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ドルトムントとの離別を決意した香川真司。希望のスペイン行きか、それとも…【サムライたちの前半戦】

前半戦の評価:5.0

立ち位置:トップ下の3~4番手

公式戦出場記録:4試合・0得点

移籍オススメ度:90%

噂の移籍先:ベシクタシュ

■「ファーブル体制下でのビッグルーザー」とも

2018-11-23 Kagawa Dortmund

ヨーロッパでのキャリアを始めた2010年夏以降、最も不本意なシーズン前半だったに違いない。2018-19シーズンのブンデスリーガでヘルプストマイスター(17節終了時点の首位チーム)に輝いたドルトムントの躍進に絡めず、香川真司は国内リーグ2試合、DFBポカール1試合、チャンピオンズリーグ1試合出場の成績を残し、ドイツで通算7シーズン目となる前半戦の幕を閉じた。難しい時期を過ごした日本人MFに、現地メディアは「ファーブル体制下でのビッグルーザー」(『LIGALIVE』)と手厳しい。

厳密に言えば、もう1試合出場している。3人までオーバーエイジの同時出場が可能なU-21主体のドルトムントIIに招集され、11月6日、レギオナルリーガ(4部)西地区の12節エッセン戦で先発フル出場。全5得点をアシストし、格の違いを見せつけた。とはいえ、本人は喜ぶ気が起きなかったはずだ。なにしろ、その日はトップチームが敵地でアトレティコ・マドリーとチャンピオンズリーグを戦っていたのだから。

この一戦でのアピールも実らず、香川は10月31日のDFBポカール2回戦(対ウニオン・ベルリン)を最後に、公式戦で一度もベンチ入りを果たせなかった。セバスティアン・ローデやジェレミー・トルヤン、アレクサンダー・イサクらとともに、ルシアン・ファーヴル監督の構想外となっており、1月にオープンする移籍マーケットでの退団が決定的な状況だ。12月中旬、ミヒャエル・ツォルクSDが「シーズン前半が終わったら話し合う。彼の不満は理解している」と語ったように、クラブも放出容認の構えを見せている。

ブンデスリーガで先発したのは、たったの一度。第4節のホッフェンハイム戦で、トップ下としてスタメンに名を連ねた。しかし、インパクトを残せずに、0-1のビハインドだった70分に交代を命じられた。この一戦で結果を残せていたら、状況が変わっていたかは分からない。ただ、現地で根強く残る「香川のプレーが見たい」というファンの声は少なからず強まっていただろう。

■トルコの名門が“ポスト・リャイッチ”としてリサーチ

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移籍推奨度は100%に近い。前半戦でリーグ最多の44得点を叩き出した攻撃陣に割って入る余地はなく、香川の本職である4-2-3-1システムのトップ下にはロイスが君臨。ワールドクラスのプレーを連発している主将が欠場しても、CL第6節のモナコ戦で先発したマキシミリアン・フィリップ、あるいはマリオ・ゲッツェ(今季はCFでの出場が基本)が2番手以降に控えている。どれだけコンディションを整えても、チャンスがもらえない以上、香川としては新たな環境を求めるほかないだろう。

気持ちは移籍で固まっている。11月下旬に新たなチャレンジを求めている心境とスペイン行きの願望を明かし、12月23日の帰国時にも改めてその思いを公言した。ただ、移籍先に関してはラ・リーガ以外の選択肢も捨てずに、オファー次第という構えを見せている。環境適応の問題などからシーズン途中の移籍にはリスクがつきもの。はたして、理想の新天地と巡り合えるだろうか。

香川に興味を抱く移籍先候補は、トルコ紙『ファナティック』が報じたベシクタシュ。日韓ワールドカップでトルコ代表を3位躍進に導いた名将、シェノル・ギュネシュ監督率いるトルコの名門だ。基本システムは4-2-3-1で、ポルトガル代表のリカルド・クアレスマやクロアチア代表のドマゴイ・ヴィダが主軸を担う。元ホッフェンハイムのライアン・バベルや、元マインツのロリス・カリウスなどブンデスリーガ経験者も少なくない。

その名門が香川をリサーチしているのは、今夏にトリノからレンタルで加入したセルビア代表のアデム・リャイッチが「ナンバー10」としての期待に応えていないから。当然ながら即戦力の待遇であり、出番が増えること請け合いだ。ベシクタシュは6月末までのレンタルを望んでいるようだが、1年前に同じイスタンブールに本拠地を置くガラタサライへ移籍した長友佑都のように、活躍次第では完全移籍に切り替わるだろう。

■エヴァートン、ウェスト・ハム、シュトゥットガルトの可能性は…

今夏に噂されたセビージャ、11月に浮上したエヴァートン、ウェスト・ハム、シュトゥットガルトといったクラブの名は、ここのところ聞かれなくなった。ただ、移籍交渉が水面下であっという間に進むのはサッカー界の常。エヴァートンはアーロン・ラムジー(アーセナル)、ウェスト・ハムはサミル・ナスリ(無所属)など、依然として攻撃的MFを狙っている。また、シュトゥットガルトは12月22日、ヘルタ・ベルリンで不遇をかこっていたウインガーのアレクサンダー・エスバインを獲得。課題の攻撃力アップへ、本格的な動きを見せている。

スペインへのこだわりを持ちつつも、「自分自身を生き生きとさせて、より自我を強調したい。次の移籍先ではそこにトライしたい」と語る香川にとって、来年1月は今後のキャリアを大きく左右するターニングポイントになりそうだ。いわばどん底を経験しただけに、あとは這い上がるだけ。3月に迎える30歳の誕生日を目前に、大きな岐路に立った香川の巻き返しに期待したい。

文=遠藤孝輔(サッカージャーナリスト)

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