クリスティアーノ・ロナウドとの契約はユヴェントスのファンの心をつかむものであり、他の何にも代えられないと言っていい。実際、キエーヴォ戦では「すまない、愛する人よ。でもCR7のデビューを見逃すわけにはいかないんだ」と書かれた横断幕が掲げられていたほどだ。
彼のビアンコネリの一員としての挨拶は、長く待望されたものだ。
ユーヴェは2003年、スポルティング・リスボンの若きスターと移籍で合意したものの、マルセロ・サラスが移籍を拒否したことで、彼のトリノ行きは実現しなかった。
それ以降ロナウドは、彼自身が入団発表時に認めたように、幾度もユーヴェファンの心を傷つけてきた。昨シーズンのチャンピオンズリーグでユーヴェ相手にオーバーヘッドでシュートを叩き込み、2シーズン前にファイナルの舞台で2ゴールを挙げたことも記憶に新しい。その姿はユーヴェファンの心に深く刻み付けられ、今夏に彼がトリノに来るという噂が立つと彼らは夢中になった。
幼少期には、“老貴婦人”に夢中になっていたと話しており、それは新たな仲間になるとのユーヴェの信念を強めた。
このラブストーリーは、いくつかのことを示唆している。

特にロナウドとパウロ・ディバラは、当初から夢のコンビだと言われていた。
最初のトレーニングで会ったとき、アルゼンチン代表がバロンドールを5度受賞したスターへの憧れを明かした。そして他のスター選手コンビと同様に、彼らにもすぐ“ディバウド”というニックネームがつけられた。
そしてさらに、イタリアのソーシャルメディアでは、ディバラが尊敬のまなざしでロナウドの目を見る写真に「ディバラがロナウドを見つめるように、あなたを見てくれる誰かを見つけよう」という文章が出回った。
だが、フィールド外では素晴らしい関係でも、ピッチ上で良い関係を築くためには少しの努力が必要だ。
ユーヴェの指揮官マッシミリアーノ・アッレグリは初戦でロナウドの相棒にディバラを選び、フアン・クアドラードとドグラス・コスタをサイドに、そしてサミ・ケディラとミラレム・ピャニッチを中盤に起用した。
手堅いフォーメーションに見える。だが前半3分にケディラが先制点を挙げたのはいいものの、ユーヴェは効果的な攻め方を見つけることができなかった。
ロナウドは前半、枠内シュートを1本も打つことができなかった。一見すると彼はエリアの隅から一つ仕事をするだけでネットを揺らすことができそうに思える。だが彼のノーゴールは彼の失敗以上に周囲にとってプレッシャーとしてのしかかっていた。
Getty Images彼は(驚くことでもないが)フィットしており調子も良い。またいくつかインテリジェンスを感じる走りを見せた。だがアッレグリが後で言った通り、大部分で彼の動きは周囲に気づかれていなかった。
「いくつかの良い動きがあったが中盤の選手がそれをうまく活かせなかった。ああいった動きは後方から正しいスポットにボールを供給されてこそだからね」
ロナウドは休暇明けでも十分に脅威であることを証明した。だがあくまでもフェデリコ・ベルナルデスキ、そして何よりもマリオ・マンジュキッチのお膳立てにとどまった。
特にマンジュキッチの途中出場は、ロナウドが好む左ウイングとしての動きを加速させた。後半になるとより多くのシュートを放ち、それまでの60分と同じだけの枠内シュート(2本)を放った。
マンジュキッチの得点率は、彼がユーヴェに加入して以来毎シーズン落ちている。2015-16シーズンにはセリエAで10ゴール、16-17シーズンは7ゴール、そして17-18シーズンは5ゴールだ。だが今夏のワールドカップロシア大会で、このクロアチア代表は大きな決定機を創出でき、また素晴らしいターゲットマンであることを証明した。
彼はハードワークを積む献身的な選手であり、それゆえにユヴェントスの“カリム・ベンゼマ”としてロナウドは彼に強い信頼を寄せている。背番号9いや17番はスペースを作り、試合の最も重要な局面でゴールを決める存在になると考えているのだ。
さらに、マンジュキッチはワイドに開いてプレーすることができる。もっとも、それこそ彼のセリエAでのひどい得点率の原因でもあるのだが、彼はロナウドとポジションを入れ替えてプレーすることができる。これはアッレグリが求める試合中のフレキシブルな動きに見事に合致する。
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しかし、もしマンジュキッチがロナウドのベストパートナーだとすれば、ディバラはどうすればよいだろう?
その指揮官が抱える悩みは第2節で浮き彫りとなる。ラツィオ戦でディバラはベンチスタートとなり、アッレグリはマンジュキッチとロナウドのコンビを選んだ。さらに加えると、前節で先発したドグラス・コスタ、クアドラードもスタメンを外れている。
結果としてはまずまずの成果を残した。難敵ラツィオを2-0と下しただけでなく、マンジュキッチとロナウドのコンビによるゴールも生まれた。ロナウドのシュートミスをマンジュキッチが叩き込んだもので、コンビネーションが現れたというわけではなかったかもしれないが、その後ロナウドが味方のゴールを喜んでいる姿から、関係性の良さがうかがえた。
一方で、ディバラは出番なし。90分間をベンチから見届けることになった。問題の核心、この化学式の解はロナウドの完璧なパートナーは誰か見つけることにある。アッレグリは、これからの数週間のマッチメイクの中でそれを見つけられることを願っていることだろう。
文=マーク・ドイル/Mark Doyle
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