中村は2002年夏に横浜F・マリノスからレッジーナへ加入。2005-06シーズンから4季にわたって在籍したセルティックでCLを経験し、本戦では計17試合に出場して2得点を記録した。
インタビュー後編では、欧州でプレーした経験をもとに日本サッカーの現在と将来、日本人選手の可能性について語った様子をお届けする。中村が抱く日本サッカーへの“思い”とは――。
インタビュー=松岡宗一郎(Goal編集部)
■日本サッカーについて

――CLやセリエAでトップレベルのサッカーを経験したことで感じた日本人選手の良さや可能性はどんなところでしょうか?
一つは献身性。あと個の力は前提として、それをどう共有するかという部分。日本はピッチを3分割したとき、前線の部分がどうしても世界から劣る。一人でボールを持っても誰かが走ってくれないとうまくいかない。でも高い位置で誰かが走って(相手をひきつけて)くれればシュートまでいける。ロシア・ワールドカップにしても、その動きがあったから乾(貴士)くんや(香川)真司がいきた。
――なるほど。では世界で活躍する選手を輩出していくという視点から見て、日本のサッカーの環境はどう映りますか?
Jリーグができて25年。強くなっていると思いますよ。ワールドカップでベスト16にいけるんだから。課題があるとすれば若くていい選手が日本を離れてしまうことかな。今の日本代表は半分以上が海外でプレーしている選手ですよね。そうなるとJリーグというよりユース年代の育成がとても大事になってくる。ここのレベルを上げていかなきゃいけない。
今後はJリーグだけじゃなくて育成年代にも海外でやっていた指導者が増えていくといい。海外で監督をやって認められるのはすごく難しいけど、コーチとか下部で経験を積んだ人が増えるとか。
――若いうちに優秀な指導者と出会うことが大事、ということですね
今は若いうちからヨーロッパ遠征とかいくでしょ? それも大きいと思う。自分も小学校5、6年生のときに当時のソ連に遠征に行って。俺5年生なんだけど、ヨーロッパの5年生を見て「お前、5年生じゃないだろ!」ってデカさで(笑)。それが分かるだけでも全然違う。今は日本もそういう交流がたくさんあるから続けていけばいいんじゃないかなと思います。
■「全部意味のある人」を見てほしい

――では最後になりますが、サッカーが大好きなファンの方や日本サッカーの将来を担う若い選手に「こういうプレーをみてほしい」というものを挙げていただけますか?
ボールがないときに何をしているか、どこで首を振ってなんであのポジションにいるのか。全部意味のある人を見てほしい。
今だと(アンドレス)イニエスタになるのかな。例えば中盤の選手だと味方のディフェンダーがボールを持ったときにもらいに行きたがる。だけどあの人はあまり行かない。左サイドバックがボールを持ったときもそう。普通は近くに寄りたがるけど、あの人はそうじゃない。高い位置にポジションを取ったりしてる。かと思ったら今度は低い位置にいる。そこでなんでもないパス交換をする。相手からすると「意味ないじゃん」「またか」って思う。だから何度か繰り返してくると相手が寄ってこなくなる。「どうせまたあれでしょ」って。
で、そういうジャブを何回か打っていると相手がボーッとしてくる。そんなときに左サイドバックから左サイドハーフに縦パスが入って、そこから横にパスを出したらイニエスタがいて、相手のストッパーと一対一になっている。そういうところを見てほしい。90分トータルで相手の陣形をどう崩すか。意図のないプレーなんてないからね。
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