大差がついた“似た者同士”の第1戦。リヴァプールが王手も、不気味な「3点差」

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(C)Getty Images

リヴァプールとローマ――。この両者は、本当に似通った部分が多い。

お互いに100年以上の歴史を持つこの2チームは、激しいプレッシングを特徴とする指揮官の下、「アウトサイダー」との評判ながら欧州の舞台を駆け上がってきた。リヴァプールは、マンチェスター・シティを2試合合計スコア5-1で粉砕。ローマは、バルセロナ相手にホームで奇跡の逆転劇を演じて準々決勝を突破した。

ボール保持に戦い方の基準を置く相手を、その激しいプレッシャーとインテンシティで窒息させた両者。勝ち上がりは偶然ではないだろう。

チームスタイル以外にも、共通点はある。

2000年代前半はタイトルにも恵まれていたが、その後低迷。2000年代後半から約10年近く不振に苦しみ、リーグ戦ではトップ4にも入れず、チャンピオンズリーグ(CL)からも遠ざかる時期が続いた。しかし近年、新進気鋭の指導者のもと復活し、欧州の舞台にも戻ってきている。リーグでの立ち位置もそっくりなのだ。ちなみに、今季リーグ戦でここまで稼いだ勝ち点は、リヴァプールが72、ローマが70である。

また、クラブカラーが赤系統というだけでなく、サポーターの雰囲気も類似している。

両クラブとも熱狂的なファンを多く持ち、それぞれの本拠地であるアンフィールド、スタディオ・オリンピコはいつも怒号のような歓声が響き渡る。しかし、熱くなりすぎるのがたまにキズであり、問題行動によってクラブが処分を食らうことも多々ある。

いわば“似た者同士”なのだ。

■圧巻の5得点。2つのアウェイゴール。

Mohamed Salah Jordan Henderson Trent Alexander-Arnold Liverpool Roma Champions League

そんな両者の対戦。第1ラウンドは、意外にも大差がつくこととなった。

CL準決勝ファーストレグ。ローマは準々決勝でバルセロナを倒した自信を手に、意気揚々と敵地に乗り込んできたはずだった。しかし、恩返しとばかりに昨年まで所属していたFWモハメド・サラーが前半だけで2ゴール。ローマの選手達は、リヴァプールサポーターの大声援に飲み込まれてリズムを失い手も足も出ず。68分にスコアは5-0となった。

ユルゲン・クロップ監督も「80分までは完璧な内容」と口にするように、今季数々の相手を飲み込んできたアンフィールドは、またもアウェイチームをねじ伏せてしまった。ここまで大会最多の38ゴールを挙げるレッズは、もはや優勝候補と言っても過言ではないだろう。

それでも、アウェイゴールを2つ許したことは気がかりだ。大勝ムードだったが、なんとも“リヴァプールらしい”80分過ぎの2失点で少し不安を覚えたサポーターも多いだろう。クロップは「あの2失点は気にしない」と会見では語っていたが、それは建前。明らかに流し始めた選手たちに、腸が煮えくり返る思いだったはずだ。

欧州制覇も経験したクラブのレジェンドであるスティーブン・ジェラード氏は、「プロとしての意識を持ち、最後まで集中を切らすべきではなかったね」と苦言を呈している。

それでも、決勝進出に王手をかけているのは間違いない。1ゴールでも奪ってしまえば、ローマには4点が必要となる。圧倒的に有利な状況で、セカンドレグに臨むことが出来るだろう。

一方、ローマにとっては悪夢のファーストレグになってしまった。

大逆転勝利を果たしたバルセロナとのセカンドレグでは、MFダニエレ・デ・ロッシがDFラインの前でうまく時間を作り、ロングパスでFWエディン・ジェコの先制弾をアシストした。しかし、リヴァプールはそれを許してくれず。自陣から苦し紛れにロングボールを蹴るだけで、ビルドアップは完全に破壊されてしまった。

守備時に関しても、鬼才ズネデク・ゼーマンの影響を色濃く受けたエウゼビオ・ディ・フランチェスコ監督は、積極的なハイライン・ハイプレスで臨んだが、リヴァプール自慢の快速3トップ、そして出来る限り速くフィニッシュに持ち込むことを心情とするクロップは、相手が悪かった。後方に大きく広がったスペースを何度も突かれ、失点を重ねてしまった。

クロップのチームはボール保持にこだわらない。ローマは、自分たちがやりたかったことをリヴァプールにやられてしまったのだ。そう、類似点の多いマージーサイドの雄とは、まさに“最悪の相性”だったのだ。

唯一の希望は、やはりアウェイゴールを2つ奪えたことだろう。これで、一応はオリンピコでバルセロナ戦と同じく3-0と勝利すれば、逆転で決勝に進むことが出来る。

もうリスクを犯してでも点を取りに行くしかないローマは、第1戦よりさらなる強度でプレスをかけに行くだろう。しかし、1失点でもすればゲームオーバーだ。すべての攻撃でフィニッシュに持ち込むしか無い。もし前向きでボールを奪われれば、またも悪夢を見ることになる。

また、フットボールの世界ではよく「ホームアドバンテージ」といったものだが、良くも悪くも熱すぎるローマのティフォージ(サポーター)は、ホームでも失点を続けてしまえば容赦ないブーイングを浴びせるかもしれない。ファン気持ちが高ぶっている内に得点が必要だ。

■カギを握る「3点差」

Daniele De Rossi Kevin Strootman Liverpool Roma

第2ラウンドでは、もしかしたら似たようなことが起こるかもしれない。もしかしたら、守備陣が3トップを完封するかもしれない。もしかしたら、ジェコがバルセロナ戦同様に空中戦で圧倒するかもしれない。もしかしたら、ローマが5点リードするかもしれない。

ローマは、もうすべてを出し切るしか無い。やることがシンプルになれば、思わぬことが起きてしまうのがフットボールだ。バルセロナを下したのも、「3点差」だったことが1つのカギだっただろう。

今回のセカンドレグも、奇しくも「3点差」だ。

リヴァプールが圧倒的有利な状況なのは変わらない。スペースがあればあるほど生き生きする攻撃陣が、無得点に終わるとは考えにくい。

しかし、重ねて言うが、何が起きるのかわからないのがフットボールだ。“似た者同士”の準決勝は、どのような結末を迎えるのだろうか。

文=河又シュート(Goal編集部)

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