ここまで8勝10分11敗で15位の磐田と、同9勝9分11敗で13位の湘南の対戦。磐田はスコアレスに終わっていた21日の第30節・V・ファーレン長崎戦から先発を2名変更。ディフェンスラインに小川大貴が入り、最前線では大久保嘉人が川又堅碁と2トップを組んだ。リーグ戦で6試合白星がない磐田は、16位・サガン鳥栖とは勝ち点差が1しか離れていないため、是が非でも勝利を手にしたいところ。
対する湘南は、27日にJリーグYBCルヴァンカップ決勝で横浜F・マリノス戦に1-0で勝利を収め、クラブ悲願の優勝を果たした。この磐田戦は中2日でのリーグ戦となった。次節・清水エスパルス戦が11月2日に予定されており、こちらも中2日の日程。曹貴裁監督の選手采配に注目が集まったが、この磐田戦はルヴァンカップ決勝と先発の変更なしで臨んだ。
立ち上がりは磐田ペース。積極的にボールを動かし、松浦拓弥や上原力也が相手陣内に攻め込む。10分、磐田最初のCK、これは湘南DFにクリアされた。10分過ぎから徐々に湘南もセカンドボールを奪い、攻撃に転じ始める。17分、湘南のチャンス。岡本拓也がドリブルでペナルティーエリアに進入し、CKを獲得。秋野央樹の蹴ったボールにファーサイドで大野が頭で合わせたが、ゴール左に外れた。
次の決定機は磐田。20分、松浦が右サイドの敵陣深い位置から中にクロスを入れると、受けた川又が落として山田大記へ。山田は左足でシュートを放つが、わずかにゴールポストの外。
試合が動いたのは34分。ペナルティーエリア付近中央での山田、川又のパス交換から、山田が前線に飛び出した松浦に浮き球のパス。松浦が頭で落とすと、反応した川又が左足を振り抜き、アウトサイドでゴールに流し込んで磐田が先制した。
前半は磐田が1点リードして折り返す。
1点を追う湘南は後半開始から秋野に代えて188cmの長身FWイ・ジョンヒョプを投入、最前線に入る。
54分、湘南の右サイドの攻撃に対応しようとした左サイドバックのエレンにアクシデント。自らピッチに座り込み担架に乗ってそのまま退場、代わって櫻内渚が右SBに入り、小川が左SBに移る。湘南は2枚目の交代。57分、梅崎に代わって菊地俊介投入。
ともに守備意識が高いため中盤のプレッシャーが激しく、目まぐるしく攻守が入れ替わる展開が続く。両者なかなかシュートまで持ち込めない。こう着した状態を打破すべく、曹貴裁監督は3枚目のカードを切る。79分、金子大毅に代えて小川慶治朗を投入、なんとか1点を追いつきにかかる。
続いて名波浩監督が動く。80分、大久保嘉人に代えて松本昌也。交代時に大久保が遅延行為を取られ警告。大久保は累積4枚で次節・サンフレッチェ広島戦は出場停止に。即座に名波監督が動く。85分、松浦に代えてDFの大南拓磨を投入し、5バック気味の3バックに布陣変更、1点を守り抜く姿勢を見せる。
両者疲れが見える89分、松本がうまく抜け出しシュートを放つも、これは湘南GK秋元陽太がナイスセーブ。最後の力を振り絞って攻撃に転じる湘南と守る磐田。アディショナルタイムは5分。
92分、湘南FKのチャンスにGK秋元もゴール前に上がるが、得点を奪えず。続く湘南CKも磐田ディフェンスがクリア。ベンチの選手も飛び出すヒートアップした状況の中、両者捨て身の攻防が続く。何度も攻め込む湘南、防ぐ磐田、ギリギリの戦いの中、タイムアップ。磐田が34分に奪った貴重な1点を守り切った。
勝利を収めた磐田は、リーグ戦7試合ぶりの白星で残留への貴重な勝ち点3を積み上げ、13位に浮上。一方の湘南は、14位となり順位が入れ替わった。
■試合結果
ジュビロ磐田 1-0 湘南ベルマーレ
■得点者
磐田：川又（34分）
湘南：なし
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