■GKもFW。実際にそうでした
清水エスパルスで活躍する鄭大世。明治安田生命J1リーグの中でも屈指の体も心も強いストライカーだ。元北朝鮮代表でもあり、2010年から12年はボーフム、ケルンというブンデスリーガでのプレー経験を持つ。顔ぶれを見ると子供のころからあこがれてきた名手たちが多そうなセレクト。そしてもちろん全員ストライカー！フォーメーションは「適当です（笑）」。
■フォーメーション： 4-4-2
■GK／FW：ホルヘ・カンポス（元メキシコ代表／元ロサンゼルス・ギャラクシーほか）
■FW：ジョージ・ウェア（元リベリア代表／元パリ・サンジェルマンほか）
■FW：トーレ・アンドレフロー（元ノルウェー代表／元チェルシーほか）
■FW：ディディエ・ドログバ（元コートジボワール代表／フェニックス・ライジング）
■FW：二コラ・カリニッチ（クロアチア代表／ミラン）
■FW：ロナウド（元ブラジル代表／元レアル・マドリ―ほか）
■FW：ガブリエル・バティストゥータ（元アルゼンチン代表／元フィオレンティーナほか）
■FW：クリスティアン・ヴィエリ（元イタリア代表／元インテルほか）
■FW：アンドリー・シェフチェンコ（元ウクライナ代表／元ミランほか）
■FW：パトリック・クライファート（元オランダ代表／元バルセロナほか）
■FW：エンリコ・キエーザ（元イタリア代表／元フィオレンティーナほか）
ええっ？GKなのにストライカー？ここで触れるべきは、「元祖二刀流」の元メキシコ代表ホルヘ・カンポスだろう。168cmと小柄ながら、メキシコ代表として1994年アメリカ大会、98年フランス大会と２度のワールドカップの正GKを務めた。2002年日韓大会ではサブだったが3大会連続W杯代表に選出されている。そして、なぜ鄭大世が彼をGKに選んだか。実はホルヘ・カンポス、キャリア当初のメキシコのチームでは30点以上を決め、ロサンゼルス・ギャラクシー時代に、FWとして試合に出場しているのだ。というわけでGKもストライカーで揃えたところ、ぬかりがない。
■憧れ、マネをしたストライカーたち
あとのメンバーも個性派ぞろいだ。最終ラインを見てみよう。
95年に黒人初のバロンドールを受賞した「リベリアの怪人」ことジョージ・ウェア。パリ・サンジェルマンやミランで活躍し、現在は同国の大統領を務めている。身体能力の高さから最終ラインにおいた選手たちの中でも、際立ってるのは元コートジボワール代表ディディエ・ドログバ。2010年南アフリカワールドカップで、鄭大世は北朝鮮代表としてグループリーグ最終戦で対戦、敗戦した。「自分はJリーグでは体が強いと言われていましたが、ドログバを見た瞬間、『俺が目指すところはここじゃない』って。背負っていても、ディフェンスがいないようなターンをする。それくらい圧倒的でした」と振り返っている。
最終ラインはつわものぞろいだ。クロアチア代表の二コラ・カリニッチ。
「カリニッチは、ブラックバーンで一緒にプレーしたことがあって衝撃を受けた選手。ポストプレーの柔軟性が半端なくてボールが収まるし、すごいゴールを決めていました。このベストイレブンのサプライズ選手としては欠かせない選手ですね」とコメント。鄭大世は2010年、プレミアリーグへの移籍を試み、ブラックバーンの入団テストを受けていたとのこと。
このカリニッチに関しては、今回のロシア・ワールドカップのクロアチア代表に選出されていたが、16日のグループリーグ第1節・ナイジェリア戦でベンチスタートになったことに不満を示し、途中出場を拒否。代表から追放か？という報道があったばかり。こちらも思わぬサプライズとなった。
そして、元ノルウェー代表のトーレ・アンドレフロー。セレクトした理由は「ただ名前が好きなだけ（笑）」。声に出して読みたい。
最前線で欠かせないのはアヤックス、ミラン、バルサ等で活躍した元オランダ代表のパトリック・クライファート。「クライファートは、ダントツでナンバーワン。シンプルに憧れていた選手でした。ドリブルはすごかったし、ヘディングは映像で何度も見て特に真似して練習していました」。
現在クライファートは指導者を務めるが、その息子であるオランダ代表アヤックスの19歳ジャスティン・クライファートがローマに移籍、5年契約で移籍金は1725万ユーロ（約22億円）との報道が先日あったばかり。
時代の移り変わりも感じられる鄭大世のマイベストイレブンとなった。
取材＝田中芳樹
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