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メルテザッカーがかつての盟友を語る。不遇のエジルと復活のゲッツェに思うこと/独占インタビュー

元ドイツ代表DFペア・メルテザッカーは2017-18シーズン限りで現役を退き、現在はアーセナルの下部組織で指導に当たるかたわら、『DAZN(ダゾーン)』の解説者を務めている。そんな忙しい合間を縫ってメルテザッカーは『Goal』の独占インタビューに応じてくれた。昨シーズンまでアーセナルでチームメイトだったメスト・エジルの現状について語り、退団の可能性には「非常に危険な状況だ」と自身の見解を明かした。

「アーセナルにはエジルが必要なんだ。彼がいれば、いろいろな選択肢が生まれるのだから。たとえば(1-0で勝利した)ハダースフィールド戦を見てみれば、クリエイティブな役割を担う選手が欠けていると気づかされる。だから、そんなに性急にエジルに見切りをつけるべきではないよ」

納得のパフォーマンスで力強いシーズンスタートを切り、特に第9節のレスター戦では目覚ましい活躍を見せたエジルだが、結局は力尽きてしまった。アーセナルのウナイ・エメリ監督との関係も、度重なる対立によって悪化していると言われている。

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■エジルの去就は?

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11月末、プレミアリーグ第13節のボーンマス戦で、驚いたことにエメリ監督はエジルを90分間ベンチに座らせたままだった。監督は試合後にこの決断について「エジルを使うポジションを見つけるのは難しい問題だ」と説明するにとどめた。さらにエジルはその後もメンバーから外れ続けることに。クラブ側の説明によれば、背中の負傷が原因で、第16節のハダースフィールド戦まで欠場することとなった。

このような状況を受け、エジルは予定より早くロンドンを去ることになるのではないか、といううわさがまことしやかにささやかれることとなった。とりわけ、セリエAのインテルがエジル獲得に熱を入れているとされる。

様々な出来事を考え合わせれば、このような推測が飛び交っても無理はないとメルテザッカーは考えているという。だがその一方では「エジルはロンドンがとても気に入っている」ということも理解している。

「彼は今ケガをしていて、最近の何試合かの勝利にも参加できなかった。だから、そういう推測が出てくるのも当然だ。だが僕には、イングランドで、そしてアーセナルでプレーしているエジルしか想像できない」

■「ドルトムントはゲッツェの故郷」

2018-12-22 Gotze Reus Dortmund

その一方、メルテザッカーにとってドイツ代表時代の盟友であるマリオ・ゲッツェは、今のところドルトムントでは準レギュラーに甘んじているというのが現状だ。シーズン序盤、ゲッツェはルシアン・ファーヴル指揮下のドルトムントにおいて、まったく勢いに乗れずにいた。それこそ、この冬の移籍シーズンにゲッツェの動向に注目が集まった所以である。

だが、現在ゲッツェは以前に比べればはるかに多くの出場機会を得るようになっている。年内の最終戦となったボルシアMG戦ではマルコ・ロイスとともに活躍を見せていた。そんなこともあり、ゲッツェの去就についてメルテザッカーはそこまで不安を抱いてはいない。

「ゲッツェは今、ドルトムントでうまく試合で存在感を見せるようになった。あそこは彼の故郷とも言うべきクラブだ。彼にとっては快適な場所だし、また一歩一歩トップコンディションへ向かって進んでいるところだ。ドルトムントにいてこそ彼の未来が開けてくるんだと僕は確信している」

■万全の備えを固めるリヴァプール

Mohamed Salah Liverpool Wolverhampton 21122018

シーズンスタートが厳しい状況だったため、ゲッツェはかつての恩師ユルゲン・クロップが率いるリヴァプールへ行くのではないかといううわさが流れた。しかしメルテザッカーによれば、レッズ(リヴァプールの愛称)のスカッドには、改善が求められる点は見当たらないという。

「リヴァプールには非常にいいメンバーがそろっていて、年末年始の連戦へ向けて本当によく準備が整っている」

メルテザッカーの見解では、リヴァプールは各ポジションとも大きな穴はなく、優勝に向け追い風が吹いていると見ているようだ。

「サイドバックの選手はうまく配置されているし、彼らはちゃんと仕事を果たせるように成長している。たとえばアンドリュー・ロバートソンだが、以前の彼にはいくらか苦笑を誘うようなところがあったものの、今では左サイドで中心的な活躍を見せるまでに成長している」

「どのポジションでもリヴァプールには豊富な選択肢が用意されている」と語り、プレミアリーグで首位を走るチームを称賛。今後も順調な歩みが期待できると続けた。

■「ホーム戦の強みとクロップのDNA」

2018-12-25 Klopp LiverpoolGetty Images

「今が力を試すのにいい時機と言える。リヴァプールには、成果を出してさらに大きな成長を遂げることができる素晴らしい力が備わっているのだから」と語るメルテザッカーは、とりわけアンフィールド(リヴァプールのホームスタジアム)での強さと、クロップのDNAに信頼を寄せている。

「クロップは相手からボールを奪い返すと、すぐに素早く前へ出ていくプレーに重点を置いてきた。それがリヴァプールの特徴で、素晴らしくうまくやってのけるんだ。当然、クロップはこのやり方を続けるだろう」

「リヴァプールが1-0でリードして、逃げ切りに向けて試合を落ち着かせるような状況になったとしても、ホーム戦ではこのスコアで終わらせる必要がないくらい、ピッチ上で相手を圧倒することが可能だ。パワーと情熱をフルに生かし、ファンを喜ばせる試合運びを披露するんだ」

異なるコンペティションのUEFAチャンピオンズリーグでは、苦戦しつつも、ラウンド16への勝ち上がりを決めたリヴァプール。昨シーズンは決勝まで駒を進めたが、ファイナルではレアル・マドリー相手に1-3で敗れ、辛酸をなめた。今シーズンはそのリベンジを果たせるチャンスのときでもあるが、その先行きを占うようないくつかのビッグマッチがリヴァプールを待ち受けている。

現在プレミアリーグの順位表において4ポイント差でマンチェスター・シティをリードするリヴァプールは、26日にニューカッスルとの一戦が控えており、29日には年内最終戦となるアーセナルとの戦いが待っている。そして年明け1月3日には敵地エティハドでマンチェスター・シティとの頂上決戦が控えている。

リヴァプールにとって、この年末年始は今シーズンのリーグタイトルの行方を占ううえで、重要な試合が続く。もし年明けのマンチェスター・C戦まで勝ち点3を積み重ねることができれば、1989-90シーズン以来となる、リーグ優勝は一気に現実味を帯びてくるだろう。

インタビュー・文=アルベルト・ピニェーロ/Alberto Pinero

構成=Goal編集部

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