今回のサッカーファンは日本陸上男子短距離界のエース・山縣亮太選手(セイコー)だ。今年8月に開催されたアジア大会では4×100mリレーで金メダルを獲得。個人としても男子100mで10秒00を記録して銅メダルを獲得した。9月の全日本実業団対抗選手権で3連覇、10月の福井国体でも優勝を果たすなど勢いに乗る山縣選手は、2020年の東京五輪でも活躍が期待されている。
そんな日本屈指のスプリンターが語るサッカー愛に、いま迫る。
インタビュー=松岡宗一郎
■サッカー、野球、そして陸上を経験した少年時代
(C)Goal――まずはアジア大会やその後のご活躍、改めておめでとうございます。
ありがとうございます。
――と言いつつ、今回は山縣選手がサッカーファンだとおうかがいしたので、サッカーの話をたっぷり聞かせていただければと思います!
よろしくお願いします(笑)。
――まずは好きになったきっかけから教えていただけますか?
サッカーは自分にとってとても身近なスポーツでした。だから自然と好きになって、幼稚園の頃からプレーしていました。
――広島出身ということで好きなチームや選手で言うと?
サンフレッチェ広島ですね。下田崇選手が好きでした。
――なかなか渋いですね!
僕自身、昔はGKをやっていたんです。その影響もあって好きでしたね。
――スタジアムにはよく行かれていたんですか?
結構行きましたね。父親の仕事の関係で広島ビッグアーチ(エディオンスタジアム広島)に行く機会は小さい頃から多かったです。そうしているうちに「自分もやってみたいな」と思ったのが始まりでした。
――小学生の頃はサッカーに加えて野球や陸上もやられていたそうですね。
実は最初に始めたのがサッカーだったんです。幼稚園の頃でした。当時入っていたクラブが遊びながら教えていくスタイルだったので、すごく楽しかったのを覚えています。
野球は小学1年生頃から。陸上が一番始めるのが遅くて、小学4年生のときでした。ちゃんとやりだす前に広島市のかけっこ大会に出る機会があったんです。一年前に兄が優勝して大きな賞状を持ってきた大会で。それがただただ羨ましくて「自分も出たい!」と思って参加しました。
――「自分もやれるかもしれない」という思いがあったんですね。
そこで優勝して賞状をもらうことができました。そしてそれを見ていた陸上クラブの関係者に声をかけていただいて陸上を始めたんです。最初に出た試合で優勝できたという成功体験が子どもながらにすごくうれしくて。今でも覚えていますね。
両親の教育方針で学習塾に通うことになったのでサッカーは辞めてしまったんですが、陸上は楽しくて続けることを選びました。どのスポーツも本当に好きだったんですけど、最初の大会で優勝できたことで、「これが自分の得意競技だな」って感じたのが大きかったと思います。
■「武藤(嘉紀)くんには刺激をもらっています」
(C)Getty Images――競技面では陸上を選択することになりましたが、その後もサッカーはご覧になっていましたか?
結構見ていましたね。サンフレッチェをずっと応援しているので。J2に落ちたときもそうですし、昇格して優勝して……という流れもずっと見てきました。だから今強いのがとても嬉しいです(笑)。
――昔は常に優勝争いに絡むというわけではありませんでしたよね。しかし近年は上位争いに加わって2012年、13年、そして15年に優勝を経験しました。今年も優勝は逃しましてしまいましたが2位の位置です。
プロ野球の広島カープもそうですけど、ファンの立場からしてもあまり強いイメージはありませんでした。でも近ごろは本当に勢いがあるので、正直言ってびっくりしています(笑)。
――(笑)。そんなサッカーを継続的にご覧になってきた中で進学した慶應義塾大学では武藤嘉紀選手(ニューカッスル)と同級生だったそうですね。
実は卒業するまでは話したことがなかったんですよ。卒業するときに初めて生で見たくらいでした。ただ彼はすでにすごく活躍していて(※編集部注:特別指定選手としてFC東京でプレー)、注目度もものすごく高かったので知っていました。
話すようになったのは卒業してからですね。慶応のOBのつながりで食事会に行ってそこに武藤くんが来ていて……。そうやって仲良くなりました。
――武藤選手はJリーグで活躍した後にドイツへ渡り、今はイングランドのプレミアリーグでプレーしていますよね。同級生の活躍を見ていかがですか?
いやぁ、すごいなぁと(笑)。刺激をもらいますね。プロサッカーの世界は競争が激しいですし、お金の面でも何億という世界だと思うので、「スケールが大きいな」と思いながら見ています。活躍していると、すごく刺激をもらいますね。
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