ポグバ、求められる“チームの中心としての自覚”。岩政大樹が「今、見るべき選手」を語る【プレミアリーグ~GK、DF、MF編~】

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ついに開幕を迎えたプレミアリーグ。ロシアW杯で活躍したスターが多いことから、新たにプレミアリーグに興味を持った方も少なくないだろう。そこで今回は、東京ユナイテッドFCの選手兼コーチで解説者も務める元日本代表DF岩政大樹氏に、ロシアW杯でプレーしたプレミアリーグの「今、見るべき選手」を語ってもらった。

皆さん、こんにちは。東京ユナイテッドFCの岩政大樹です。今夏のロシア・ワールドカップでは日本代表だけでなく、世界のサッカーのレベルの高さ、選手個々の技術にあらためて驚いた方も多いと思います。そこで今回は、開幕したばかりのプレミアリーグにおいて、ロシアW杯でプレーした選手の中からポジションごとに、「今、見るべき選手」として紹介させていただき、「ワールドクラスである要因」について述べたいと思います。

■エデルソンを控えに追いやった男

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GKアリソン・ベッカー(ブラジル代表/リヴァプール )

まずGKは、今夏にローマからリヴァプールに移籍したアリソンを挙げます。ロシアW杯でブラジル代表の正守護神を務めた25歳のGKです。プレミアリーグをご覧になっている方は、マンチェスター・シティのGKエデルソンの素晴らしさをよくご存じかもしれませんが、「彼を控えに追いやったGK」という事実だけでも興味を持っていただけるのではないでしょうか。

アリソンは、現代のGKに必要な能力を全て高水準で備えている選手です。手のリーチが長く、193cmという体格面から想像できないほど機敏で、レスポンスの高さに裏打ちされたシュートストップ能力も非凡です。そこに加えて足元の技術も高いので、流れの中でボールをさばく技術、そして正確なフィードで攻撃の起点となる仕事もできます。

またアリソンの特筆すべき持ち味が、ゴールキーピング能力だけでなく、優れたメンタリティを備えている点です。熱い気持ちは表情などに出しますが、それでも感情によってプレーがブレることはありません。チームの流れが悪い場面でも、プレー面では常に冷静に対処し、的確なプレーを続ける感覚を持っているという印象です。悪い流れの中でも彼が冷静にセーブすると、その所作が全体をバタつかせない要因となる。このようなメンタリティを備えていることは、良いGKに必ず必要となることだと僕は考えています。

僕自身、色々なGKの方などに話を聞くことがありますが、本職の方々からの口からもアリソンの名前は、素晴らしい選手だとして、よく出てきます。「本職のプロや識者の方が見ても非常に参考になるGK」なので、爆発的な攻撃力を誇るリヴァプールに彼が入ることで、どこまでチームとして強化されるのか注視したいです。

■僕好み。センターバックらしい立ち姿

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CBハリー・マグワイア(イングランド代表/レスター・シティ)

DFからは、僕自身の本職でもあるセンターバックのハリー・マグワイアに注目してもらいたいですね。岡崎慎司選手が所属するレスター・シティの選手で、今夏のロシアW杯ではイングランドのベスト4入りに大きく貢献しました。

まず、「センターバックらしい立ち姿」が僕好みです(笑)。194cmという長身であり、肩が張っていて強面の表情。「これぞセンターバック」というオーラを発しています。相手のストライカーの気持ちを考えれば、マグワイアにマークされると「恐ろしいだろうな」という気持ちになることは想像に難くありません。

フィジカルやボール際の強さは一目で分かる部分だと思います。僕が強調したいマグワイアの特長としては、彼の「ボールの持ち出し」の上手さです。これは、彼がイングランド代表のスタメンを張ることになった要因の一つであると考えています。

現代のセンターバックには、攻撃の起点となるビルドアップの能力も求められます。センターバックでも、4バックの中央の右か左か、という点でボールの持ち出し方は変わります。どちらでもプレー可能なマグワイアはボールを運ぶ際、ほとんどが利き足の右足で持ち出します。

例えば右足でボールを持ち出す際、右センターバックの場合はピッチの外側にボールを持つことになります。逆に、左センターバックの場合はピッチの内側でボールを持つのが普通の状況ですよね。

そのため、ボールの運び方は少し変わってきます。しかし、マグワイアはそのどちらのポジションでプレーしても、ボールを持ち出す角度を良く知っており、それを実践できる技術を備えている選手です。つまり、どこにボールを置けば、相手に取られずに前に運んでいけるかを理解しているということです。その際に、体格の良さと手をうまく使って、相手にボールを取られないように工夫しているので、その点に注目して見てもらいたいですね。

■「世界一を獲った」事実が転機になるか?

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MFポール・ポグバ(フランス代表/マンチェスター・ユナイテッド)

中盤の選手は、チェルシーのエンゴロ・カンテ(フランス代表)やエデン・アザール(ベルギー代表)、マンチェスター・シティのケヴィン・デ・ブライネ(ベルギー代表)など、ロシアW杯でも活躍した選手が多いので悩みました。その中でも、マンチェスター・ユナイテッドのフランス代表MFポール・ポグバをピックアップしたいと思います。

ロシアW杯では、優勝国であるフランスのレギュラーとしてだけでなく、献身的な姿勢を見せてチームの中心となりました。高身長であるにもかかわらず、足元の技術があり、非常に攻撃センスに富んでいます。ドリブル、パス、ミドルシュートのどれもが一級品で、ボールキープして中盤で「タメ」を作ることもできます。

そんな彼ですが、マンチェスター・UではロシアW杯におけるフランス代表でのようなパフォーマンスを継続できていません。その要因の一つとして、私は「モチベーションとメンタリティ」ということを感じています。

ロシアW杯でのポグバはチームへの指針を示す役割を率先して担っていたように見えました。つまり試合中、「今はチームとしてどのような戦い方をするべきか」ということを自身のプレーで示すことですね。例えば、いくら監督が「ブロックを作って守備を固めろ」と言っても、試合の中で感じて、実際にプレーするのは選手たちです。チームの指針を示す選手がいなければ、それが高いレベルで実現することができません。ポジション的にもチームの中心であるポグバがその役割を能動的に行っていたことは、フランス代表にとって大きなことでした。

そのような姿勢をマンチェスター・Uでシーズンを通して見せることができるか、という点に注目しています。フランス代表で守備も献身的に行っていたのは、もちろん母国への思いからくるモチベーションもあるでしょうが、ジョゼ・モウリーニョ監督がこの2年間で指導してきた影響もあるのではないでしょうか。

「世界一を獲った」という事実が、彼の中で一つの転機になる可能性があります。モウリーニョ監督がレスター・シティとの開幕戦で彼をキャプテンに指名したことからも、同監督の期待はうかがえます。そしてポグバは、PKですが実際にゴールを決めて、好パフォーマンスを披露しました。これをシーズン通して継続することができれば、また一つ違う評価になると思います。

うまい、速い選手は世界のトップクラスになればいるものです。そこから、「チームに影響力をもたらして勝利に導ける」というところまで行けるのは本当に一握りです。今シーズン、マンチェスター・Cなどに競り勝って優勝する原動力にポグバがなれるのならば、当然、「バロンドール」「世界最高のMF」という称号が与えられるでしょう。ただ逆に、トーンダウンしてしまえば、「結局、W杯だけだった。フランスだからできた」と評されてしまいます。ですから、今シーズンは彼のサッカー人生にとって大きなポイントになるのではないでしょうか。注目ですね。

※第二回ではFW、若手選手を紹介!(18日公開予定)

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