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ジュビロ磐田MF山田大記が語る静岡ダービーへの熱き思い「目指すは静岡カンピオーネ」

■目指すは静岡カンピオーネ

――今季はまさかの連敗スタートでした。昨季終盤の快進撃があっただけに、想定外の結果だったのではないかと思います。

厳しいスタートになりましたけど、チームとしてはすごく前向きにやれていましたし、みんなで同じ方向へ進んでいけば大丈夫だという感覚はありました。そこは昨シーズンまでの戦いで培われた部分があったからかもしれないですね。ある程度、立ち返るベースがあるという自信は持てていましたし、負けている状況でもそんなに焦りはなかった。危機感を持ちながら、チームの雰囲気は全く悪くなかったですから。実際、そこから2勝1分けと結果が出ていますしね。これは個人的な意見ですけど、今シーズンは結果を追い求めながらも、しっかりと積み上げていくべきものがあるんじゃないかと感じています。 

――その積み上げてきた部分、今年積み上げていくべきものを具体的に教えてもらうと? 

まずベースにあるのは守備ですね。特に3バックの守り方と、守備から攻撃への切り替えだと思います。攻撃面ではシュンさん(中村俊輔)からのセットプレーとアダ(アダイウトン)を使ったカウンターが強みになっていました。今年はそこにチームとして攻撃の形をプラスしていこうとしています。もし誰かが欠けたとしても変わらないようにしなければならない。守備面ではある程度できている感覚がありましたけど、攻撃面はこれまで個の力に頼っていた部分が多かったので、チームとしての攻撃バリエーションと、攻から守への連動ができてくると、かなりチーム力が上がると感じてます。 

――アダイウトン、ムサエフの両選手が長期離脱することになって、まさに新しい形を作り上げていくことが求められます。 

二人の離脱は本当に痛いです。でも、彼らに頼っていた部分をチームとして補うことで、総合力を高めることが可能になる。その鍵になるのが、コンビネーションだと思っています。 

――ボランチは川辺駿選手がサンフレッチェ広島へ移籍しましたが、その一方で新加入選手の存在がチームとしての強みになってきています。 

ボランチに(田口)泰士が入ってきて、駿とはまた違う良さがあるし、(上原)力也が出てきたのもすごくいい。ボランチには(山本)康裕もいるし、周りと関係性を作りながらみんなで崩すタイプの選手が一気に増えた感じがします。そこに僕とかマツ(松浦拓弥)、シュンさんが絡んでいけば、アダがいなくても十分脅威になれるし、得点は取り続けられると思います。 

――チームとしての伸びしろはまだまだあると。 

間違いないですね。名波さんはリアリストで、しっかり一から積み上げているんだと思います。だから僕たちが目指すべきところはもっと先にある。昨シーズンの終盤戦では少し結果を出すことができましたけど、実力だけで勝ってるわけではなくて、守って勝つというスタイルの中で、運や勢いがあっての結果。あのサッカーでリーグ優勝するのは、正直かなり難しいと思います。ただ、自分たちが立ち返るべき原点というか、ベースを作るという意味では素晴らしい自信をつかんだシーズンでした。だから、その上積みを目指していく今シーズンは、かなりの可能性があると思うんです。 

■幼稚園のころから清水がライバルだった 

――山田選手は前節の浦和レッズ戦でJ1通算100試合出場を達成して、101試合目が今回の静岡ダービーになります。新しいスタートにふさわしい大事な試合を迎えますね。 

100試合と言っても、J2を入れたらもっと出ていますし、海外にも行っていたので、個人的にはあまり何の感慨もなくて(笑)。プロ8年目ですしね。でも、“ダービー”に関する思いは強いですよ。僕は幼稚園の時からジュビロで育ってきて、浜松JFCっていう少年団の選抜チームでも清水FCがライバルで、藤枝東高に進学しても清水地区とは相当なライバル関係でしたから。自分のサッカー人生を振り返ってみると、明治大時代を除いて常に清水がライバルなんです。一番負けたくない相手だし、清水に対する特別な思いは、自分の100試合出場とは比べものにならないくらいありますね。 

――昨シーズン途中にドイツから磐田に戻ってきて、アウェイの静岡ダービーで復帰初ゴールを決めました。 

個人的には本当にうれしかったですね。実は帰国後、ドイツで培ってきた経験をどうやって日本のプレースタイルに融合させていくかで少し悩んでいたんです。自分の中にいろいろなジレンマとかストレスがある中で、名波さんがしっかりコミュニケーションを取ってくれて、ちゃんと自分のことを見ていてくれた。それは僕だけじゃなくて、みんなにもそうなんですけど、監督への信頼感に助けられた部分は大きかったですね。昨シーズンの最終節が終わった後の記者会見で、選手のことを「息子たち」って表現してくれたんですけど、毎日の練習から本当にそう思ってくれていると感じますから。監督が選手たちに能力を発揮しやすい環境を作ってくれているし、実際に伸び伸びとプレーしているところがジュビロの大きな強みだと思います。 

――そんな状況で決まったのが、ダービーでのゴールだったんですね。 

途中出場してすぐ、ファーストタッチで押し込みました。アウェイでのゴールだったんですけど、本当に気持ちが良かったので、次のダービーでも取りたいですね。今年はまだゴールを決めていないし、清水相手にホームで決めて勝つことができたら最高です。 

――サポーターも浦和に勝った試合後、さっそく「清水に勝とう」という横断幕を出していました。 

出してましたね。それに勝った後の歌が変わっていたんですよ。いつも『目指すはJリーグカンピオーネ』なんですけど、そこが『静岡カンピオーネ』になってましたからね。サポーターの皆さんも相当意識しているし、名波さんもそう。選手たちもすごく特別な試合であることは理解しています。 

――名波さんがあれだけダービーに対しての思いを語ると、選手たちにも響くんでしょうね。 

名波さんはかなり発信力がある監督ですし、言葉の影響力が強いので。たぶん今は生え抜きや地元出身を多くしようとクラブとして取り組んでて、実際に増えていると思います。清水に対して特別な意識がなかった選手も、監督の言葉やサポーターの雰囲気でダービーの重みをすごく感じていると思います。 

――今回の静岡ダービーに向けて考えていることを教えてください。 

もう、とにかく勝ちたいですね。どんな形でもいいです。今シーズン、個人的にもチームとしても新しいチャレンジをして何かを上積みしたいと考えていますけど、静岡ダービーだけに関しては、とにかく結果だけ。どんな内容でも、どんな泥くさいサッカーでも、次節とか来シーズンとか、ジュビロの将来につながらないようなサッカーでも、ダービーだけはとにかく勝ちたい。勝てれば何でもいいですよ。もし89分間ずっと守っていたとしても、最後の最後で一発のカウンターが決まればそれでいい。本当に結果だけを求めていきたいと思っています。 

インタビュー・文=青山知雄 

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