BVB Borussia Dortmund 20082018Getty Images

絶対王者バイエルンの7連覇は確実?2018-19シーズンのブンデスリーガ優勝争いは…

■第二勢力の成長なくして歴史は動かない

Bayern Munchen SupercupGetty Images

優勝するのはバイエルンだろう。戦力、経験ともに他の追随を許さない絶対王者が、7連覇を逃すシナリオは描きにくい。昨シーズンの得点王であるロベルト・レヴァンドフスキを擁する最前線から、主将のマヌエル・ノイアーが君臨する最後尾まで陣容に穴らしい穴はなく、ロシア・ワールドカップ参加者が合流して間もなかったDFLスーパーカップではフランクフルトを5-0と一蹴。プレシーズンマッチでユヴェントスとマンチェスター・シティに敗れた不安をかき消す会心のパフォーマンスをいきなり見せつけて、今シーズンの初タイトルを手にした。「バイエルンが優勝する」と語るシャルケのドメニコ・テデスコ監督など、戦前からいわば白旗を振っている指揮官は少なくない。

焦点は優勝チームの予想ではなく、いつまで首位争いが繰り広げられるか。例年のように、ウインターブレイクの時点で趨勢が決するようでは、昨シーズンにメディアを賑わせたリーグ改革案(優勝プレーオフの導入など)が再びドイツサッカー界で議論されることになりそうだ。対抗馬に挙がるドルトムントやホッフェンハイムのユリアン・ナーゲルスマン監督が警戒するレヴァークーゼン、昨シーズン2位のシャルケあたりの奮起を願う中立のファンは少なくない。主軸の高齢化や監督交代(ユップ・ハインケス→ニコ・コバチ)などバイエルンに不確定要素がないわけではないが、第二勢力の成長なくして歴史は動かないだろう。

■“教授”率いる平均年齢が最も若いチームが台風の目に?

RB-Leipzig-TeamGetty Images

個人的に期待しているのは、昨シーズン6位のRBライプツィヒだ。攻守の要だったナビ・ケイタがリヴァプールに移籍したものの、得点源のティモ・ヴェルナー、チャンスメーカーのエミル・フォルスベリ、近未来のワールドクラス候補生であるセンターバックのダヨ・ウパメカノなど、メガクラブが興味を示すタレントが残留濃厚になっている。未完の大器に照準を絞るお馴染みのリクルーティングで、フランスU-21代表のノルディ・ミュキエレやヨーロッパリーグ予選で2得点の19歳マテウス・クーニャら有望株も加えており、ケイタが抜けたセントラルMF以外のポジションは戦力アップ。スポーツディレクターとの兼任で、3シーズンぶりに現場の指揮を執ることになった“教授”ことラルフ・ラングニック新監督が舵取りを誤らなければ、トップチーム登録者の平均年齢が最も若く、成長の余地を残すRBライプツィヒが首位争いに加わるかもしれない。

■日本人所属クラブで仕上がり具合が良いのは…

BVB Borussia Dortmund 20082018Getty Images

日本人選手の所属クラブに目を向ければ、香川真司の去就が気になるドルトムントに期待を抱いているファンが最も多いだろう。得点源だったミヒー・バチュアイ(現バレンシア)が退団したストライカーの穴埋めが実現していないが、中盤にはワールドカップで異彩を放ったアクセル・ヴィツェルとトーマス・ディレイニーが加わった。スイスの智将リュシアン・ファーヴルがどんなチームに仕上げるか要注目だ。

一方で、見通しが明るくないのが、長谷部誠と鎌田大地を擁するフランクフルト。近年の躍進に導いたニコ・コバチ監督が去っただけでなく、昨シーズンにブレイクしたMFマリウス・ヴォルフ、オマル・マスカレル、不動の守護神だったルーカス・フラデツキー、重鎮ケビン・プリンス・ボアテングが退団し、チームの戦力値は大きく下がっている。DFBポカール1回戦で4部のウルムに不覚を取ったのは決して偶然ではなく、アディ・ヒュッター新監督の組織固めが遅々として進んでいない印象だ。

同じく4部のヴォルマニア・ヴォルムスに6-1ときっちり勝利したブレーメンは、まずますの仕上がり具合を見せている。頼もしいのはケルンから加入した大迫勇也だ。ワールドカップのコロンビア戦での一発がきっかけになったのか、プレシーズンマッチ、そしてW・ヴォルムス戦でヘディングゴールを決めるなど、新たな武器を見せつけている。この日本代表ストライカーに加え、ドルトムントに引き抜かれたディレイニーの穴埋め役を担うオランダ代表MFダフィ・クラーセンがキーマンになるかもしれない。35歳の青年監督であり、GK出身者でありながら攻撃的なスタイルを好むフロリアン・コーフェルトのサッカーにも注目だ。

原口元気と浅野拓磨を新たに獲得したハノーファーの状態も悪くない。プレシーズンマッチではウディネーゼやアスレティック・ビルバオなど骨のある相手を撃破。DFBポカール1回戦では3部のカールスルーエに6-0と力の差を見せつけた。選手のクオリティー不足をハードワークや組織力で補っているチームが、昨シーズンのように意外な健闘を見せるかもしれない。

宇佐美貴史のレンタル期間延長を実現させたデュッセルドルフ、そして、ブンデスリーガ初参戦となる久保裕也が所属するニュルンベルクは、残留できれば御の字。特に昇格1年目のデュッセルドルフとニュルンベルクは、戦力値が1部の水準からかけ離れている。選手の推定市場価格の合計額(どちらも3000万ユーロ台。transfermarkt参照)が、2部のケルンやハンブルガーSVより低いほどだ。厳しい戦いが予想される中で、宇佐美や久保はどんなパフォーマンスを見せてくれるだろうか。

文=遠藤孝輔(サッカージャーナリスト)

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