Goal Live Scores

破壊的な存在、ルカクを止めろ!日本守備陣、ベルギー戦最大のミッション

■規格外。技巧的な動き出しやシュートもあり

日本代表はロシア・ワールドカップ決勝トーナメント1回戦でFIFAランキング3位のベルギーと対戦する。“タレント軍団”という表現がふさわしいベルギーにあって、最前線で抜群の存在感を発揮しているのがエースストライカーのロメル・ルカク(マンチェスター・ユナイテッド)だ。190cm、94kgの巨躯にものを言わせる突進や空中戦だけでなく、タイミングの良い動き出しなどストライカーの資質をハイレベルに持ち合わせる。

日本代表は昨年11月にもベルギーと敵地で対戦し、0-1で惜敗しているが、そのゴールをヘッドで決めたのがルカクだ。ベルギーは当時よりチームの完成度が上がっており、ワールドカップという大舞台での対戦でさらなる脅威となる。

欧州予選ではチームの43得点中11得点を記録しているルカク。ロシア大会でベルギーはグループリーグ3戦全勝、ルカクは2試合に出場して4得点と大暴れしている。すでに突破を決めた状況だったため、第3戦・イングランド戦は温存されたままに終わったが、この日本戦には万全な状態で破壊的なフィニッシュワークを発揮してきそうだ。

以下に続く

グループリーグで挙げた4つのゴールを振り返ると、ヘディング1、左足1、右足2という内訳になる。

1点目 第1戦・パナマ戦(3-0)69分 ダイビングヘッド

69分のゴールは、エデン・アザール(チェルシー)がゴール左でキープして、手前のケヴィン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)に戻すと、デ・ブライネはペナルティーエリア内の左に侵入して右足アウトでクロス。ルカクはゴール右で2人のDFに挟まれていたが、GKとDFの間に入ってきたボールに豪快なダイビングヘッドで合わせ、ゴール右に突き刺した。

2点目 第1戦・パナマ戦(3-0)75分 左足チップキック

パナマ戦2点目は、カウンターからアザールがドリブルで中央を突き進み、ルカクも左ワイドを並走する。DFの間に通されたスルーパスはルカクが走る前方へ。バックスピン気味にGKの手前で速度の落ちたボールに追いつくと、左足のチップキックでGKが飛びたす頭上を破るボールをゴールに吸い込ませた。

3点目 第2戦・チュニジア戦(5-2)16分 左足低い弾道

ハーフウェーでこぼれ球を拾ったドリース・メルテンス(ナポリ)がドリブルする間に、少し前方を走るルカクが右斜めに。相手センターバックが付いてくると左に方向を変えてダッシュ。メルテンスからグラウンダーのスルーパスを引き出すと、右足のインサイドでコントロールして左足で低い弾道のシュートをゴール右に突き刺した。

4点目 第2戦・チュニジア戦(5-2)45+3分 右足で相手GKの頭上

右サイドのライン側でボールを持ったデ・ブライネがサイドハーフのポジションからインサイドに流れるトマ・ムニエ(パリ・サンジェルマン)にパス。ムニエが中央に切り込んでディフェンスを引きつけると、ルカクが左から右に交差して、短いショートパスから右足で飛び出すGKの上を破るシュートを決めた。

その体格からパワー型のイメージが先行しがちだが、技巧的な動き出しやシュートも得意としており、本格派ストライカーとして非の打ち所を見いだしにくい。強いてあげるなら調子の波が大きいことだが、この短期決戦でここから急激に調子を落とすことは考えにくい。

■プレミアで対戦していることは吉田のアドバンテージ

2018-07-02-yoshida-lukaku

▲昨年9月、プレミアリーグでサウサンプトンはマンチェスター・ユナイテッドと対戦。ルカクに決められ、サウサンプトンは0-1で敗戦した

この大型FWをいかに止めるのか。そのカギを握るのはプレミアリーグでも対戦経験のあるセンターバックの吉田麻也だ。

昨年9月には吉田の所属するサウサンプトンはルカクを擁するマンチェスター・ユナイテッドと対戦。前半にルカクのヘディングシュートをGKがはじいたボールを左足で押し込まれた。

当時、吉田はルカクについて「強くて巧くて速い。拳銃もナイフも弓矢も持っている」と例えている。

それだけハイレベルなストライカーであると分かっているからこそ、いかにその能力を発揮させないかイメージはできているはず。センターバックのパートナーである昌子源(あるいは槙野智章)とチャレンジ&カバーしながら体をつけて行くところ、距離を取るところを使い分け、同時にデ・ブライネやアザール、サイドのムニエなどから絶好のパスが出てこないように周囲の選手をオーガナイズしていきたい。

ベルギーはルカクを封じてもドリース・メルテンス(ナポリ)やアザールのドリブル突破、ヤニック・カラスコ(大連一方)のカットインからのシュートなど、飛び道具的なオプションをいくつも持っており、そのすべてを防ぎ切るのは難しい。

しかし、最もゴールに近いところで決定的なプレーをしてくるルカクのフィニッシュは最も失点の確率が高い。言い換えるとそれ以外のフィニッシュは確率としては下がる。

ルカクを封じることにより、ベルギーのゴール前での脅威を減らし、失点の確率を大きく下げる。その上で、周囲のフィニッシュからスーパーゴールが決まってしまったら仕方ないぐらいの割り切りも必要かもしれない。

「紙一重の勝負をものにしたい」と西野朗監督が語るように、どれだけ日本が良い準備で入っても簡単なゲームにはなり得ない。その中でルカクをいかに封じるかは勝負を左右する最大のポイントだ。

自身がプレミアリーグで経験を積んできていることはアドバンテージになると吉田は言う。同時に「もちろん僕はアドバイスをするし、意見も言うけど、みんな彼らと対峙することがどれだけ難しいかを分かっている」と続けた。「小さな1つのことが大きな違いになってしまう。だから僕らは90分間集中し続ける必要があるし、それがゲームのカギになる」(吉田)。全員がベルギーの脅威を認識している。日本代表はすべての感覚を研ぎ澄ませ、強敵に向かう。

文=河治良幸

Goal_worldcup_article_banner

▶サッカー観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

【DAZN関連記事】
DAZN(ダゾーン)を使うなら必ず知っておきたい9つのポイント
DAZN(ダゾーン)に登録・視聴する方法とは?加入・契約の仕方をまとめてみた
DAZNの番組表は?サッカーの放送予定やスケジュールを紹介
DAZNでJリーグの放送を視聴する5つのメリットとは?
野球、F1、バスケも楽しみたい!DAZN×他スポーツ視聴の“トリセツ”はこちら ※提携サイト:Sporting Newsへ

Goal Live Scores
広告