連戦が続く明治安田生命J1リーグ戦。味の素スタジアムでは2位・FC東京が、9戦無敗で首位を独走するサンフレッチェ広島を迎える。広島は開幕以来8勝1分で黒星がなく、第9節終了時点で勝ち点25。FC東京は2位につけているとはいえ、5勝1分3敗、勝ち点は16でその差は「9」開いている。
■FC東京、つかみつつある自分たちの形
FC東京は今季、開幕3試合勝ち星がなく第3節では磐田に0-2で敗れ、17位にまで沈んでいる。しかし、第4節・湘南戦を1-0でモノにすると、以後4連勝。前々節・C大阪戦は後半自らのミスで落としたが、決して内容は悪くなかった。そして、前節・清水戦は前半、相手の攻勢を耐えしのぎ、後半に清水の足が止まりかけたところで一気に畳み掛けて得点を奪って勝利を収めた。
この決勝点は、東慶悟のボール奪取を起点に、大森晃太郎が鋭い縦パスをゴール前に送り、抜け出した永井謙佑が合わせた形。今のFC東京の特長の一つである、両サイドハーフの豊富な運動量と前線のスペースに飛び出す速さという、ある意味、意図した通りの決勝点だった。
攻撃はエースのディエゴ・オリヴェイラがボールを収め、空いたスペースに選手が進入していく。両サイドハーフとボランチの髙萩洋次郎に加え、室屋成、小川諒也の両サイドバックも攻撃に参加する。守備では、清水戦で負傷交代したCBチャン・ヒョンスは欠場するが、森重正人、丸山祐市の二人も十分計算できることは頼もしい。FC東京はホーム・味スタで直近のリーグ戦3戦負けなし。ホームの力を味方に難敵を倒したい。■失点数2。圧倒的な堅守を誇る広島
9戦無敗の首位・広島は2位・FC東京に勝ち点差9をつけて首位を独走中だ。
その理由はやはり堅守にあるだろう。今季、ここまで無失点試合は7で失点数は2。過去10シーズンをさかのぼっても開幕から9試合を経た最少失点は15年の浦和が4、11年の柏がこちらも4で、広島の2は際立っている。
広島の堅守を支えるのが、組織としての守備力だ。GK林卓人、CB水本裕貴と野上結貴の守備陣だけではなく、ピッチに立つ選手全員に、スペースと人をケアする意識、カバーリングの意識が徹底されている。組織としてブロックを形成し、守備を固めて前半は無失点に抑え、後半一気に仕留める。今季、リーグ戦12得点中10得点を後半に決めていることからも、その試合運びがうかがえる。
そして、試合を決定づけるストライカーの存在。敵将・長谷川健太監督もよくその特長を知るパトリックが絶好調だ。今季ここまでチーム12得点のうち6得点を決め、ここ3試合では5得点を挙げている。
両者の戦いぶりを見るに、試合序盤はにらみあいの展開か。スコアは動かなくとも、双方の組織のぶつかり合い、ここぞの球際のバトルは見応えあること間違いなし。采配も大きな注目点だ。こう着した場合、長谷川健太監督、城福浩監督はどこで勝負のスイッチを入れるのか。
この一戦で順位が変わることはない。だが、広島は自らの立ち位置をさらに優位にするために、FC東京は相手との差を少しでも詰めるために、落とせない一戦であることは間違いない。
キックオフは19時、味の素スタジアム。言うまでもなくこの場は、紫の指揮官がかつて歓喜し、そして苦しみ抜いた場所でもある。FC東京、広島ともに昨季は予想外に低迷し、監督の途中交代も経験。悔しさしか残らないシーズンとなった。しかし、今季は新たな指揮官のもと、生まれ変わったようにチームの力を積み上げている。その手ごたえと自信を盤石なものとし、さらに上を目指すために。必要なのは勝利という結果だ。
■J1第10節 試合日程
4/25（水）19:00一斉キックオフ
北海道コンサドーレ札幌 vs 横浜F・マリノス （札幌厚別）
鹿島アントラーズ vs ヴィッセル神戸 （カシマ）
柏レイソル vs 浦和レッズ （三協F柏）
FC東京 vs サンフレッチェ広島 （味スタ）
湘南ベルマーレ vs ガンバ大阪 （BMWス）
ジュビロ磐田 vs V・ファーレン長崎 （ヤマハ）
名古屋グランパス vs 清水エスパルス （パロ瑞穂）
セレッソ大阪 vs ベガルタ仙台 （金鳥スタ）
サガン鳥栖 vs 川崎フロンターレ （ベアスタ）
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