香川真司の現状は?なぜドルトムントで今季は定位置を勝ち取れていないのか

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開幕からドルトムントで定位置を獲得できていない香川真司。過去幾度となく、指揮官の評価を覆し、ポジションを奪ってきたが、今季は簡単な戦いではなさそうだ。

■システム変更でトップ下にロイスが定着

Lucien Favre Dortmund 2018-09-26

ドルトムントが絶好調だ。開幕から7戦無敗(5勝2分け)のブンデスリーガと、開幕2連勝を飾ったチャンピオンズリーグで首位に立ち、ドイツサッカー界の主役に躍り出ている。盟主のバイエルンが国内外で苦戦している分、その輝きはなおさら際立っている。ロケットスタートの立役者を一人だけ挙げるなら、ルシアン・ファーヴル新監督だろう。地元紙『ルール・ナハリヒテン』もスイスの智将をこう激賞している。

「ルシアン・ファーヴルは60歳にして、ワールドクラスの監督である事実を証明できている。彼はBVBでの最初の100日間、休みなく働いてきた。そして、常に改善点を見つけ出している」

その“改善”を象徴するのが中盤のマイナーチェンジだ。プレシーズンから開幕当初にかけてのファーヴルは、4-3-3を基本システムに据えていた。しかし、すぐに問題が発生する。新戦力のトーマス・ディレイニーとアクセル・ヴィツェル、自身がボルシア・メンヘングラードバッハ時代に指導したマフムード・ダフードで構成する中盤が、インテンシティーの高いプレーや豊富な運動量という武器をもたらす一方で、攻撃時の創造性不足という課題を露呈したのだ。MFによるチャンスメイクの質が高まらず、崩しの局面で3トップの個人技任せになりがちだったチームは、2部グロイター・フュルト(DFBポカール1回戦)やハノーファーなど格下のネットを揺らすのにも苦労。ファーヴルはいきなり修正力を問われることになった。

Marco Reus, Borussia Dortmund

このタイミングでの選択肢は大きく分けて二つあった。継続強化か、メスを入れるか、だ。シーズンはまだまだ始まったばかり。おそらくは大半の指揮官が「継続」を選択するはずだが、ファーヴルは違った。4-3-3にあっさりと見切りをつけ、マルコ・ロイスをトップ下に据える4-2-3-1へと基本システムを変えたのだ。結論から述べれば、4人の純粋なアタッカーをピッチに送り込むことで、ドルトムントの破壊力は格段にアップした。第5節のニュルンベルク戦で7ゴールを挙げると、続くレヴァークーゼン戦で4ゴール、CLモナコ戦で3ゴール、第7節のアウクスブルク戦で4ゴールと開幕直後の懸念をかき消すゴールラッシュを披露している。

■スポットライトを浴びるアタッカー陣の中で波に乗れず…

2018-09-27-shinji-kagawa

攻撃面における最大の特長は、オープンな展開になった時の破壊力だ。ロイスに加え、CFのマキシミリアン・フィリップ(もしくはパコ・アルカセル)、左ウイングのヤコブ・ブルーン・ラーセン(もしくはマリウス・ヴォルフ)、右ウイングのジェイドン・サンチョ(もしくはクリスチャン・プリシッチ)がレギュラーの前線は、緻密なコンビネーションによる打開よりドリブル突破やワンツーを駆使した速攻を得意としている。それゆえコンパクトで分厚い守備ブロックを築かれると、なかなか良い形でフィニッシュまで持ち込めない。しかし、スタミナや集中力の低下により、相手の陣形が間延びしてきた時間帯の破壊力は圧巻だ。縦に速い仕掛けでスペースを攻略し、一気にゴールを陥れるのだ。カウンターの精度と威力も申し分がない。

スポットライトを浴びるアタッカー陣の中で、波に乗れていないのが香川真司だ。今夏の移籍マーケットで移籍が有力視されたものの、ドルトムントに留まる決断を下した日本代表MFは、ここまでリーグ戦2試合出場(先発1)、CL1試合出場(先発)に留まっている。よりフィジカルが強くてハードワークできるタイプを好んだ指揮官のニーズに合わず、インサイドハーフの定位置をつかめなかった開幕当初はベンチ外が続き、ここ最近は足首の負傷でスタンド観戦を余儀なくされた。長期離脱を要するケガではなかったのが幸いだが、戦列に戻ってもコンスタントに出番をつかむには相当なアピールが必要だろう。

■証明すべきは、「香川>ゲッツェ」

Mario Gotze Marco Reus Borussia Dortmund 2018-10-06

香川の立場を厳しくさせているのは、好調のライバルたちを置いてほかにない。トップ下のロイスは主将であり、文字通りアンタッチャブルな存在だ。ここまで公式戦10試合出場で、6ゴール・6アシストと素晴らしい結果も残している。このエースを中心に攻撃陣の歯車が噛み合っている以上、ファーヴルが香川をトップ下のレギュラーに据える理由は思い浮かばないところ。むしろレギュラーどころか、ベンチ入りするのも容易ではないかもしれない。開幕から不遇をかこっていたマリオ・ゲッツェが、直近のアウグスブルク戦で貴重なゴールを決めたからだ。まずは、ゲッツェより有益なトップ下と証明しなければならない。

ウインガーの層が厚いのも、香川のレギュラー獲りを難しくさせている要素だ。例えば、ニュルンベルク戦から3戦連発と赤丸急上昇中のブルーン・ラーセンが調子を崩し、控え要員のヴォルフもパッとしないようなら、ファーヴルがロイスを左ウイングに回す可能性がある。その際、トップ下のレギュラーはゲッツェと香川の二者択一となるはずだ。ただ、現在は右が主戦場のサンチョも左で機能する。ロイスがトップ下でのプレーを希望している事情もあり、ウインガーの状態悪化に伴う香川の定位置奪取というシナリオは現実味を帯びない。

14年夏にマンチェスター・ユナイテッドからドルトムントに復帰した以降の香川にとって、今シーズンは最大の正念場かもしれない。ベンチ入りできるかどうかという現在の立場は、放出候補に挙がっていた8月頃から予想されていたこと。ここからどう這い上がっていくか。ドルトムント、そして日本代表でも、幾度となく証明してきた香川の底力に期待だ。

文=遠藤孝輔(サッカージャーナリスト)

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