日本代表が2大会ぶりの決勝トーナメント進出を決めた。
しかし、祝福ムードがある一方でどこか喉の奥に小骨がささったような感覚も残った。日本はロシア・ワールドカップのグループH第3節、ポーランド戦でビハインドを追いながら攻める選択を放棄した。コロンビア対セネガルの状況を踏まえた上で、現実的な「勝ち進むための戦略」(西野朗監督)を取ったのだった。
結果として日本は0−1で敗れた。しかし、コロンビアがセネガルを下したため、日本が決勝トーナメント進出を決めた。もっとも、日本が失点したり退場者を出したりした場合、大きく状況は変わっていた。またセネガルが同点に追いついた場合には敗退が決定するシチュエーションでもあった。ある意味「自力突破の可能性を放棄した他力本願ともいえる戦略」、より端的に表現するなら「ギャンブル」だったわけだ。
日本が選んだ決勝トーナメントへのルートは物議をかもすことになった。会場では大ブーイングが起こり、各国メディアが酷評。『BBC』で解説を務めた元北アイルランド代表監督のマイケル・オニール氏は「私は次のラウンドでボコボコにされるのを望んでいる」と話し、元エヴァートンのレオン・オズマンも「本当に残念な結末だ」と苦言を呈した。
日本にとって懸念されるのは、今回のギャンブル戦略がコロンビア戦やセネガル戦で作ってきた流れを止めかねないものだったことだ。
ではチームの雰囲気はどうだったのか。先発出場した槙野智章はこう話す。
「(流れが止まったということは)それはないかな。ロッカールームもそうでしたし。今日の試合の難しさはみんな分かっていました。引き分けや勝って次のステージに進むことはすごく大事だと思いますけど、最低限みんなの力で突破できたことは良かったと思います」
また、ブーイングにさらされたことについて問われると「次のステージに進むための策だったので、致し方ない部分はありました。ただ次のステージに進むためにブレずにやれたのはよかったと思います」とコメント。チームとして意思統一をして望み通りの結果を得られたことをポジティブに受け止めているようだった。
さらに本田圭佑も「非常にポジティブな結果」「すごくリスクを取りにいって、個人的に(西野監督は)結果的にすごい素晴らしい采配やったなと思ってます」と、指揮官の判断を支持している。
もっとも、そうはいっても物議をかもす結果になったことは事実だ。
だからこそ、日本代表はその言葉が間違いでなかったことを決勝トーナメント1回戦のベルギー戦で証明する必要がある。
本田は「次に進まないと次にいいサッカーをしてファンを喜ばせることもできない」と語り理解を求めた一方「サッカーはエンターテインメント。(自分は結果主義でやってきたが)ホントは結果主義じゃダメ」とも話している。
槙野も「大会を通して間違いなくチームが前進している。成長しているのを感じますし、チームが上のステージに進むことで結束力が深まっている。ベスト16の壁を超えられるんじゃないかなと思っています」と手応えを口にしている。
守りに入ることが悪いわけではない。現実的な選択を迫られることもあるだろう。もっとも、消極的な姿勢で大会を終えたとなると、喉の奥に引っかかった小骨を取り除くことは難しいだろう。
日本が優勝候補の一角ベルギー相手にどんなサッカーを見せるのか。「(勢いがなくなったということは)ない」(槙野)という言葉が偽りでないことを証明するためにも、ベスト8という未踏の地へたどり着くためにも、日本には積極的な姿勢が求められるところだ。

▶サッカー観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう
【DAZN関連記事】
● DAZN(ダゾーン)を使うなら必ず知っておきたい9つのポイント
● DAZN(ダゾーン)に登録・視聴する方法とは?加入・契約の仕方をまとめてみた
● DAZNの番組表は?サッカーの放送予定やスケジュールを紹介
● DAZNでJリーグの放送を視聴する5つのメリットとは?
● 野球、F1、バスケも楽しみたい!DAZN×他スポーツ視聴の“トリセツ”はこちら ※提携サイト:Sporting Newsへ
