ペップとクロップ―。互いにリスペクトし合う現代最高のエンターテイナー

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(C)Getty Images
互いに現代フットボールに数々の影響を与えたジョゼップ・グアルディオラとユルゲン・クロップ。自身の理想のスタイルに絶対の自信を持つ両者は、互いにリスペクトし影響を与え続け、切磋琢磨してきた。そんな両者の15度目の対戦はどのような結末を迎えるだろうか。

■ペップが唯一負け越す「宿敵」

ジョゼップ・グアルディオラが当代随一の名将であることに、議論の余地はないはずだ。それどころか、彼はひとつの時代のフットボール・スタイルに多大なる影響を与えた「革命家」であり、ヨハン・クライフやアリーゴ・サッキらと同じように、後世まで歴史に名を残すであろう名監督だ。そんな彼に「最大のライバルは誰か」と聞けば、おそらくユルゲン・クロップと答えるのではないだろうか。

賛否両論あるかもしれないが、そこに説得力を生み出すための事実はいくつかある。まず、ペップ自身がクロップについて「世界のベストマネージャー」と認めている。また自身の著書では、バイエルン時代にドイツで初めて対戦したクロップのドルトムントについて、「スチームローラーのようで止められない」「90分間、完璧に集中し、こちらのパスが雑になるのを待ってスプリンターをぶつけてくる」「止める方法があるかどうか、分析するのにかなり時間がかかった」と惜しみない称賛の言葉を並べ、その出会いが衝撃だったことを記している。

実際の対戦成績を見ても、クロップはペップに対して“劣等感”を感じることがない世界で唯一の監督と言えるかもしれない。ドルトムント対バイエルン、そしてリヴァプール対マンチェスター・シティで戦った過去14試合の通算対戦成績は、クロップ7勝、ペップ5勝、そして引き分けが2つ。昨季のチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝の2試合で連勝して白星を伸ばしたクロップは、ペップが10回以上対戦した監督の中で勝ち越している唯一の男となった。昨季はそのCLでの2試合に加え、プレミアのホームゲームでも、クロップはペップ相手に勝利している。1シーズンで3度もペップを破ったことがある監督もまた、クロップだけだ。単純なタイトルの数ではペップが上かもしれないが、クロップをペップの「宿敵」と呼ぶことに違和感はないはずなのだ。

■互いに与えた影響

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2人が初めて対戦したのは、2013年夏のことだった。バルセロナでの栄光を引っさげてバイエルンにやってきたペップが初めて公式戦を戦ったのが、ドルトムントとのスーパーカップ。クロップ率いる黄色の軍団が得意のゲーゲンプレッシングで4-2と勝利した試合後、ペップが抱いたのが先に挙げた「スチームローラーのよう」という感想だった。

一方で、クロップもペップとの初邂逅を「多くのことを学んだ。いいレッスンだった」と振り返っている。彼もまた“ペップ流”に大きな刺激を受け、彼のチームを倒す方法を模索してきて、そして今がある。ドイツの覇権を争い、イングランドの地で再会し、数々の名勝負を繰り広げる中で行き着いた答えが、ペップのチームに対して「受け身になったらチャンスはない。アクティブに、勇敢にならないといけない」というものだったのだ。

陣形を整え、理路整然とした動きでボールをポゼッションしながら攻めていくペップのサッカーに対し、クロップのチームは前からプレスをかけてその秩序を破壊する。敵エンドで相手の陣形バランスを崩してカオスを生み出し、フィフティーになったボールを奪ってショートカウンターを繰り出すやり方を徹底するのだ。

もちろん、並のチームがこれをやっても難なくかわされ、逆にカウンターを食らうだけだろう。だが、クロップが鍛えあげ、よく走り、よく戦うフルスロットルのチームなら、ある意味で「究極のポジショナルプレー崩し」であるこのミッションをやり遂げられる。だからクロップはペップとの相性がいい。

■ピュアにフットボールを愛する2人の頂上決戦

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ベンチも含めた純粋な戦力の総合値で言えば、まだシティの方が上だろう。だが、ことベストメンバー11人に限った比較なら、モハメド・サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノが前線にいて、中盤に元シティのジェイムズ・ミルナーや新戦力のナビ・ケイタという働き者を擁し、守備陣にフィルジル・ファン・ダイクやアリソンが加わったリヴァプールの戦力も、シティに十分対抗できるレベルだ。バイエルンとドルトムントの関係よりも、現在の方が2人が抱えるチーム力の差は縮まっている。それが昨今のクロップ優位につながっているように思える。

ただ、ペップもこのまま黙っているつもりはないはずだ。どんなに対策を講じられようと、彼は1試合たりとも守備的に振る舞ったり、トリッキーな奇策で相手を欺いたりなどという邪道な策は選ばない。たとえ相性が悪いクロップのチームが相手でも、それは同じ。むしろ、既存のスタイルを進化させて“正攻法”でライバルを打ち破ろうとするだろう。果たしてペップが、10月7日に控えたプレミアリーグの首位攻防戦でどんな戦略を実行するのか、非常に興味深い。もちろん、それを受けてクロップがどう出るかにも注目したい。

それぞれ自身が思い描く理想のスタイルに絶対の自信を持ち、その姿勢に共感し、刺激を受け、切磋琢磨し、心の底からリスペクトしあう現代フットボールが生んだ2人のエンターテイナー。ピュアにフットボールを愛するそんな2人の戦いが、面白くならないはずがない。

文=大谷 駿

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