明治安田生命J1リーグ戦はW杯による中断期間を迎える。中断前最後のリーグ戦となる第15節が19、20日に開催。べストアメニティスタジアムでは、20日、17位・サガン鳥栖が2位・FC東京を迎える。
■鳥栖はホームの力を味方にしたい
サガン鳥栖は2012年に昇格して以降、7シーズン目のJ1を戦っている。かつてはクラブ消滅の危機に直面するなど苦しんだ時期があったものの、その苦難の歴史を経て順調に成長を続けてきた。
マッシモ・フィッカデンティ監督が指揮を執って3年目となる今季、開幕5試合は2勝2分1敗の6位につけていたものの、第6節・セレッソ大阪戦でエースのビクトル・イバルボが負傷離脱。この試合を1-2で落とすと、以後7連敗を喫し、現在は17位という降格圏に沈んでいる。JリーグYBCルヴァンカップもDグループを最下位で敗退。ただし、イバルボの復帰とともに、リーグ戦直近2試合は1勝1分と浮上の兆しが見えてきた。
今節、対戦するFC東京は、リーグ戦総得点2位の21得点を挙げる攻撃的なチーム。鳥栖は、まずは守備でしっかり耐えて一瞬のスキを突くべく、サイドを起点に原川力の技術や田川亨介の突破力、そしてイバルボの強さと決定力を生かしたい。
■FC東京、広島を追走するためにも
FC東京は、ほぼターンオーバーした16日のルヴァンカップ第6節でベガルタ仙台に敗れ、Aグループを最下位で敗退。長谷川健太監督が「選手たちはマックスの力を出してくれたが、最終的にゴールを割れなかったのは力の差」と振り返った。トップでプレーする選手とサブの選手の力の差が明らかになり、この中断期間でいかに選手層を充実させていくかという課題が浮上した。
ただ、このターンオーバーの結果、主力選手たちはフレッシュな状態でこの鳥栖戦に臨める。現在のリーグ戦の成績は2位。前節・北海道コンサドーレ札幌との2位・3位対戦は、0-0に終わり、勝ち点1しか積み上げられなかった。試合内容は天候の悪さをものともしない手に汗握る白熱した一戦になったものの、首位・サンフレッチェ広島との勝ち点差は「10」に広がった。
しかし、この札幌戦でキャプテンのチャン・ヒョンスが負傷から復帰しており、今節も先発見込み。日本代表から落選した森重真人にとっても、リーグ戦に懸ける思いは強いだろう。青赤軍団は今節も変わらずアグレッシブな守備をベースに、前線の永井謙佑の走力とディエゴ・オリヴェイラの強さを生かし、得点を狙う。
鳥栖のマッシモ・フィッカデンティ監督はスコアレスドローに終わったリーグ戦前節・浦和戦を「戦術的にガチガチに縛り合った試合」と振り返っている。「試合の流れに合わせて判断」（フィッカデンティ監督）し、中盤の形を相手の出方と自身の目的によって変えることで、アウェイで勝ち点1をつかんだ。同様、今節も状況に従いFC東京対策を取ってくることが予想される。
通算対戦成績は鳥栖の5勝4分9敗だが、昨季の対戦成績は1勝1分。
かつてFC東京の指揮を執ったフィッカデンティ監督はいわずもがな、鳥栖にはかつて青赤のユニフォームをまとったGK権田修一、MF高橋秀人、MF河野広貴がいる。さまざまな思いが交錯する予感はあるが、狙いは一つ。ともに、中断後のリーグ戦をより良い状態で迎えるために、目の前の敵を確実に倒すことが最大のミッションだ。
■J1第15節 試合日程
5/19（土）
14:00 横浜F・マリノス vs V・ファーレン長崎（日産ス）
14:00 ガンバ大阪 vs 浦和レッズ（吹田S）
19:00 湘南ベルマーレ vs ジュビロ磐田（BMWス）
5/20（日）
14:00 鹿島アントラーズ vs ベガルタ仙台（カシマ）
14:00 名古屋グランパス vs 柏レイソル（豊田ス）
15:00 川崎フロンターレ vs 清水エスパルス（等々力）
15:00 サガン鳥栖 vs FC東京（ベアスタ）
16:00 サンフレッチェ広島 vs セレッソ大阪（Eスタ）
17:00 ヴィッセル神戸 vs 北海道コンサドーレ札幌（ノエスタ）
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