約半年ぶりのスターティングイレブン。
ワールドカップ前、最後の欧州遠征。
新天地のパチューカで戻ってきた輝き。
23日のマリ戦(1−1)の結果を踏まえても、本田圭佑が本田圭佑たるゆえんを示すためのシチュエーションとしては悪くなかった。このタイミングで活躍すれば「やっぱり本田は必要だ」という世論が生じることは容易に想像できる。実際、ここぞというときに活躍してきたのが本田圭佑という男だ。
もっとも、現実には華やかなカムバックとはならなかった。
27日に行われたキリンチャレンジカップ2018 in EUROPEのウクライナ代表戦は1−2に終わり、日本代表は勝利を手にできないまま、欧州遠征を終えることになった。本田自身も不発。内容を振り返っても、大きなインパクトを残すには至らなかった。
「悔しいけど、内容、結果ともに上回られましたよね」
そう、完敗を認めたような表現で試合を振り返る。実際、負けていたのはスコアだけではなかった。継続的に相手にチャンスを作られ、マリ戦でも課題となった個々の対応の面でも遅れを取るシーンが目立った。
残された限りある時間の中で、これら課題とどう向き合っていけばいいのか。
「支配することが大事」
本田はそう口にし、頭の中に浮かんだ文字を言葉に変換していく。
「一つ一つのプレーの選び方が、より個をさらけ出すようなスタイルになっている。それを消すために、うまくチームでカバーするには『試合を支配する』ってことが、僕は大事だと思ってます」
試合を支配することで、「結果として守備も良くなる」と彼は語る。もっとも、この考えは必ずしもチームの方針とは一致していない。
「それがチームのやりたいことかというと、明らかに違う。少なくとも融合みたいなものがもう少し見つけられないのかなと」
個人のパフォーマンスにしても、消化不良で終わった部分があった。
「もちろん、満足できない。負けた以上はね。ただ正直、もうちょっとやりたかったな、というのはあります。ウクライナが後半落ちるやり方できて(中略)、最初の布石が後半生きてくる場面で交代したっていうのは悔しいですよね。それは監督に『もっと見てみたい』と思わせられなかった自分に非があるっていうのもありますし、(一方で)テストマッチだから最初から交代を考えていた可能性もあるし」
本田が考える理想とチームが求めるスタイル、さらには個々のパフォーマンス……。これらがまだ融合していない段階であることは、試合内容からも本田の発言からも見て取れることだ。
これからの時期、定型文のように使われる表現だが、ワールドカップまでに残された時間は少ない。5月30日のガーナ戦、本大会直前のテストマッチを経て、日本代表はどのように融合していくのか。あるいは融合しないままに、初戦を迎えることになるのか。
少なくとも、まずは「追求に終わりはない」(本田)という個の力を高めるための戦いが待っている。ある選手は欧州で、ある選手はJリーグで、そして本田はメキシコで。来るべき日に備え、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が言う「しっかりとした準備」をしていくことが求められている。
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