4年に一度の祭典がついに開幕した。
『Goal』では、ロシア・ワールドカップ開幕に際して現役の選手や指揮官、レジェンドらに独占インタビューを実施。今回は、現役時代にパナマ代表として活躍したFWフリオ・デリー・バルデス氏だ。
バルデス氏は現役時代、カリアリやパリ・サンジェルマン、レアル・オビエド、マラガなどでプレー。1990年代から2000年代前半までパナマ代表として活躍した。そして現役引退後は、2010年から2013年までパナマ代表を指揮。そんな元代表指揮官に、今大会で史上初のW杯出場という偉業を成し遂げたパナマ代表について語ってもらった。
■現代表の特長、そして目標は?
(C)Getty Images――史上初のW杯出場を果たしたパナマについて率直な感想は?
努力だ。努力の賜物だと思う。この10年、さまざまな努力をしてきた。その結果が出たんだ。このチームの最大の武器は団結力だ。戦術や戦略の上を行くものだよ。
――今の代表で注目すべき選手はいますか?
今回のパナマ代表の選手たちは、ヨーロッパの強豪クラブでプレーしているわけではないし、どちらかというと小規模なリーグでプレーしている選手たちだ。今回のW杯で重要な役割を担い、注目されるべき選手は、ゴールキーパーのハイメ・ペネドだね。経験豊富で、非常に精力的だ。代表として多くの試合に出場してきた。それから、ロマン・トーレス。ディフェンダーの彼は、チームのキャプテンだ。W杯ではリーダーとしてパナマを引っ張っていってくれるだろう。経験豊富な選手が多いから、これからは若い選手たちとの融合が課題だ。
――パナマにおけるサッカーというスポーツの立ち位置について教えてください。
サッカーは年々、人気になってきている。現在のパナマで最も人気のあるスポーツの一つだ。野球も盛んだが、サッカーはその次に愛されており、中心となるスポーツだよ。最近は特にそうだ。
――パナマの目標は? 2014年のW杯でベスト8に進出したコスタリカは手本となりますか?
手本になるかならないかではなく、お手本にしないとね! コスタリカは隣の国だから、常に手本にする必要がある。前回大会でのプレーぶりは素晴らしかったし、驚いた。パナマもW杯で良い試合をすることは可能なのだと、気づく必要がある。もちろん、難しいことだとは分かっている。世界の強豪と試合をしなければならないんだからね。強い国はいっぱいあるが、同時に前大会のコスタリカを見れば、コパ・アメリカを制したウルグアイのほかにイタリア、イングランドと同じ組だったがグループ首位になった。パナマだって、あのチームと同じような足跡が残せると思う。
■W杯のGSを展望

――24日に対戦するイングランドについてはどのように見ていますか?
イングランドは、間違いなく強敵だと思う。だけど、戦い方として一番難しいのは最後のチュニジア戦だろう。この試合はすべてを出し切らないといけない! どこの代表も違った個性があって、強い。W杯では、我々よりも経験のあるチームばかりだ。だけど、試合ごとに違ったストーリーがある。結局のところ、相手の特徴にきちんと対応して、正しいやり方で戦い、一気に試合を決めなければならない。
――イングランドのキャプテン、ハリー・ケインについて、元ストライカーとして見解を教えてください。
ここ数年、彼はヨーロッパで最も印象的な結果を出しているストライカーの一人だ。数多くの得点を挙げていることは誰もが知っている。ケインは、あのポジションにおいて世界の手本となる選手だ。試合中、とても重要な役割を担っていて、得点を量産している。彼はイングランド代表のキーとなる選手で、パナマは彼に対して用心しなければならないだろう。彼はとても能力が高く、パワフルだ。技術的にも身体的にも完璧な選手だよ。
■パリSG時代の思い出

――あなたは現役時代にパリSGに所属していましたね。当時の思い出は?
素晴らしく、とても美しい思い出が残っている。フランスには2年いて、2度もUEFAカップ・ウィナーズカップ(UEFAカップの前身)の決勝に勝ち進み、1度優勝した。素晴らしい人々と出会って、クラブから特別に配慮してもらったことを覚えている。パリSGはサッカーにおいても、選手やスタッフに関しても、興味深いクラブだった。とても居心地の良いチームだったよ。
――1995年から2シーズンを過ごしたパリSG時代があなたの全盛期でしたか?
現役時代、私は多くのことをもたらしてくれるクラブをいくつも経験するチャンスを得た。どのクラブでも、私は非常に濃密な経験をした。もちろん、少し難しい時もあったけど、すべてのチームでそうだった。最初に国外でプレーしたのはウルグアイだった。私はあそこで、サッカー選手としても人間としてもレベルアップした。イタリア、フランス、スペインでも、良い時間を過ごした。たとえばマラガは中規模なチームで、そのやり方は私に非常によく合っていた。どこが一番良かったかを言うのは難しい。いつも素晴らしい経験ができたからね。カップ・ウィナーズカップ決勝でプレーして優勝できたし、素晴らしかった。
――近年に規模を拡大させたパリSGの発展についてはどのように考えていますか?
パリSGは、すべての野望をかなえる手段をもっている。あのクラブは非常に発展し始めているね。体制が確立しているんだ。ヨーロッパで成長していくのに必要なことをしていると、誰もが思っている。リーグのホーム戦では、何の問題もなく試合を支配しているね。ヨーロッパでますます競争力を持つようになってきた。優勝するにはあのレベルの選手たちが必要なんだ。
――そのパリSGに所属するウルグアイ代表FWエディンソン・カバーニについては、どのように見ていますか?
もちろん、彼は大好きなストライカーだよ。ピッチの上でチームのためにあらゆることができる選手だ。本物のストライカーだよ。ヨーロッパのどこのチームも、彼のようなストライカーが欲しいだろうね。本当に素晴らしい選手だよ。
――パリSGがチャンピオンズリーグを優勝するために必要なことは何でしょうか?
パリSGは現在やっていることを続けることが必要だね。どこの国、監督、チームも、ヨーロッパで成功するには、何年も努力しつづけている。パリSGは鍵を探し続けているけれど、まもなく見つけるだろう。成功とは積み重ねるものだ。プログラミングできるものではない。
インタビュー・文=ジャン・チャールズ・ダンリー/Jean-Charles Danrée

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