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俺たちが大阪さ。瀕死状態から生還した宮本ガンバ、残留へ重要なダービー戦

■4連勝で瀕死状態から生還。必勝態勢で臨むダービー

ガンバ大阪は、6日の明治安田生命J1リーグ第29節でセレッソ大阪とのダービーに臨む。一時は絶不調に陥りながらも、直近は4連勝。宮本ガンバが最高の状態で敵地・ヤンマースタジアム長居に乗り込む。

G大阪は、自動降格圏で喘いでいた8月末、サガン鳥栖との直接対決で敗れ、降格という名の死神が、着実に背後から迫りつつあった。今季に就任したレヴィー・クルピ監督の電撃交代というカンフル剤も奏功せず、しばらくは降格圏を脱せず、低空飛行を続けていた。

新旧の日本代表を数多く擁しながらも、歯車が最後まで噛み合うことなくクラブ史上初のJ2降格を余儀なくされた6年前と異なり、今季のG大阪は戦力面で明らかに厳しいやり繰りを強いられてきた。

守備の出来るボランチ不在という懸案事項は、クルピ政権当時からの課題だったが、頼みの綱・今野泰幸が戦線復帰した9月1日の川崎フロンターレ戦を2-0でモノにすると、その後の3試合でも連勝。8月のリーグ戦6試合で喫した計11失点のすべては後半に奪われたが、今野がピッチに立つと、守備の安定感が見違えた。「僕にとってのシーズンは始まったばかり。もっともっとガンバに貢献できる」と高揚感に満ちた口調で言い切った今野の言葉に嘘はなかった。

見切り発車だった川崎F戦を無難に乗り切ると、チームは実に3年半ぶりの4連勝。「失点が多いのでいかに減らして行くか」という宮本恒靖監督就任当初からの課題に、今野が道筋をつけると、神戸戦からはアジア競技大会を終えて合流したファン・ウィジョが3試合連続で決勝ゴールをゲット。重要な場面で決め切る勝負強さを見せた。

一方で、4連勝中のゲームはいずれも薄氷を踏むような試合展開の連続だった。戦力不足も相まって、理想の顔ぶれどころか、フォーメーションの「最適解」さえ見いだせなかったが、神戸戦では前半に1点ビハインドを負うと、後半から3-4-2-1を諦め、4-4-2を採用。8月に加わった渡邉千真と小野瀬康介もフィット感を見せるこのフォーメーションこそが、今のG大阪にとってベストな11人と言える。

■ファン・ウィジョの代役は…?

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「皆がいい形で自信を取り戻しつつある中でダービーをやれるのはいいこと」(宮本監督)。指揮官自身も、チーム状態への手応えを口にするが、5連勝が懸かる大阪ダービーは、セレッソキラーであるファン・ウィジョを欠くのがチームの悩みの種である。

昨年7月の大阪ダービーでガンバデビューを飾った韓国代表ストライカーは、鮮烈な同点弾をマーク。逆転勝利への呼び水となったばかりか、今年4月のダービーでも決勝点を記録している。しかし、今節は累積警告のため出場停止に。絶対的エースを欠いて臨むダービーとなるが、宮本監督はその代役にアデミウソンを指名した。

「ウィジョの決定力や存在感は大きいが、アデミウソンもこのダービーに向けていい準備をしている。起用に問題はない」(宮本監督)

本来はファン・ウィジョとともにチームを牽引すべき存在ではあるが、古傷でもあるグロインペイン症候群に悩まされてきた。今季わずかに2得点と納得のいく結果が残せていないことを考えれば、ブラジル人ならば誰もが燃える「デルビー(ポルトガル語でダービー)」で、必ずや存在感を見せてくれるはずだ。

そして、アデミウソンを輝かせるうえでキーマンとなるのは相棒の渡邉千真だ。今野とファン・ウィジョの復帰は目に見えて分かりやすいカンフル剤だが、今夏にヴィッセル神戸から加入した渡邉は「黒子」として前線でタメを作ったり、起点になるプレーでチームを支えている。

アデミウソンは、裏抜けを持ち味とするファン・ウィジョとの相性はいまいちだが、タメを作るタイプのFWと組めばより機能性を発揮するだけに、渡邉とのコンビネーションに期待がかかる。

熱心に獲得を熱望したという宮本監督は「千真がポストで収めてくれることで確実性の高い攻撃につながるし、サイドの選手が上がる時間もできる」と太鼓判。華やかさはないが、渡邉も今のG大阪に欠かせない存在だ。

ピッチ内の至るところで火花が散るであろうダービー。選手時代にも大阪の盟主を争う戦いを経験してきた宮本監督にとっては、G大阪U-23を率いてのダービーは過去2シーズンで3回経験しており、2分1敗に終わっているが、トップチームの指揮官としては初のダービーを迎える。

「皆の力で勝ち切るということを常々選手たちに言っている」と公言する若き指揮官がいかにエース不在の一戦を乗り越えるのか。「負けられない戦い」と表現されることが多いダービーだが、残留争いから確実に抜け出すためにも必要なのは勝利のみ。

G大阪を蘇らせた鉄人・今野の言葉を紹介しておこう。

「残留争いで安心するためにも、もっと勝ち点3を取り続けるしかない。セレッソ戦に向けていい準備を継続して、最高の雰囲気で倒したい」

俺たちが大阪さ――。ゴール裏でのチャントが誇らしげに鳴り響いたとき、G大阪はまた一歩、J1残留に近づくはずだ。

取材・文=下薗昌記

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