「まだまだこれから」といったところだろうか。
ブラジル代表MFファビーニョは今夏、4500万ユーロ(約58億4800万円)でモナコからリヴァプールへと加入したが、ここまでリーグ戦での出場はかなっていない。しかし、シーズンは長い。カップ戦を中心にアピールしていけば、ユルゲン・クロップ監督の信頼を勝ち取ることはできるだろう。実際、ナビ・ケイタとジェームズ・ミルナーが負傷離脱へと追い込まれた今、チームの重要な核に据えられる可能性だってある。
では、当のファビーニョは現状にどのような思いを抱いているのだろうか。モナコとリヴァプールの違いについても言及しつつ、『Goal』だけに胸中を明かしてくれた。
■「時間が必要。静かにそのときを待つ」

――現在、リーグ戦での出場はありません。試合に出られないでいることに不安はありますか?
もちろん、試合には出たい。でも、僕は新しいリーグの新しいチームに入ったばかりで、リーグやチームに慣れるには時間が必要だ。クロップ監督のやり方はわかってきた。リヴァプールに来られて嬉しいし、徐々にピッチに立つ時間を長くしていきたいと思っている。ピッチでの感じはいいよ。練習を一生懸命して、静かにそのときが来るのを待っているところさ。
――モナコから、リヴァプールというビッグクラブに加わりました。両クラブの違いは何でしょうか?
違いはたくさんある。プレースタイルも、激しさも違うし、もちろん戦術も違う。リヴァプールでは中盤に6人の選手を置いていて、どの選手からも攻撃を始めることができる。リヴァプールは組織的で、トレーニングセンターも素晴らしい。ファンも特別だ。ここに来たことが、僕にとって素晴らしいストーリーの始まりであるといいね。
――リヴァプールの監督とモナコの監督は、どこが違いますか?
2人の監督の違いを話すのは、まだ早いよ。レオナルド・ジャルディム監督(当時)との関係のほうが、濃密だからね。4年もモナコでプレーしていたんだから。クロップ監督とも、ずいぶん砕けた話をリラックスしてできるようになってきた。監督のやり方にもずいぶん慣れたよ。どんどん一緒に仕事をしていって、監督に信頼してもらえるようになりたいと思っている。
――この夏、あなたには多くのうわさがありました。ヨーロッパのチームに関して、多くの選択肢があったのでしょうか?
いや、リヴァプールと交渉するので、選択肢は非常に限られていた。移籍市場が始まった当初、初日だと思うけど、早々にリヴァプールからモナコに話が来て、すぐに他からのオファーはシャットアウトした。リヴァプールは昨シーズン、素晴らしい成績だった。リヴァプールから話が来る前から、代理人に「リヴァプールと話がしたい」と伝えていたんだ。
■リヴァプール移籍の決断は容易だった?
――最初からリヴァプールを希望していたということですが、誰かから話を聞いていたのでしょうか?
リヴァプールと契約する前、同じブラジル代表のロベルト・フィルミーノと話をした。どんなクラブなのか、どんな街なのか、リヴァプールに住んでどんな感じなのかを聞いたよ。とてもいいクラブ、いい街であると、教えてもらった。他にも、リヴァプールに行ったことのある人からも話を聞いた。僕も数年は寒い地域で暮らしたことがあるから、気候の面では問題なかった。みんなの話を聞いて、さらにリヴァプールに行きたくなった。
――ブラジル代表のアリソン・ベッカーとフィルミーノの2人がいることも、リヴァプールへの移籍を決意した理由ですか?
普段の生活で同じ言葉を話す人がいてくれるというのは、プラスだよ。特に僕は、英語がうまく話せないからね。毎日の生活で、僕や家族を助けてくれる人がいるのは、本当にありがたいことで、とても大事なことだよ。僕らはいつも一緒にいて、話をしたり、誰かの家で食事をしたりしている。温かい人たちさ。
Getty――ナビ・ケイタがあなたと同時にリヴァプールに加わり、試合に出られない直接的な理由となっています。ミッドフィルダーとしてのナビをどう思いますか?
ナビは素晴らしい選手だ。よく彼や(サディオ)マネと話をしている。2人はフランス語が話せるから助かるよ。ナビはいいやつだ。チャンピオンズリーグの試合で一緒にプレーしたけど、彼も今はチームに慣れる時期だ。彼がこれからもチャンピオンズリーグでプレーするかどうかは、わからない。僕にとっても、彼にとっても、大事な時間だ。チームと一緒に成長し続けたいと思う。
■今季のリヴァプールは…
Getty Images――クロップ監督に言われたことで、一番響いたことは何ですか?
監督は、初めから僕のことを落ち着かせてくれて、安心させてくれた。僕の能力はよくわかっている、準備もちゃんとできていると言ってくれた。監督とはうまくやっている。試合ではあまり使ってもらえてないけど、毎週、ハードワークをしている。僕のほうは何の問題もない。クロップ監督だけじゃなく、コーチングスタッフ全員が、僕がチームに馴染むことができるよう、助けてくれている。ピッチの上だけじゃなく、ピッチの外でも。首脳陣も僕を助けてくれているし、僕を待ってくれている。みんながね。
――リヴァプール・トリオのマネ、モハメド・サラー、フィルミーノの今シーズンの調子をどう見ますか?
うちのトリオは、サッカー界最強トリオの一つだ。彼らは完璧で、とても速く、考えるスピードもとても速い。お互いをよく理解しているね。シーズンは始まったばかりだというのに、もう何ゴールも挙げている。彼らは、もっとうまくなりたいと思っているし、貪欲にゴールに向かっている。うちのチームがとてもうまくいっているのは、攻撃力があるからだ。あのトリオは、今シーズンもたくさんのゴールを決めるだろうね。
――昨季、リヴァプールはチャンピオンズリーグまであと一歩でした。どうすれば今シーズン、チャンピオンズリーグとプレミアリーグを勝てるでしょうか?
プレミアリーグでは良いスタートを切った。チャンピオンズリーグでも、決勝トーナメントへ進出できるかは僕ら次第だ。リヴァプールがとても優れたチームであることはわかっているし、今シーズンはタイトル獲得に向けて、一歩一歩進んでいるよ。
■ポジションにこだわりはなし
Getty Images――最近は右サイドバックとしてブラジル代表に呼ばれていますが、このポジションに他に選手がいても、チッチ監督に自分が必要とされていると思いますか?
確かに、チッチ監督は僕を右サイドバックとしてチームに呼んでくれている。監督は、以前から僕のことを、複数のポジションをこなせて、中盤でも使うことのできる選手だと言ってくれている。ここ数年、僕はハイレベルでプレーできているし、モナコでいい仕事ができたから、リヴァプールに来ることができた。セレソンでチャンスを与えられているのも、そういうことだと思う。ここ最近、クラブで右サイドバックとしてプレーしてきたからね。
――では、どこのポジションが一番好きですか?
ここがいいというポジションはない。クラブでは中盤で、セレソンの試合ではサイドでプレーしている。つまり僕は、複数のポジションでプレーできるということだ。とても重要なことだし、僕の長所でもある。監督から別のポジションでプレーしろと言われても、平気だよ。左サイドでだってプレーするさ。チームの役に立つなら、何でもするよ。
インタビュー・文=アーメド・ラガブ/Ahmed Ragab
構成=Goal編集部
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