木のチームメイトともっと一緒にやりたかったですし、本当に濃い時間が過ごせていたので勝っても負けてもいろいろな経験をもっとしたいなという気持ちもありました。

 だけど、栃木に行く理由の一つとして、やはりF・マリノスでどう自分が輝くか、どうしたらこのチームのプラスになれるかを考えて移籍をしたわけです。だからこそ、ここで帰るからには栃木で学んだことをF・マリノスでやってやろうという気持ちと、約3か月間の自分のプレーや得た経験に自信を持って、胸を張って帰ろうという気持ちでした。

■プレー機会が与えられて

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――その後、横浜F・マリノスでもピッチに立つ機会が増えました。言葉通り、自信を持ってプレーしていたように思います。

 試合に出たことによって自信もついていきましたし、半年以上試合に出ていなかった自分が試合に出ることができて、自分に何ができるかという整理もついていました。なので、急に出るというよりかは落ち着いて試合に入れていたと思います。F・マリノスと栃木のサッカーが全く違っていたので、そういう難しさはありましたけど、まずはGKとしてのやるべきことはしっかり整理できていたので、そんなに慌てることはなかったですね。

――第30節・川崎フロンターレ戦は敗れましたが、高丘陽平選手の退場に伴う緊急出場ながらスーパーセーブを連発していました。

 前節の浦和戦でJ1デビューしていて、ミスもありましたけど、チームメイトのみんなが点を取ってくれて勝つことができました(6-2)。川崎F戦は先発ではなかったのですが、何が起きるか分からないと思って準備をしていました。ああいう流れで自分が出ることになって、なおさら気合いが入ったと言いますか、チームが逆境に立った時にチームを救えるシチュエーションというのにすごく燃えていました。

――昨年はACLも経験しています。海外での試合の難しさはありましたか?

 そこまで出場経験がない中で、ああいう舞台で戦えました。そこで、より違いがはっきりと分かったと言いますか、ノックアウトステージの難しさだったり、日本人選手と外国人選手のシュートレンジの違いだったり、試合に懸ける思いやスピリットを肌で感じられました。

 そういう面ではいろいろ良かったです。ただ、F・マリノスとしても個人としても、グループステージは突破できたものの決勝トーナメント初戦で負けてしまい、すごく不甲斐ないというか、もっとやりたかったし、僕たちはもっと上に行けたという思いもあるので、すごく悔いの残る大会にもなりました。

――すごく濃い1年だったことが分かります。今、あらためてどのように振り返っていますか?

 本当に濃かったです。もちろん、僕一人では到底そんな濃い時間を過ごせなかったでしょうし、コロナで観客の皆さんが来られない中、テレビ越しでも応援してくれている人がいた。いろいろな人の支えがあったと思います。そういう人たちの思いを背負ってプレーできたことは、今までの期間とはまた違ったパワーをもらえたのかなと思います。

 自分がF・マリノスに入って目標としていたことは、最初こそ程遠かったですけど、それが段々と現実味を帯びてきました。プレー機会が与えられてチャンスをもらえる中での充実感や興奮を感じながら生きているのを、すごく嬉しく感じながら送ったシーズンでした。

■まだまだ絶対的なGKになれていない

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――迎える新シーズン、今はどんな思いを持ってやっていますか?

 昨年の最後の最後に試合は出られましたけど、勢いが後押ししてくれた部分もあったと思っています。そして、最後の最後でああいう負け方をしてしまった。僕自身もミスがあったりと、まだまだ絶対的なGKにはなれていません。

 今年はシーズンを通して自分の力をコンスタントに発揮し、一番はF・マリノスがJリーグのチャンピオンになるために何をするべきかを考えています。そのためには、もちろん昨年のようなパフォーマンスでは到底ダメです。僕自身も意識をもっと高く持ち、ミスを許さない、どんな状況でも絶対に守り切るという勝者のメンタリティーを常に持って過ごしていきたいと思っています。

――横浜FMの特長である後方からのビルドアップへの手応えは?

 攻撃参加を求められた時に、それぞれGKには得意不得意があると思うんですけど、僕はロングキックなど一発で局面を変えることには自信を持っています。チームで最低限求められていることをもちろん正確にやる、それに加えて自分の良さを発揮することで点に繋がったり、新しいリズムを作れたり、GKからゲームを変えられたらいいなと思います。

――今年、こういうところを成長させたいみたいに思っているところはありますか?

 一番はチームを勝たせたい。昨年は勝った試合もありましたが、フィールドの選手たちが助けてくれたから勝っていますし、実際に失点も多いシーズンでした。そこはGKとして、本当にGKがチームを勝たせるぐらいのパフォーマンスを見せたいですね。あとは、絶対的な強さを持つ。昨シーズン、自分の精神的な弱さだったり、技術的なミスで何度もチームの勢いが落ちたりと、難しい展開にさせてしまったことがありました。今度は自分がチームに勢いを与えられるようなプレーをコンスタントにしていきたいと思っています。

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