日本代表MF本田圭佑が12日、プノンペンで開催されたカンボジアサッカー連盟の記者会見に出席し、同国のコーチングスタッフに入閣することが発表された。本田は会見で、様々な質問に答えている。
今夏にオーストラリアのメルボルン・ヴィクトリーに加入した本田だが、国際Aマッチデーにはカンボジア代表のスタッフとして活動していくことになる。本田の肩書は「Headofdelegation」となっており、実質的な監督のポジションを担うことになる(登録上の監督はアルゼンチン最高位ライセンスを保持するフェリックス・アウグスティン・ゴンザレス・ダルマス氏)。契約期間は2年だ。
本田は会見で質疑応答に応じ、「カンボジアのサッカースタイルをつくり、魅力を世界に伝える」などと意気込みを語った。
――どのようにカンボジア代表を時間的にマネジメントしていく予定ですか?
「毎週メルボルンでプレーすることになります。ただこのプロジェクトにわくわくしていますし、まわりのスタッフから報告を受ける会議を週に1~2回でも(テレビカンファレンスなどで)設けたいと考えています。その中で各チームの選手の状況をすべて確認しながら、誰を選考するのかをしっかり決めていきたいです」
――いかにカンボジアサッカーを向上させていきますか?
「細かいことはこれから決めていきます。大きなところで言うと、カンボジアサッカー選手の特徴は日本と似ているので、ボールポゼッションとディフェンスのハイプレスは高められると思っています。サッカーなので、相手に応じて変わるが、選手の特徴を活かして、柔軟な戦術をとっていきたい。ここにいるみなさんにカンボジアのサッカーは変わったな、観ていておもしろいなと思ってもらえるようなサッカーを目指していきたい」
――どのようにコミュニケーションをはかっていく予定ですか?
「週に1回や2回の短い時間でのテレビカンファレンスになりますが、大事なことは全員に考えを浸透させることだと思っています。具体的には各クラブの関係者とコミュニケーションをとっていきたいと思っています。各クラブは試合に勝たないといけないので、われわれの希望をすべて受け入れられないと思いますが、全員がカンボジアサッカーの目指す方向性を理解することが大事です。目指すべき方向性が決まれば、それを信じて突き進むだけです。この目指すべきものがない国が多いのが現状。スペイン、イタリア、ブラジルのサッカースタイルが何なのかをイメージできる人は多いと思います。ただ、日本のサッカー、カンボジアのサッカーのスタイルを思い浮かべられる人は少ない。そういう目指すべき方向性を決めて進むことが大事。サッカーは明日、明後日、1年後に劇的に強くなるものではない。我慢強く向かっていくことが大事」
――どの試合から指揮を執りますか? 全試合、参加できるのですか?
「どの試合に来れるか細かいところはこれから詰めていきます。メルボルンとの(選手としての)契約があるので、来れない試合があるのは事実。ただ、メルボルンというクラブもこの事実を知っていて、理解を示してくれているので、協力的に動いてくれると思います」
――正確な立ち位置は? また、契約期間は?
「立ち位置は、『実質的な監督』ということになると思います。契約期間は2年です。僕としては好きでやっているので、ここに来るための移動費をみていただくだけで、そのほかには受け取らないので、契約期間はあるようでないと言っていいかもしれません」
――カンボジアの選手たちをどう見ていますか?
「私は世界トップクラスの選手を見てきているので、カンボジアの選手はまだまだ成長しないといけないと思っています。ただ、前回、(日本代表の選手として)カンボジア代表と試合をした時に、若くて素晴らしい選手がたくさんいたので、各クラブにはまだまだ素晴らしい選手がたくさんいると思う。(記者からの意見で)結果にしか興味がないということですが、試合をやる以上は負けに行く人はいないと思うので、勝ちに行きます。ただ、目先の結果だけを追い求めては本当にサッカーが強い国にはなれない。サッカーが強くなるには時間が必要です。日本も1998年にはじめてW杯に出て20年ですが、まだ苦しんでいます。そこに追いつけ追い越せで精進していくフェーズにあると思う」
――最後にひとこと
「日本人である私がここにきて、カンボジアのサッカースタイルをつくる。カンボジアの魅力を世界に伝える。これは非常に大きな意味があると思っています。サッカーの枠をこえて、国と国がいい関係をつくりあげる。また、第3国にまでいい影響が広がると私は確信しています。素晴らしいプロジェクトにしたいので、みなさんよろしくお願いいたします」
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