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ユーロベスト4、W杯3位を経験した元スウェーデン代表FWが語る…大舞台での成功に必要なこと/独占インタビュー

4年に一度の祭典がついに開幕した。

『Goal』では、ロシア・ワールドカップ開幕に際して選手や指揮官に独占インタビューを実施。今回は、スウェーデン代表で活躍したケネット・アンデション氏に話を聞いた。

アンデション氏はスウェーデン代表としてユーロに2度、ワールドカップに一度出場を果たした。ユーロ92では準決勝まで進出し、1994年のアメリカ・ワールドカップでは3位と好成績を収めた。以来、スウェーデン代表は国際舞台での成功から遠のいているが、レジェンドのストライカーはどのように考えているのだろうか。思いの丈を『Goal』だけに語ってもらった。

■「スウェーデンの歴史に1ページを加えられた」

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――1994年のアメリカ・ワールドカップはあなたのキャリアにとって最も美しい経験でしょうか?

そうだね。ワールドカップはほんの1カ月の出来事だけど、たくさんのクライマックスが詰まった素晴らしい経験だったのは間違いないよ。スウェーデンの歴史、そして僕にとっても非常に重要な大会さ。大会を通じて僕は実力を見せることができたし、自分を知ってもらうことができた。スウェーデンは小さな国だけど、あのワールドカップは僕らを前進させたよ。個人的にも国にとっても特別だったね。

――マルティン・ダーリン、トマス・ブローリン、ケネット・アンデルソンのトリオはフィールドでいつも一緒にいて、一体感も抜群でした。実際の生活でも一緒にいたのでしょうか? 今でも連絡を取り合っていますか?

もちろんまだ連絡を取り合っているよ。僕らはいつも友達なのさ。スウェーデンで暮らしているブローリンとは特にね。ダーリンはモナコに住んでいるから頻繁には会っていないけど、それでも連絡は取る仲だよ。

――当時のスウェーデンは非常に美しい世代でした。素晴らしい結果を手にしたものの、トロフィーに手が届かなかったことで不完全燃焼の感覚はありませんか?

確かに僕らは勝ち進んで準決勝にまで到達したね。非常に美しい世代というのは事実だし、最後まで行くこともできたかもしれない。でも正直にならなくてはいけないよ。僕らが成し遂げたことはそれだけでも偉大なこと。負けた相手はドイツとブラジルだ。僕らは良いチームだったけど、ベストではなかった。だから後悔や失望はない。スウェーデンの歴史に1ページを加えた。それだけで素晴らしいことだ。

■現代表への評価は…

Sweden stars drinking powerade

――現在のスウェーデン代表についてはどう思いますか?

新たな世代が台頭してきていると思うよ。今の代表には良いチームスピリットがあるね。非常に優れた選手もいる。今のチームには多くの期待がかけられてはいないと思うけど、ワールドカップでは何が起こるか決してわからないよ。

――スウェーデンのプレースタイルは少し変化し、よりイタリア的になりました。今のチームを観るのは喜びですか?

フットボールの進化になぞっているね。恐らく今のチームは僕らの時ほどスペースがないのに、ポゼッションを保っている。最近のほとんどのチームはボールをコントロールしたがるよね。とはいえ、当時と今でそれほど大きな違いがあるかどうか、本当のところは僕にはわからない。適切なバランスがなくてはいけないよ。前線では危険な存在になりながらも、後ろからの組み立ても必要だ。今のチームにはそれがあると思う。競争力を持つには強固な土台がなくてはいけないのさ。今のチームはワールドカップのビッグマッチに臨む準備はできていると思うよ。

――今のスウェーデンには以前ほどの攻撃力が備わっていないという意見には賛成しますか? そしてそれは質の高いストライカーがいないからだということも?

マルクス・ベリのように、スウェーデンにはいつも優れたストライカーがいると思う。エミル・フォルシュベリのような攻撃を操る選手もね。良い選手はいる。ただ、良いアタッカーがいるからといって良いチームになるわけではないよ。すべては後ろから始まるのだから、組織だったチームが必要だ。今のスウェーデンにはそれがある。もしかしたらフィニッシュの精度はもう少し高める必要はあるかもしれないけど、ワールドカップでは良い戦いができると思うし、良い結果も手にできるのではないかと思うよ。

■W杯での成功に必要なこと

Germany Sweden celebrationGetty Images

――スウェーデン代表にはワールドカップでどれくらいのチャンスがあるのでしょうか? どこまで勝ち進むことができますか?

決勝ラウンドだね。ワールドカップにはほんの数試合しかないことを忘れてはいけないよ。シーズンを通して戦うわけではないから、長い間成功を収め続ける必要はないのさ。決勝まで行ったとしても、たった7試合だけでいい。スウェーデン代表にとって可能だとは思うけど、すべてがうまくいく必要はあるね。ギャンブル的な要素がどう働くか次第だ。もしうまくいけばベスト16には到達できるだろうし、その先だって可能さ。

――(1994年のスウェーデンのように)ワールドカップでより多く勝ち進むにはフットボールのクオリティと才能だけで十分なのでしょうか?それともチームの雰囲気や選手相互の理解度の高さも必要ですか?

まさに言うとおりさ。いいチームであるというだけでは不十分だし、いい選手が揃っているだけでもだめだ。正しい精神状態に置かれていなくてはいけない。むしろそれが最も重要だね。その点で今のスウェーデン代表にはアドバンテージがあると思う。ワールドカップでは予選を勝ち抜いた時と同じチームであり続けることが重要だよ。予選の方がダイナミックにプレーするものだからね。ヤンネ・アンデションというチームにハーモニーを保つ素晴らしい監督もいるし、僕はそんなに心配はしていないよ。

インタビュー・文=ナイーム・ベネドラ/Naim Beneddra

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