【独占】元伊代表監督が示す日本代表の指針「キミたちの武器を伸ばせ」/インタビューVol.2

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『Goal』は、日本代表の新監督候補に浮上していると報じられたロベルト・ドナドーニ氏に独占インタビューを実施した。第2弾は、日本代表の進むべき道を語る。

日本代表の新監督候補に浮上していると報じられたロベルト・ドナドーニ氏。『Goal』は元イタリア代表指揮官にインタビューする機会に恵まれた。

キャリアから憶測すると、日本との関係性はあまりないように思えた。しかし、率直に疑問をぶつけてみると「以前から興味を持っていて、Jリーグの試合も研究対象として追いかけていた」という。ワールドカップの日本代表戦も「4試合すべてチェックした」とのことだ。

ではドナドーニ氏は日本のロシアにおける戦いぶりを見てどんな印象を持ったのか? 元イタリア代表指揮官が示す日本サッカーの進むべき未来とは?

インタビュー・文=松岡宗一郎(Goal編集部)

■違いを生み出した香川が持っていた強み

――今回のW杯で感じた日本の強みや選手の特徴はどういったところでしたか?

日本の良さはチームとして戦える団結力があることだ。選手一人一人を見ていくと、テクニックや俊敏性、適応能力が高い。非常にクオリティの高い選手がたくさんいるんだ。だから多くの選手がヨーロッパでプレーできているように思う。

ボローニャの監督に就任する際、売り込みがあったことがある。私自身、日本の若い選手に興味を持っていた。ヨーロッパの中で言えば伊藤達哉(ハンブルガーSV)や南野拓実(ザルツブルク)といった選手だ。今回のW杯では招集外だったが、久保裕也(ヘント)にも興味があった。若い選手を育ててみたいという気持ちがあったんだ。

――日本代表の中で際立っていた選手は誰でしたか? ドナドーニさんのチームに招き入れるとしたら?

香川真司が違いを生んでいた。彼はヨーロッパでプレーしていて、自分がボールを持ったときに何をすればいいかが分かっていた。敵が一番嫌がる場面に顔を出していたし、それによって相手の守備陣を混乱させていたよ。だから一番違いを生み出していたのは香川だ。

彼は偉大なクラブ(ドルトムントやマンチェスター・ユナイテッド)でプレーした経験を持っている。それが彼に落ち着きをもたらしたのだろうし、大舞台で高いパフォーマンスを発揮する要因になったように感じる。貴重な経験からしか得られないものはある。彼の大きな強みだね。

■日本サッカーは「積み上がっている」

――なるほど。では今後の話を聞かせてください。今大会の招集メンバーはほとんどが中堅からベテランでした。次のW杯が開催される2022年には大半の選手が30代になっています。日本サッカー協会(JFA)や次の監督にとって「世代交代」が一つのテーマになりますが、そういった状況の中で求められることは何でしょうか?

まずチーム作りをする上で求められるのは若手を育てることだ。ただし、全員若手にすると経験を引き継ぐことができない。国際経験豊かな選手を何人か残して模範になってもらい、ポテンシャルを秘めた若手を徐々になじませていく必要がある。その選手たちが国際経験を積むことでチームが成熟していく。そういうチーム作りをしなければいけないんだ。

――今回、大会直前にヴァイッド・ハリルホジッチ監督が解任になりました。監督交代があったことで少なくないサッカーファンが「この4年間の積み上げが無駄になってしまったのではないか」と危惧しています。この点を踏まえ、日本が今回のW杯から学べたことは何だと感じますか? 我々が積み上げていくべきものとは?

これは世界のサッカー強豪国の考え方かもしれないが、監督というのはどんどん代わっていくものなんだ。しかし、それぞれの監督が様々なことを蓄積してくれる。それはたとえ監督が去ったとしても積み上がっていくものなんだ。

難しい決断だったと思う。だが、勇気ある行動だったとも思う。スペインですら、ああいうことがあるんだからね(編集部注:W杯開幕前日にジュレン・ロペテギ前監督が電撃解任)。こういうエピソードを積み重ねることによって経験は蓄積されていくものだ。あとは協会と監督がプロジェクトに関してしっかりコミュニケーションを取り、歩み寄りながら進めていくことが大事だよ。

監督交代というのは、その事実だけ見ればネガティブなことかもしれない。だが、結果としてチームは団結できた。ベルギーにあそこまで善戦したと考えれば、今回のW杯で積み上がったものがゼロなわけないじゃないか。私はポジティブな面もあったと思うよ。ハリルさんが教えたことをすべて踏まえて西野監督が決断した。あそこまで進めたというのは、積み上がっている証拠だよ。

――興味深いですね。先ほど「強豪国の考え」というワードが出ましたが、日本は強豪国に比べるとサッカーのスタイルが確立していません。いわゆる「日本人のサッカー」という言葉には「ショートパスをつないで攻めるポゼッションサッカー」という意味が含まれています。しかし、今回のW杯で効果的だったのは全体をコンパクトに保ってショートカウンターから一撃を狙う、というスタイルでした。ドナドーニさんは日本人が目指すべきサッカーはどういった形だと思われますか?

繰り返しになるが、日本人はテクニックのクオリティが非常に高い。やはり日本人のクオリティやテクニック、そしてスピード豊かな点を伸ばし、しっかりポゼッションをしながらゴールを目指せるようにプレーしていくことが重要だ。日本人の特徴を生かすことがピッチ上での優位性につながってくる。言い換えれば「武器を持つ」ことにつながるんだ。

なぜかと言えば、ボールを持ち続けられれば相手を不安にさせられる。何を仕掛けてくるか分からないというような心理状態に陥らせることができるんだ。ボールを保持してテクニックと俊敏性を生かしたサッカーを押し出したチームにすべきだと確信しているよ。

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【独占】元伊代表監督ドナドーニが振り返る日本代表とW杯/インタビューVol.1

■掲載予定
・ロベルト・ドナドーニの哲学「選手を知り、選手を生かす」

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