琉球が圧巻の攻撃力で“昇竜”のごとく最速優勝。組織力で勝ち抜いた鹿児島もJ2へ/2018年J3総括

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明治安田生命J3リーグは、12月2日に全日程が終了。琉球と鹿児島、昨季にJ2クラブライセンスを取得した2チームが、継続的な強化を推し進め、悲願のJ2昇格を成し遂げた。躍進を遂げた鳥取や、1年でのJ2復帰を目指す群馬も絡む熾烈な上位争い。そして、長年Jリーグを盛り上げたベテランの引退。今季のJ3を総括する。

■圧倒的な攻撃力でJ3最速優勝を果たした琉球

J3最速優勝を果たした琉球は、3年目の金鍾成監督のもと、持ち前の攻撃サッカーを貫いた。もっともシーズン序盤は苦戦を強いられた。4戦負けなしと好スタートを切ったものの、その後に4戦勝利なしと、不安定な戦いを続けていた。それでも試合を重ねるなかでパスサッカーの精度を高め、藤枝から加入した枝本雄一郎ら新戦力もフィット。39歳のベテランFW播戸竜二の存在も心強く、勝てるチームへと進化を遂げた。第9節からは13試合負けなし(10勝3敗)を記録し、一気に優勝レースの先導者となると、シーズン終盤にも5連勝を達成するなど最後まで勢いは衰えなかった。

そして第32節の群馬戦で歓喜の瞬間が訪れる。昇格争いのライバルを圧倒し、4-2と快勝。攻撃スタイルを打ち出した今季を象徴するような戦いで、悲願のJ3優勝&J2昇格を成し遂げた。

32試合で70得点と、1試合あたりで2点以上を奪う圧巻な攻撃力こそ、悲願成就の最大の要因となったことは間違いない。また、富樫佑太と中川風希の1995年生まれコンビの成長も見逃せない。ともに16ゴールを挙げる大ブレイクを果たし、チームを躍進に導いた。

そして特筆すべきはホームゲームの勝率だ。16戦で12勝4分とひとつも負けることなく、地元で無類の強さを誇った。終わってみれば2位に勝点9差をつける独走態勢を築き、まさに“昇竜”のごとくJ2の舞台へと昇り詰めている。

■エースの移籍も組織力でJ2行きを手にした鹿児島

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そして、琉球と共に初のJ2昇格を決めたのは鹿児島だ。しかし、鹿児島にとってJ2への道のりは、決して平坦なものではなかった。昨季も昇格にあと一歩に迫りながら4位に終わったチームは、2年連続得点王の藤本憲明が大分に移籍し、攻撃面に不安を抱えるなかでシーズンを迎えていた。

それでも2年目の三浦泰年監督のもと、ボールを大事にするスタイルを継続。爆発力には欠けるものの、組織的な戦いで、着実に勝点を積み重ねていった。

一方で、藤本の穴を埋めきれず、得点力不足に苦しむ時期もあった。第15節からは5試合勝利に見放され、その間わずか2得点とゴール欠乏症に陥った。また24節からの4試合では12失点と攻守のバランスを崩して、結果を出せなくなった。

琉球の独走を許す一方で、1年でのJ1復帰を目指す群馬、J2クラブライセンスを持たないものの、上位に踏みとどまる沼津と2位の座をめぐる争いは最後まで熾烈を極めたが、プレッシャーのかかる終盤にものを言ったのは、ブレることのない組織力だった。ボールを大事にする一方、ハードワークや献身性も保ち、まさにチーム一丸となった戦いでJ2の扉をこじ開けたのだ。

確かに藤本の穴は最後まで埋められなかったかもしれない。今季のチーム最多得点は、ボランチの吉井孝輔と途中出場がほとんどだったキリノが挙げた5得点である。しかし、昨年24ゴールを記録した藤本不在のなかで、チームの得点数は昨季よりも3点少ないだけである。個の力に依存せず、どこからでも得点を奪うことができる。組織としての強みを備えていたからこそ、鹿児島の悲願は成し遂げられたのだ。

1年でのJ2復帰を狙った群馬は、序盤の躓きが痛かった。守備組織を整え、終盤は追い上げたものの、あと一歩及ばなかった。昇格の権利を持たない沼津は、モチベーションの低下を感じさせず、最後まで2位争いを盛り上げた。リーグ最少失点を記録した堅守こそが、昨季に続く躍進の要因となった。

昨季、最下位に終わった鳥取は、見事なV字回復を実現し、3位でシーズンを終えている。際立ったのは外国籍選手の活躍だ。なかでも24ゴールを挙げて得点王に輝いたレオナルドは、21歳の若さにも関わらず、落ち着いたフィニッシュワークを示してゴールを量産。そのポテンシャルを考えれば、さらなる成長が見込まれるタレントだろう。

G大阪U-23とC大阪U-23も健闘を見せた。G大23は6位、C大23は7位と、いずれも過去最高の成績を残している。両チームともに攻撃力が光り、一美和成、妹尾直哉(G大23)、米澤令衣、山根永遠(C大23)といったタレントは、来季のトップチームに食い込むためのアピールに成功できたと言えるだろう。

■Jリーグを代表する守護神が引退…

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そして、J3の魅力の一つに、かつて日本代表でも活躍したベテランの存在が挙げられる。そのなかのひとりである相模原の川口能活が今季限りで現役引退を表明した。

2016年から在籍する元日本代表の守護神は、今季はシーズン序盤こそスタメンに名を連ねたものの、その後に出番は訪れなかった。久しぶりに出場した9月の鳥取戦では7失点の屈辱も味わった。しかし、引退試合となった今季最終戦でスタメンに名を連ねると、完封勝利に貢献。現役ラストマッチをクリーンシートで締めくくった。

川口のほか、浦和で多くのタイトルを獲得し、山形在籍時代にはプレーオフ準決勝で決勝ヘッドを決めて昇格の立役者となった北九州の山岸範宏も引退を決めている。琉球と鹿児島の歓喜が印象深い一方で、寂寥感の伴うシーズンの締めくくりとなった。

文=原山裕平

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