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スペイン現地記者が語る鳥栖のカレーラス新監督。クライフとペップの影響で「パスサッカーを強く信奉」

サガン鳥栖は22日、スペイン人のルイス・カレーラス氏を新監督に迎えることを発表した。カレーラス氏は一体どういう人間なのか。同氏についてスペイン現地記者はヨハン・クライフ氏とジョセップ・グアルディオラ氏の影響が強く、「パスサッカーを信奉している」と紹介している。

■カレーラス氏が目指すサッカーとは?

カレーラス氏は選手時代、バルセロナやマジョルカ、アトレティコ・マドリーでディフェンダーとしてプレー。01年から03年は鳥栖FWフェルナンド・トーレスの同僚で、日本の地で思わぬ再会を果たすことになった。カレーラス氏は記者会見でトーレスとの再会に喜びを表した。

「まず、サガン鳥栖というクラブでスペインが誇る選手が所属していることは素晴らしいと思います。彼とは2002年に携わって、今回指導者として一緒に携われることを誇りに思います。もちろん彼は年齢を増して、何か変化をしていると思いますが、彼と一緒に戦えることを楽しみにしています」

カレーラス氏は2007年に母国のアラベスで現役生活を終え、翌年に指導者に転身。スペインでは複数のクラブで指揮を執り、2011年には当時3部のサバデルを率いて2部昇格を成し遂げた。

スペイン以外の国で初めて指揮することとなる同氏だが、「どのような人たちが、どういったプレーをして、どのような関係者がいるのかを分析しました」と、準備は万全であることを強調。そのうえで「日本のJリーグは成長していますし、高いレベルを持っています。その成長の過程の中で私の力が発揮できればと願っています」と思いを口にした。

指揮官が目指すものとして「今までやってきたのはコンビネーションサッカーですので、そのように考えています」と1つの指標を立てた。そのコンビネーションサッカーとは「たくさん蹴る、動かす」というわけではなく、「まず目的を持つこと」と語るカレーラス氏。

「繋げるだけではなく、しっかりゴールへ運ぶことが必要になります。ヨハン・クライフが言っていた言葉で、我々がボールを持っていたら、相手が持っていない状況です。なんで相手にボールを持たせなければいけないのでしょうか。相手がボールを持つときは、相手のゴールの中にボールがあるときだけで十分です」

「コンビネーションサッカーはそれを実現する上で非常に難しいサッカーです。私がここにいるということは、そういったことをチームに浸透させることを求められていると思います」

■スペイン現地記者はカレーラス氏をどう見る?

カレーラス氏の戦術面に関しては、『Goal』スペイン版のイグナシ・オリバがこのように語っている。

「最も“平均的な”カタルーニャ人監督だね。バルセロナの下部組織で育った影響もあり、パスサッカーを強く信奉している。(ジョゼップ)グアルディオラと(ヨハン)クライフの影響を強く受けていると言えるだろう」

また、情熱的な指揮官が多く生まれてきたスペイン出身でありながら、カレーラス自身は非常に温和な性格だという。声を荒げることなく、選手との対話によって戦術をチームに根付かせていくと、オリバ氏は主張する。

鳥栖は今季途中に16年から指揮を執るマッシモ・フィッカデンティ監督が退任。残留争いに巻き込まれる厳しい状況であったが、交代した金明輝監督が就任後のリーグ戦残り5試合を3勝2分けの無敗で乗り切り、最終的には14位で残留を決めた。

今季、失点数はリーグ2位の34失点と日本代表GK権田修一を中心に持ち前の堅守を見せていた。しかし、得点数はリーグワーストの29得点。今季途中に鹿島アントラーズからFW金崎夢生、アトレティコ・マドリーからFWトーレスを補強したものの、攻撃面の問題は解決させることができなかった。カレーラス氏が来季どのようなスタイルで、攻撃を作り上げるか大きな注目が集まりそうだ。

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