■緩やかな世代交代とぺケルマン監督の継続
コロンビアは日本代表が前回大会(2014年ブラジル)のグループリーグ3戦目で1-4と大敗した因縁の相手だ。日本は突破のためには勝ち点3が必要で、コロンビアはすでにグループリーグ突破を決め、出場選手の大半が控え組だった。おまけに当時の第2GKモンドラゴンに途中交代され、43歳カ月の最年長出場記録を作られるという屈辱的な敗戦でもあった。コロンビアはそこからべスト8に進出し、ブラジルと接戦の上1-2で敗退している。
今回対戦するチームには、当時のメンバーであるMFハメス・ロドリゲス(バイエルン・ミュンヘン)、カルロス・サンチェス(エスパニョール)、フアン・クアドラード(ユベントス)、GKのダビド・オスピナ(アーセナル)など主力の半数が残っており、直前のケガでブラジル大会を棒に振ったエースのラダメル・ファルカオ(モナコ)が健在。そこにトッテナムで活躍するダビンソン・サンチェス、バルセロナ所属の長身DF193㎝のジェリー・ミナという若きセンターバックコンビが先発する可能性がある。
そうした緩やかな世代交代はあるものの、12年1月からチームを率いるホセ・ペケルマン監督は攻守にわたる組織的なベースを4年前より熟成させてきており、ポゼッション、カウンター、守備も高い位置からのプレスと深い位置でのブロックを使い分けるハイブリッドなチームに成長している。
■タレントはハメス、ファルカオだけじゃない
コロンビアの強みは常に攻守のバランスを崩すことなく危険な攻撃を繰り出せるタレントを有していることだ。エースストライカーのファルカオとトップ下のハメスの縦のホットラインが究極2人の関係だけでもゴールを決められる。彼らに自由を与えないことはもちろん重要だが、チャンスの多くは右サイドのクアドラードが鋭いドリブルを仕掛けることによりもたらされる。

▲コロンビア予想フォーメーション
日本としては高い位置からからプレッシャーをかけていくと予想されるが、左サイドで長友佑都がクアドラードを封じ続けることができるかが生命線となる。ただ、クアドラードは縦の突破だけでなく斜めに切り込むプレーやワン・ツーなども使ってくるため、長友1人ですべて防ぐことは難しい。また右サイドバックのサンティアゴ・アリアス(PSV)はバランスを取りながら巧妙に攻め上がってくるため、ボランチやサイドハーフの柔軟な連動も求められる。
ある程度高い位置からのプレスがハマり、クアドラードの突破を封じても遠目からのクロスがファルカオにピタリと合えばコロンビアには決定的な得点チャンスになり得る。ファルカオは177cmながらジャンプの滞空時間が長く、タイミングよくディフェンスの前にポジションを取って体を投げ出しながら、ヘッドは正確にボールを捉えてくる。そうした空中戦は日本の天敵だったオーストラリアのティム・ケーヒル(ミルウォール)に通じる。純粋な高さでは189cmの吉田麻也がかなり有利だが、そうした身体能力と駆け引きの妙を発揮させないように集中して対応したい。
中盤の攻防に関してはそこまで劣勢になることはないはずだが、試合の流れでリズムを変えてくるので注意したい。主力は前回大会と同じサンチェスとアギラール(デポルティボ・カリ)だが、アギラールがケガ明けということもあり、スペインのレバンテで活躍する23歳のヘフェルソン・レルマが起用されるかもしれない。代表経験は少ないが、豊富な運動量とデュエルの強さがあり、縦にパスを付けていく技術も高い。
日本が高い位置からプレスをかけにいくにしても、中盤でパスをつないでいくにしても注意が必要だ。コロンビアは状況に応じてボランチの1人がCBの間に入って組み立ててくることもあり、スタート時に前からプレスをハメることができていたとしても、途中からの相手の変化に柔軟に対応していくことが求められる。
コロンビアは、先発出場する選手はもちろん、途中投入されるアタッカーにも気をつける必要がある。点取り屋のカルロス・バッカ(ビジャレアル)や屈強なFWのミゲル・ボルハ(パルメイラス)、左サイドのクアドラードとも言えるホセ・イスキエルド(ブライトン)、左利きの技巧派フアン・キンテロ(リーベルプレート)と特徴のあるカードが揃っており、経験豊富なペケルマン監督の交代術も接戦になるほど効果を発揮してくる。
非常に手強い相手であることは間違いない。しかし、勇気を持って挑んでいかなければ日本に勝機は訪れない。
文=河治良幸

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