試合巧者vs堅守。念願のアジア初制覇へ、鹿島がイランの強豪と激突！

鹿島アントラーズは3日、AFCチャンピオンズリーグ決勝第1戦でイランのペルセポリスと対戦する。

AFCチャンピオンズリーグは3日に決勝第1戦が開催。初のファイナルを戦う鹿島アントラーズは、ホームでイランのペルセポリスと対戦する。日本勢として2年連続のアジア制覇が懸かる大一番。両チームのここまでの戦いを振り返る。

■鹿島：準決勝の死闘を乗り越え、初のアジア制覇へ

鹿島は準決勝で韓国の水原三星に2試合合計6-5で競り勝ち、初の決勝行きを決めた。第1戦では、開始6分までに2ゴールを奪われる苦しい展開も、オウンゴールで前半のうちに1点を返すと、84分に西大伍の絶妙なクロスにセルジーニョが合わせて同点に追いついた。さらに、畳み掛ける鹿島は後半アディショナルタイム、セルジーニョのFKのこぼれ球に内田篤人が反応。右足で押し込み、ホームでの第1戦で劇的な逆転勝ちを収めた。

鹿島は、第2戦も同様に劣勢に立たされる。25分に山本脩斗の一撃で先制しながらも後半、立て続けに3失点。しかし、直後に第1戦で途中出場ながらセルジーニョの同点弾を演出した西が絶妙なタッチからシュートを決めて1点差に迫った。

2戦連続5-5。このまま行けば延長戦に突入する。水原はホームの大声援を後押しに猛攻を仕掛けるが、GKクォン・スンテがビッグセーブを連発。すると82分、スローインから鈴木優磨がつなぎ、最後はセルジーニョ。右足で豪快に叩き込み、2試合連続6-5と勝ち越しに成功した。その後、後半アディショナルタイムに小笠原満男を投入。落ち着きをもたらした鹿島が水原に追加点を許さず。決勝行きの切符を手にした。

準々決勝・天津権健戦、準決勝・水原戦でそれぞれ2ゴールをマークしたセルジーニョは「切符を手にしたわけであって、切符を手にするだけではなくて、トロフィーを手にするためにまた全員で戦っていく」と、未踏の地・決勝への意気込みを示した。

そのセルジーニョを鹿島に呼んだのは、現在クラブでテクニカルディレクターを務めるジーコだ。「決勝に行って負けたら何の意味もないと言われているので、全力を尽くしてトロフィーを手にすることができればなと思います」（セルジーニョ）。“サッカーの神様”がもたらす勝者のメンタリティを決勝でも発揮したい。

鹿島はミッドウィークにセレッソ大阪とのリーグ戦を消化しているが、先発を9人変更し、若手主体のメンバーで白星を挙げている。過密日程のなか、大岩剛監督が上手くターンオーバーを図り、ある程度の休息を得ることができた。課題であった失点の多さも、C大阪戦でクリーンシートを達成した良い流れを継続できるかが、最大のポイントとなる。

■ペルセポリス：堅守を武器に初の決勝進出

©Getty Images

鹿島と決勝で対峙するペルセポリスは、イランの首都テヘランを本拠地にするクラブで、国内リーグでは11度の優勝を誇り、現在2連覇中の強豪だ。ACLにはこれまで7回出場しており、ベスト16に3度入り、昨季は初の4強入りを達成。

今季はグループリーグを4勝1分1敗の1位で突破し、ラウンド16、準々決勝と接戦をモノにし、2年連続の4強入りを果たした。準決勝では元バルセロナのシャビ、元アトレティコ・マドリーのガビらを擁するアル・サッドと対戦。こちらも2戦合計2-1と1点差の接戦を制して初のファイナル行きを決めた。

チームを率いるクロアチア人のブランコ・イバンコビッチ監督は、2006年のドイツW杯でイラン代表を指揮した経験を持つ名将。その後、中国やサウジアラビア、クロアチアのディナモ・ザクレブでの指揮を経て2015年にペルセポリスの指揮官に就任。今大会12試合中の6試合で無失点ゲームを記録するなど、鉄壁の堅守を敷いて決勝まで勝ち進んだ。

注目選手は、イラン代表の守護神GKアリレザ・ベイランヴァンドだ。194センチの長身GKは、ロシアW杯でグループリーグ全3試合に出場。ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドのPKをストップ。決勝トーナメント進出は叶わなかったが、ヨーロッパの強豪相手に好プレーを披露した。

日本サッカー協会（JFA）によると、ペルセポリスの選手団は10月31日に来日しており、翌11月1日から日本で活動を開始している。2日間のトレーニングを経て鹿島との決戦に臨む。

第1戦は3日15:00に県立カシマサッカースタジアムで行われる。第2戦はペルセポリスのホーム・アザディスタジアムで現地時間10日の18:30にキックオフする。

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