「自分の中でもホッとしている。嬉しいです」
大分トリニータの片野坂知宏監督が、あらためてJ1昇格の喜びを語った。
大分は17日の明治安田生命J2リーグ最終戦で山形と1-1で引き分けた。松本と町田も引き分けたため、2位でのJ1昇格を手にした。2013年に最下位でJ2降格を味わい、その後15年にJ2で21位となり、失意のJ3降格。「J3降格からこれまで簡単ではなかった」(片野坂監督)。それでも1年でJ2復帰を果たし、そこからわずか2年でJ1への切符を勝ち取った。
片野坂監督は03年の現役引退後に、大分のクラブスタッフとなり、スカウトやU-15のコーチを兼任した。そして07年にガンバ大阪トップチームコーチに就任。西野朗監督とともにクラブを初のACL優勝に導いた。10年からはミハイロ・ペトロヴィッチ率いる古巣・サンフレッチェ広島のコーチに就任し、森保一体制となっても引き続きコーチを務めた。14年にはG大阪へ復帰し、長谷川健太監督の右腕としてリーグ優勝に大きく貢献した。
「私は、たくさんの素晴らしい監督の元で学ばせていただき、攻撃もそうですけど守備の方では非常に学ばせていただきました。それを参考にしながら、やはり勝ち点3を取るためには得点を取らないと、勝ち点3は生まれない。得点を取るための戦い方というところも、ある程度こちらが提示する戦術に関しても、バリエーションを多くするようにして、それを選手が非常に理解してくれました」
大分は今季のJ2で最多得点となる76ゴールをマーク。それを「成果」と口ずさむ片野坂監督は、選手の戦術理解度の向上が、得点力に直結し、その好循環が勝ち点の上積みに繋がったのだと語る。
「得点力を増やしていけば勝ち点も増やえていくし、守備力もしっかりと粘り強く守れば、必ず勝ち点1は取れる。そういうことを選手に話しながらプレーさせてやった成果だと思います。決して守備を捨てたわけでもないですし、疎かにするわけでもない。失点は、1点でも少なく隙間を与えない、粘り強い守備はずっとこれまでやってきました」
苦難を乗り越えてようやくつかんだJ1への切符。片野坂監督が大分の指揮官就任を決めたのは「J2(に残留する)かJ3(に降格する)かまだわからない状況」のときだった。結果的に「残念ながらJ3に降格してしまったが、トリニータのサッカーを見て、私が監督になった時に描ける絵があった」と明確なビジョンを持っていた。「それをチャレンジすることによってもっと良くなるんじゃないか」と考え、就任を決断した。1年でのJ2復帰を達成し、復帰初年度は9位でフィニッシュ。
満を持して臨んだ今季は、より円熟味を増した戦いで終盤の重要どころできっちり勝利を積み重ね、J2最多23勝で悲願のJ1行きを決めた。片野坂監督は「(選手たちが)苦しいときも最後まで我慢して僕についてきてくれたし、みんながチームのためにやってくれた」と選手を称えた。
さらに指揮官は「いろんな方々のサポートがないと我々は昇格は達成できなかったと感じています。ファン・サポーターの方、スポンサー様、行政、企業を含めた本当にいろんな方のご支援ご声援のおかげでJ1昇格をつかみ取ることができました。本当にありがとうございます」と感謝を述べた。
来季は6年ぶりにJ1の舞台へチャレンジする大分。J1での戦いは「簡単ではない。本当に厳しいリーグになる」と、最大級の警戒を持ちつつも、「我々は18位からのスタート。とにかく今シーズン積み上げてきたサッカーをチャレンジして、自分たちがどこまで行けるかっていうのを思い切ってアグレッシブにやりたい」と、今季見せたアグレッシブなサッカーを継続していく構えを見せた。
来季、大分旋風は巻き起こるか。片野坂監督の手腕に注目だ。
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