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明治安田生命J1リーグ

ポジショニングとルックアップ。そして「止める」大切さをあらためて感じました【中村憲剛が語るイニエスタ】

17:10 JST 2018/12/28
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DAZNでは、『イニエスタ2018レビュー』を配信中。実際に対戦したJリーガーが番組内で語った対戦経験とは?

今季の明治安田生命Jリーグにおける大きなトピックの一つは、アンドレス・イニエスタのヴィッセル神戸への加入だろう。DAZNでは、『イニエスタ2018レビュー』と称し、イニエスタと実際に対戦した選手そしてサッカー解説者戸田和幸氏がそのプレーを解説する番組を配信中。Goalでは今回、「Jリーガーが語るイニエスタ」をテーマに、同番組で収録した選手インタビューをお届けする。第3回は川崎フロンターレの中村憲剛選手だ。

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■立ち位置がやっぱりすごくいい

――10月20日の第30節、等々力で対戦されました。印象は?

みんなボールを持ってからのプレーに注目すると思うんですけど、個人的にはプレーをしていない時のポジショニング、立ち位置がやっぱりすごくいいと思います。

僕は神戸戦にボランチで出ていたんですが、自分が行けそうで行けない、サイドの選手が絞ろうと思っても絞り切れない、そういうポジションでずっとプレーしていました。「これは嫌らしいなあ」と。基本的には相手の近くにいる選手じゃない、かといってズルズル下がっているわけでもなく。バルサは相手の三角形の重心にポジションを取ることを基本的にやっているチームなので、それが染み付いているんですね。間に立たれるので、僕らも球際につくために近寄らないといけない。すると今度は別のところが空いてきたり。かといってイニエスタ選手を空け過ぎてボールが入ればフリーでプレーされてしまう。

シャビ、ブスケツ、イニエスタは僕がバルサを見て勉強してきた「ポジショニング」の究極にいる選手たちで、自分はそれを意識してずっとやってきました。実際にイニエスタ選手とやって、つき過ぎると周りが空くし、行かないとフリーでやられるし、どうすればいいんだ? とあらためて思いました。

結局、フロンターレは前半と後半でやり方を変えましたが…。前半はタイトに行かなきゃと行ったらダイレクトで逃げるんです。(イニエスタは)ちゃんとフリーなポジションを取って、ボールが来たときにフリーで仕事ができるのならやる、(敵が)いればまた戻す。その連続でずっと相手を見ながら相手を動かしながらやっていた。まあ「うざったかった」ですね。使っていい表現かわかりませんが、イヤだなっていう。

――特に印象的なシーンは?

最終ラインから(ボールを)引き出そうとして、ボールとセンターバックの正面に入って行きました。「これは取れるかな?」と思ったんですが、あっさり逃げられるというか右足のワンタッチで届かないところに持っていかれて、前を向かれてしまって。そのあと右にボールを出されました。彼はボールを受ける前にどこに逃げればいいか分かっていたと思います。

寄せようと思ってもヘッドダウンしていないんです。しっかりボールを止めた状態でいろんなところを探しているので、寄せられないんですよ。「もっと寄せないといけない」とオニさん(鬼木監督)にミーティングでは言われていたんですけどね。でも、あれだけ顔が上がっていると、いろんなところに出せるからコースが読めない。

今思えばもっと関係なく行くべきだったかもしれません。でも、スピードが速く上がりそうな状態で、これだけルックアップしている選手って、Jリーグにいない。ちょっと下を見ちゃったり下を向いて横を見たりするんです。でも、彼はこの間ずっと上…というかいろいろなところを見ているので、難しかったですね。

■さすがの技術。「しっかり止める」

――ほか、具体的なプレー面では?

ボールが止まるんですよね。止まるというのは、ボールをコントロールできているということなんです。時間をかけずに止まった瞬間にパッと。コントロールに気を取られないから、(プレーの)選択肢を増やすことが可能になる時間が増える。自分が選んだ中で一番ゴールを取れるところから順位付けをして、パスを出したり、相手DFが帰って来ていたらその選択をキャンセルして別のことをやる。

「止める」ということがすごく大事だと彼を見ていてあらためて分かりましたね。技術というのは大事だなと。もっともっと突き詰めないと。この試合に関して彼がもたつくシーンはほぼほぼなかったですし。結局それが連続してつながることで、バルサのような崩しができるんだなと。一緒にやりながら「そうだよな、その連続だったら、それは取れないよな」と感じましたね。

しっかり止めてルックアップされちゃうと寄せられない。バルサでは、メッシも含めて、シャビやブスケツ、真ん中をいくら狭くしても足元でピタッと止めてそれを出して、またピタッと止めて。その連続だと守るほうは無理。イニエスタのボールを止める技術の高さを見てそれがすごく分かりました。あれは練習して作られたものなのか、才能なのか、本人に聞いてみたいと思います。ぜひ、聞いておいてください。

■息子が見ていたのはパパではなく…

――こういう選手がJリーグにいる意味とは?

一番いいのは、神戸の選手でしょうね。普段の練習からボールタッチにしても、回しにしても、何を見て何を判断して選択しているのかというのを、日常で体験できるんです。得がたい経験だと思うし、対戦相手からすると、彼に良いプレーをされるのはイヤなので複雑ですが、チームメートだったらどれだけ面白いんだろうと思います。そういう意味では、スタジアムに観に来て生であのコントロール、技術を見られることも、すごく得がたい経験だと思います。日本のサッカーにとってはすごくプラスになると思います。

――試合後コミュニケーションを取ったりは?

何もないです。こちらは逆転勝ちしたし、ユニフォーム交換もマナーとしてしちゃいけないと思ったので。散々聞かれたんですけどね、「ユニフォーム交換しました?」って。してないです。

――最後に息子さんのエピソードを教えてください。

帰り車の中で、「今日フロンターレ逆転したぞ。ちゃんとパパを見てたか?」って言ったら、「いやあ、イニエスタ見てた」って。嫁さんもみんな大爆笑ですよ。僕がちょっとムッとした空気を感じたのか、「パパも見えていたよ」って言っていたので、僕は間接視野の中にいたんだなと思いました。

息子のサッカー人生がどうなるかは分かりませんが、その話を聞いて「やっぱりイニエスタが来てくれて良かったな」と思いました。「すごくうまかったね。あれでもちょっとケガがちだったんでしょ?」と話してくる。「一個一個上手だったし、パスミスもほとんどなかったよね」と言っていました。そういう選手を普段から見られるのは子どもたちにとっても大きなことだと思います。父親としては非常に悔しかったですけど、僕も子どもだったらイニエスタを見ただろうと思うし、僕らもJリーガーとして、そこを目指す、勉強する作業をしていかないといけない。

フロンターレは「止めて蹴る」をやってきて差をつけているという集団なんです。あの日は大雨も降って僕らは自分も含めてコントロールがブレるところもあった。でも、(イニエスタは)ピタッと止めていました。だまだ突き詰めないといけない、勉強しないといけないと思った一戦でした。

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