2018-10-16-Japan-formation-uruguay

世代交代を加速させるか?問われる中島・南野・堂安の新世代アタッカー陣の進化/ウルグアイ戦プレビュー

「ウルグアイはFIFAランク上位(5位)、ロシア・ワールドカップでもベスト8に入り、過去のワールドカップでも優勝した国。パナマやコスタリカに比べて厳しい試合になる。今の自分たちの力を測れる最高の相手だ」

指揮官が前日会見でこう強調した通り、ウルグアイは森保ジャパンにとって最高クラスの難敵である。

12日の韓国戦(ソウル)はエースFWエディンソン・カバーニ(PSG)と守備の要、ディエゴ・ゴディン(アトレティコ・マドリ―)が先発フル出場しながら1-2で黒星を喫した。

ウルグアイのオスカル・タバレス監督は日本戦の前日会見で「長旅を経て12時間の時差がある中で韓国と戦った。その後数日経っており韓国戦よりも良くなっている」としつつ、「私たちは結果だけを求めているのではない。(カタールW杯へ向けて)若い選手たちを試すことを目指している」とこの親善試合の目的を話した。いわば日本と共通のテーマを持って試合に臨むことになる。

となると、ロドリゴ・ベンタンクール(ユヴェントス)やフェデリコ・バルベルデ(レアル・マドリ―)、ルーカス・トレイラ(アーセナル)といったすでに欧州の第一線で活躍する若手に加え、攻守のリーダーを出場させるはず。“本気モード”のウルグアイに、ロシア組と新世代が本格的に融合する森保ジャパンがどこまで力を示せるのか。そこは非常に興味深い。

■パナマ戦から9人変更へ

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「パナマ戦から大幅にメンバーを入れ替える」と森保一監督が公言した通り、ウルグアイ戦は9人が代わる見通しだ。GKは現時点での正守護神である東口順昭(ガンバ大阪)がファーストチョイスで、最終ラインも酒井宏樹(マルセイユ)、吉田麻也(サウサンプトン)、長友佑都(ガラタサライ)のロシア16強戦士が揃ってピッチに立つことになる。

彼ら3人にとっては7月2日のベルギー戦(ロストフ)以来の代表戦。「ベルギーに負けた日からずっとアジアカップ(2019年1月/UAE)でどうやったら勝てるかを考えている」と新キャプテンとしての初陣に臨む吉田は語気を強めたが、ウルグアイ戦は3カ月前の教訓を生かす絶好の機会。球際や闘争心という勝負を分ける重要なポイントを彼らが身を持って示してほしい。

吉田のパートナーはパナマ戦で出場のなかった三浦弦太(G大阪)が濃厚だ。三浦と東口は同じクラブでプレーしていることもあって、連係と意思疎通がよりスムーズになるだろう。三浦にとってこの一戦は吉田の相棒に定着する大きなチャンス。パナマ戦では188cmの長身を誇る19歳の冨安健洋(シントトロイデン)がポテンシャルの高さを強烈にアピールした。ロシアで躍動した昌子源(鹿島アントラーズ)も14日のJリーグ・ルヴァンカップ準決勝、横浜F・マリノス戦で2カ月半ぶりに公式戦復帰を果たし、代表返り咲きを狙っている。三浦はカバーニらウルグアイの強力なFW陣を徹底的に封じなければならない。彼の一挙手一投足が3戦連続無失点のカギになると言っても過言ではない。

ボランチは前回先発から外れた柴崎岳(ヘタフェ)と遠藤航(シントトロイデン)のコンビが有力。ロシアで輝きを放った柴崎と出番に恵まれなかった遠藤は前体制では対照的な位置づけだった。柴崎は92年5月、遠藤は93年2月と同学年の「プラチナ世代」で、過去、年代別代表で一緒にプレーした経験もあり気心は知れている。お互いの特徴も異なるため、良い組み合わせになるという期待は大きい。

■新世代アタッカー陣に求められること

注目は彼ら2枚の前に陣取る右の堂安律(フローニンゲン)、左の中島翔哉(ポルティモネンセ)、セカンドトップの南野拓実(ザルツブルク)の新世代アタッカー陣だ。

彼らがA代表で世界トップレベルの国と対峙するのは全く初めて。堂安も「トップ・オブ・ザ・トップの選手とやるのは正直、初めてやと思う」と未知なる領域であることを明かした。ただ「いい経験だけでは終わらせてはいけないので、何か爪痕を残したい」と決意を込めたように、そのレベルでゴールに絡む仕事ができるところを見せなければいけない。

それは中島、南野にしても同じこと。仮に今回、ウルグアイの強力な守備陣にはね返されるようだと、ロシア組の原口元気(ハノーファー)や乾貴士(ベティス)、香川真司(ドルトムント)にポジションを奪い返されてしまいかねない。ようやく進み始めた世代交代の流れが停滞することもあり得るだけに、今こそ持てる力のすべてを出して、数多くのチャンスを演出し、試合を決定づける必要がある。。

「相手の守備は固いと思うけど、取られることを恐れて前に行かないのはもっと良くない」と中島は積極果敢にアタックする意思を明確にしているが、仮に右サイドバックにマルティン・カセレス(ラツィオ)やマルセロ・サラッチ(ライプツィヒ)らが陣取る場合、単調なドリブル突破だけでは相手の網にかかってしまう。相手と駆け引きしつつ、高度な技術と創造性を駆使して得点機を作っていくことができれば、中島の評価は確実に上がる。そういった頭脳的なプレーを堂安、南野含めた3人には強く求められる。

■新キャプテン吉田の注文は…

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加えて言うと、ロシア組が世界舞台で見せたようなハードワークが必要不可欠だ。

「ワールドカップを見てもらっても分かるように、乾も元気もチームのためにハードワークして戦ってくれた。2つのサイドの選手は上下動を多くして、守備で踏ん張ってもらわないと。現状の僕らはポット1に入るようなチームと対等に戦えるレベルにはまだ達していないので、チームのためにハードワークしてほしい」

新キャプテンの吉田もこう注文をつけたように、献身的な守備と走力で相手を凌駕することが必須となる。堂安と中島は特に強い意識を持って取り組むべきだろう。

若きアタッカー3枚の前に2試合続けて1トップに入ると目されるのが、絶対的地位を確立する大迫勇也(ブレーメン)。「メンバーが今までと結構違ったし、練習と試合の中でも距離感が違う。ボールの持ち方やタイミング、角度とかまだまだなところもあるし、これからすり合わせていかないといけない」とパナマ戦後に連係面の難しさを吐露していた。しかし、試合を1つこなし、練習も数日積み重ねたぶん、少なくとも南野との縦関係は前回よりスムーズに行くのではないだろうか。ボランチ・柴崎のパス出しのリズムも大迫は熟知している。その縦のホットラインを機能させながら、大迫らしいボールキープ力やタメを作るうまさを要所要所で発揮していけば、若いアタッカー陣と良好な相乗効果も生まれる。

森保ジャパンが本当に世界トップを凌駕できる強い集団になるのか否か――。新生日本代表の未来を占う一戦が今夜、幕を開ける…。

取材・文=元川悦子

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