ケガ人続出、新助っ人の契約解除。今季アクシデントが続いた磐田がJ1に残留できた理由

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8日に行われたJ1参入プレーオフ決定戦でジュビロ磐田が東京ヴェルディを2-0で下し、J1残留を決めた。度重なる負傷離脱などアクシデント続きだった磐田だが、名波浩監督はどのようにしてこの苦境を打開したのか。その理由を紐解いていくと、そこには過去に名波監督が経験した残留の成功体験があった。

■名波監督が掲げたコンセプトを忠実に遂行した東京V戦

ジュビロ磐田がJ1の実力を示した一戦となった。

8日、ホームのヤマハスタジアム(磐田)で行われたJ1参入プレーオフ決定戦。J2で6位ながら、プレーオフで大宮アルディージャ、横浜FCとJ2上位の2チームを撃破して勢いに乗っていた東京ヴェルディの下克上を許さなかった。

公式戦では6試合ぶり先発に抜てきしたFW小川航基が41分に獲得したPKを自ら決め、80分にはMF田口泰士が、負傷でベンチスタートとなったMF中村俊輔から伝授されたFKを直接決めて2-0と完勝。相手のシュートを2本に抑えるなど、危なげない試合展開でミッションを達成した。

格下が相手だが、油断はなかった。

磐田は短時間で東京Vを徹底的に研究し、まずは長所を消すことに重きを置いた。名波浩監督は「(東京Vの)プレーオフの2試合、リーグ戦を見て3バック、4バックを併用し、選手を入れ替えたり、戦術をマイナーチェンジしていた中で、我々がどう戦っていくか、確固たる答えがでなかったのは事実」と、J2時代の2015年以来、3季ぶりの対戦となる相手への不安は消えなかったと明かす。

「なにが正解か分からない中で、相手の3バックに対して(高橋)祥平を左サイドバックに据えることを優先し、4バックを採用した」。左MFで先発したアダイウトンを負傷後初めて起用。同サイドで主導権を握るためにも、1日に行われたJ1最終節の川崎フロンターレ戦でセンターバックから緊急コンバートした高橋の同位置での起用を継続させる決断を下した。

さらに、「高い位置からボールを奪いに行くものを守備の基本線にした」と名波監督。GK上福元直人や最終ラインから身長の高い前線の選手へのロングボールが攻撃の起点になっていた東京V。15分にMFアダイウトンが相手陣内でボールを奪い返し、FW大久保嘉人にパスを渡した場面など、指揮官が掲げたチームコンセプトを選手が理解し、続けた。

危険な場面もあったが、先制したことで、名波監督は「これでゲームを自ら動かす必要がなくなった」とプランを継続。後半はトップ下の大久保とダブルボランチの距離が長くなったり、アダイウトンが孤立するなどし、押し込まれる場面もあったが、交代選手を適時に入れ、最後は「スタジアムの雰囲気をもう一度サックスブルーに」と、指揮官は中村を後半ロスタイムに投入。万全の“演出”で逃げ切った。

■アクシデント続きだった今季の磐田

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J1最終節で川崎Fに逆転負けし、まさかの16位転落。短時間でチームを立て直さなければならない中、2014年途中の就任からほとんどの練習を公開してきた名波監督が、非公開練習を敢行。DF小川大貴は「静かすぎて、生きた心地がしなかった」と振り返る。

だが、川又堅碁の足の状態などケガ人や、アダイウトンら戦列に復帰したばかりの選手の状態については不確定な要素が多すぎた中、情報を外部に漏らすことは避けたかった。5日の練習で中村俊輔も負傷した。不安要素は必ず相手に突かれる。崖っぷちの一発勝負で重要な要素だった。

2012年、ヴィッセル神戸は勝ち点39の16位で自動降格した。プレーオフ導入で救われた今季の磐田だが、神戸を上回る勝ち点41での16位は、いかにJ1が熾烈な争いを繰り広げていたかを物語る。

「周囲から勝ち点41でプレーオフに出るのは不運だね、と言われたが、自分はそうは思わなかった」と、クラブワーストタイの6試合勝ちなしとなった7月頃から、名波監督は残留を意識していたという。

はっきりと「残留争い」を口にしたのは9月1日の名古屋グランパス戦。1-6と大敗した試合だった。名波監督は「勝ち点39」を残留ラインに設定。しのいで勝ち点を積み上げる戦いにシフトした。台風の影響で延期された10月30日の湘南戦で1-0と勝利するなど、早めに準備した成果はシーズン終盤に出ていた。

残留ラインは予想よりも高くなり、勝ち点41に5チームが並び、得失点差で磐田がプレーオフに回ることになったが、過去の残留への成功体験も、今回は生きた。J1とJ2のクラブが残留、昇格を懸けて争うのは2008年J1・J2入れ替え戦以来。J1磐田がJ2だったベガルタ仙台にアウェイで引き分け、ホームで2-1と勝って残留した。名波監督にとって、現役最後の公式戦。同年9月に磐田の初代監督で元日本代表監督のハンス・オフト氏に残留を託し、守備を重視し、目的意識をはっきりさせながら、辛うじて残留できたのは、やはり早めの準備だった。

MF山田大記は川崎Fに敗れ、プレーオフに向けた4日から4日間の非公開練習を「名波さんの求心力が表れた1週間だった」と振り返った。中村ら昨季の主力を中心にケガ人が続出し、新助っ人が相手への暴力行為で契約を解除されるなど、アクシデント続きだった今季。苦しい1年を辛抱強く戦い抜いた磐田が、来季も4年連続でJ1の座を死守してみせた。

文=大山雄一郎(静岡新聞社/ジュビロ磐田担当)

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