久々に高い位置でボールを扱う柏木陽介は優雅だった。慣れ親しんだとも言えるシステムには「懐かしい感じがした」と語った。
浦和レッズは7日、明治安田生命J1リーグ第6節でベガルタ仙台と対戦。就任から2試合目となる大槻毅暫定監督はこの試合で可変式の3-4-3という布陣を採用した。柏木は、堀孝史前監督の契約解除について「悲しいこと」としつつ、「何とか結果という形で返したい」と強い意気込みを持って一戦に臨んだことを明かす。
ホーム・埼玉スタジアム2002の大声援を受けたチームは、開始早々にゴールを奪う。仙台と相性の良さを見せる興梠慎三がDFをなぎ倒して、価値ある先制点を挙げ、結局試合を決する得点となった。
柏木は前監督時代、中盤のゲームメイカーとして起用されることが主だったが、この試合ではFWと近く「持ち味を出せる」と話すトップ下で先発。ボールの出し手ともなれる10番はビルドアップの出口としても顔を出しながら、特に前半は存在感を示した。浦和の選手たち、そして大槻監督が前半の出来を高く評価した裏に柏木の働きがあったことは間違いない。
それでも、柏木は得点に絡めなかったことを悔やむ。
「ゴールに絡めなかったことは自分としては不甲斐ないですね。(得点を奪うために)まずはシュートを打つ。打てば、DFに当たって入るかもしれないですしね。それからゴール前でもっと潰れていく動きがあれば。これからもっと危険なプレーを心がけていきたいですね」
勝利にただ満足せず、自らのプレーの反省点を淡々と語った柏木。それでも、前半にはミシャ(ミハイロ・ペトロヴィッチ)時代に度々見られた流れるようなパスワークで、ホームの観衆を沸かせた。その歓声をゴールというもう一段上の形に昇華できるかは、この背番号10の左足にかかっている。
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