C・ロナウド、レアル・マドリー時代からの変化…多様な形で貢献する攻撃のリーダーへ

コメント()
(C)Getty Images
今夏にレアル・マドリーからユヴェントスに移籍したクリスティアーノ・ロナウド。イタリアに渡ってから、チームにおける役割とプレーにも変化がみられる。

レアル・マドリーからユヴェントスに移籍して2ヶ月。クリスティアーノ・ロナウドはあらゆる意味でイタリアにブームを巻き起こしている。

■C・ロナウド効果

2018_9_29_ronaldo3

試合のたびにピッチ上での活躍ぶりが注目と議論の対象になるのはもちろん、単なるサッカー選手の枠にとどまらないスーパーセレブリティとして、芸能ニュースやゴシップ雑誌を飾ることもしばしば。その波及効果は所属するユヴェントスにまで及んでいる。

レプリカユニフォームは飛ぶように売れ、インスタグラムのクラブ公式アカウントフォロワー数も、ロナウド加入前の860万人から1635万人とほぼ倍増。そればかりかクラブの株価までがたった2ヶ月で2倍以上になった(0.88ユーロ→1.67ユーロ)のだから、獲得を決断したアンドレア・アニエッリ会長は頬を緩ませていることだろう。

■ポジティブなパフォーマンス

2018_9_29_ronaldo4

しかしもちろん、最も重要なのはピッチ上でのパフォーマンスの方だ。今シーズンのユヴェントスは、8月18日のセリエA開幕以来ここまで6戦全勝で勝ち点18を挙げ、2位ナポリに勝ち点3差をつけて首位を走っている。そしてロナウドも全試合にスタメンでフル出場して、3得点2アシストという数字を残している。

これまで年間30~40ゴールを挙げてきたレアル・マドリー時代のペースと比べると、やや物足りない数字に見えるかもしれない。しかし、リーガ・エスパニョーラと比べてディフェンスが堅く、ゴール前でスペースと時間を与えてくれないセリエAのサッカー、そして何よりまずユヴェントスという新たなチーム/環境への適応がまだ途上であることを考えれば、ここまでのパフォーマンスはポジティブに受け止めるべきものだと思う。

レアル・マドリーでのロナウドは、4-3-3の左ウイングをスタートポジションとしながら、プレーの流れの中でセンターフォワード(CF)のカリム・ベンゼマとポジションを入れ替える形でしばしばゴール前に進出し、攻撃をフィニッシュする役割を担ってきた。30代に入って運動量が少しずつ落ちてきたこの1、2年は、前線中央に常駐してゴール前にボールが送り込まれるのを待つ時間が長くなり、それに合わせてジネディーヌ・ジダン監督もロナウドを2トップの一角に固定した4-4-2を採用する頻度が高くなってきていた。いずれにしてもレアル・マドリーにおいては、チームの攻撃そのものが、最終的にロナウドにボールを送り届けてゴールを決めさせるために構築されていたと言える。

■アッレグリの試行錯誤

2018_9_29_ronaldo2

ユヴェントスを率いるマッシミリアーノ・アッレグリ監督も、チームのメカニズムの中にロナウドを組み込み、その最大の持ち味である得点力を最大限に引き出そうというアプローチを取っていることにかわりはない。しかし開幕からここまでの6試合を見る限り、ロナウドの得点力だけに焦点を合わせるというよりは、ロナウドを中心に据えつつもチーム全体としてバランスよく機能し、組織として最大限のパフォーマンスを発揮させるために、様々な試行錯誤を繰り返しているように見える。

特徴的なのは、6試合すべてでロナウドをスタメン起用しながら、試合によって異なるシステム、メンバーを試している点だ。以下、ここまで使われたシステムと前線の構成を整理してみよう。

【パターン1】
4-2-3-1:CFロナウド、2列目に右からクアドラード、ディバラ、ドグラス・コスタ(第1節キエーヴォ戦)

【パターン2】
4-3-3:CFマンジュキッチ、左ウイングにロナウド、右ウイングにベルナルデスキ/ディバラ(第2節ラツィオ戦、第3節パルマ戦/第5節フロジノーネ戦)

【パターン3】
4-3-1-2:マンジュキッチ、ロナウドの2トップ+トップ下にディバラ(第4節サッスオーロ戦)

【パターン4】
3-5-2:ロナウド、ディバラの2トップ(第6節ボローニャ戦)

ロナウドのポジションは、【パターン2】の4-3-3を除きいずれもCF(センターフォワード)。ただ実際には、4-3-3の左ウイングとしてプレーした3試合でも、レアル・マドリーでベンゼマとそうしていたように、マンジュキッチとポジションを入れ替えて前線中央でプレーしている。とすれば、アッレグリ監督はロナウドをストライカーだと位置づけていると理解することができる。

■データでは興味深い数字が…

とはいえ、ストライカーと言っても、攻撃の終着点としてチームが送り届けてくれたボールをフィニッシュすることだけに特化した仕事を要求しているというわけではなさそうだ。パフォームグループのデータ会社「Opta」のデータを加工して公開しているウェブサイト「Whoscored.com」で、ロナウドの昨シーズン(リーガ27試合)と今シーズン(セリエA6試合)のプレーデータを比較してみると、興味深い数字が浮かび上がってくる。

まず1試合平均のシュート数は、昨シーズンの6.6に対して今シーズンは7.7。16%増というのは小さくない数字だ。その内訳を見ると、ペナルティエリア内からのシュートが5.2本で変わらないのに対し、エリア外からのシュートが1.4本から2.5本に増えている。つまり、増加分はすべて遠目からのミドルシュートというわけだ。

ここから推測できるのは、ロナウドはゴールが欲しくて焦っているのかもしれないということ。実際、第3節のサッスオーロ戦で初ゴールを決めた時には「正直焦りはあった」とコメントしている。常に自分がナンバーワンでなければ気が済まないプライドと野心の持ち主だけに、なかなか得点が増えていかない現状をもどかしく感じている可能性はある。それがエリア外からの強引なシュートの多さに表れているというのも、あながち的外れな解釈ではないような気がするのだが。

■多様性ある攻撃のリーダー役に

2018_9_29_ronaldo5

もうひとつの興味深いデータは、1試合平均のパス本数が27.1から39.0へと40%も増えていること。さらにドリブル(1.1→1.3)、キーパス(1.4→2.0)、ボールロスト(1.0→1.2)もそれぞれ増えている。これはロナウドがレアル・マドリー時代よりもより高い頻度でボールに触れ、フィニッシュではなくその手前の組み立てや仕掛けにも積極的に絡んでいることを意味している。組織的なメカニズムの一部として攻撃のアクションに絡む頻度が高まっている、と言い換えてもいいだろう。これはおそらく、アッレグリ監督がロナウドにそれを求めていると同時に、ロナウドもそれに応えてより多様なやり方でチームに貢献しようと務めているからだと受け取れる。

象徴的なのは、1試合平均の被ファウルが0.7から1.7へと倍以上に増えていること。これはイタリアのDFが厳しいというだけでなく、ロナウドがより積極的に攻撃に絡もうとしているからだろう。昨シーズンは27試合で26得点5アシストだったのに対して、今シーズンは6試合ですでに2アシスト。レアル・マドリー時代のロナウドは、年を重ねるにつれてフィニッシュに特化したストライカーへと変かしていったが、「ユヴェントスのロナウド」はより幅広く多様な形でチームに貢献する攻撃のリーダーへと、新たな変化を遂げていくのかもしれない。

文=片野道郎

▶セリエA観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

【DAZN関連記事】
DAZN(ダゾーン)を使うなら必ず知っておきたい9つのポイント
DAZN(ダゾーン)に登録・視聴する方法とは?加入・契約の仕方をまとめてみた
DAZNの番組表は?サッカーの放送予定やスケジュールを紹介
DAZNでJリーグの放送を視聴する5つのメリットとは?
野球、F1、バスケも楽しみたい!DAZN×他スポーツ視聴の“トリセツ”はこちら ※提携サイト:Sporting Newsへ

Goal-live-scores

閉じる