Italien 2006 Inzaghi

ガットゥーゾ、インザーギの背中を追うアメリア「次の挑戦は指導者として」/独占インタビュー

イタリアサッカー界では、“2006年ワールドカップの遺産”と呼ぶべき非常に興味深い監督世代が誕生した。

ジェンナーロ・ガットゥーゾとマッシモ・オッドはセリエAで、フィリッポ・インザーギとファビオ・グロッソはセリエBで、ファビオ・カンナヴァーロは中国で指揮を執る。

そして次にデビューを飾るのはマルコ・アメリアかもしれない。彼は現在、イタリアの主要メディア『メディアセット・プレミアム』で解説者を務めているが、最近になってUEFA(欧州サッカー連盟)A級指導者ライセンスを取得した。これにより監督としてのキャリアを目指すことが可能になったのである。

Italien 2006 InzaghiFilippo InzaghiGetty

現役時代、ミランやチェルシーなどでプレーした元GKは、新たな冒険へ向けて挑戦の準備は整っている。『Goal』の独占インタビューで説明してくれた。

「2006 年W杯のメンバーから、カンナヴァーロやオッド、グロッソなど素晴らしい監督が何人も生まれている。この点からも、僕らが受けたイタリアアカデミーによる指導は充実していたのだと証明されたと思う。僕はこの新世代の監督の中で最も若い。2006年W杯覇者として名を高めるために、監督としても努力しなければならないと感じているよ。サッカー選手としては非常に満足できるキャリアを送れた。次の挑戦は指導者になることだ」

アメリアはベンチでどんな監督になるのだろうか。選手時代と価値観やサッカー観は変わらないとしつつ、このように説明する。

「これまで偉大な指導者の下でトレーニングを積み、多くを学ぶチャンスを得た。戦術や技術、チームの管理、クラブとの関係、さらにクラブと外の世界との関係やコミュニケーションなど、これらすべての要素がパズルの1ピースのようになっていて、一人の監督像が形成される。よりレベルが上がれば上がるほど、1つ1つのピースがどれほどの違いをもたらすのか理解できるようになる。勝利や敗北を分けたり、良い監督だったり、トップクラブの監督になれるかの差を生む」

■2006年のW杯覇者たちは今、何をしているのか?

世界王者とのインタビューにおいて、イタリアサッカーの現状は避けられない話題だ。

「2006 年W杯で優勝を飾れたのは、イタリア下部組織が生んだ成果と言える。あの世代の選手たちは下部組織から巣立ち、U-21やA代表に限らず、それぞれのクラブでイタリア、ヨーロッパ、そして世界ですべてのタイトルを手にしている。(ジャンルイジ)ブッフォンやカンナヴァーロ、(アレッサンドロ)ネスタ、(アンドレア)ピルロ、ガットゥーゾ、(フランチェスコ)トッティ、(アレッサンドロ)デル・ピエロらは、1990年代にイタリアサッカーの下部組織が輩出した数多くの選手の一部に過ぎない。実際、あの世代は当時、すでにあらゆるタイトルを獲得しており、W杯優勝はその成功の絶頂だった。そこから再出発しなければならないが、賢く過去の過ちから学んでいくべきだ」

だが現在、アッズーリのユニフォームには、かつてのような魔法が感じられない。

「代表に関して、懐疑的で悲観的、無関心さがあまりにも漂っている。選手自身の間でも熱気が薄れている。僕らの世代にとって、代表とは人生で最高の瞬間だった。今はずっと簡単にアッズーリに招集される。2000年代初頭と比べて、リーグ自体の平均レベルが低下し、指揮官の選択肢が減ってしまったことも原因だと思う。現在、世論は結果を求め、美しくスペクタクルなプレーを望んでいる。言葉にすれば素敵かもしれないが、今はそのときではない。今は計画を立て直し、代表の将来を見据え、基礎から再建しなければならないときなんだ。代表において20年の歴史を刻んだブッフォンに対しても、不寛容な声が聞こえる。彼は代表の象徴であり、連盟にとっても貴重な人材なんだ。まるで夢をみているようだよ…イタリア人とは、こういう性格だが、今の危機を逆手に取り、サッカー界を進化させ、新たなスポーツ文化を築いていくべきだと思う」

PS Amelia

■各地で指揮を執る同胞たちに…

代表指揮官の座を降りたアントニオ・コンテが現在、プレミアリーグで困難に直面している。チェルシーは、アメリア自身も経験したよく知る環境だ。

Antonio ConteGetty Images

「チェルシーは非常に野心のあるクラブだが、プレミアリーグは競争が激しいリーグであり、首位を争うチームのレベルは非常に高い。アントニオは1年目に優勝を成し遂げたが、簡単なことではない。それからマンチェスターの2クラブは、巨額の投資を行ったので、連覇は本当に困難だった。指揮官としてのコンテの価値に疑いの余地はない。それにヨーロッパ中に彼のファンが山ほどいるのも偶然ではないはずだよ」

一方、ミランおよび代表においてアメリアの同僚だったリーノ(ジェンナーロの愛称)ガットゥーゾの地位は確固たるものになった。不振のミランを救い、セリエAでは6位にまで押し上げている。

Gennaro Gattuso Milan Sassuolo Serie A

「途中から指揮を執ることは、いつでも簡単ではない。特にミランというクラブであればなおさらだよ。彼は現役時代、このクラブのカンピオーネであり、バンディエラだったから、プレッシャーや期待はより大きかっただろうし、責任もより重かっただろう。非常に困難なときながらも、リーノはすぐに指揮官としての役割に上手く溶け込み、チームのために彼の経験やカリスマ性を生かした。選手たちは練習初日から彼に従っていたよ。ガットゥーゾは、自身がミランの一員として、歴史の1ページを書き込んだからこそ、勝者のメンタリティを知っている。選手から見ても信頼できる存在であるし、彼はチームをけん引する付加価値なんだ。リーノはミランの資産と言える。彼は素晴らしい仕事ぶりを見せているし、僕はピッチで結果が出ているのを見て嬉しいよ」

最後にアメリアの将来について質問を投げかけてみた。数カ月後、彼はどこにいるのだろうか?

「トップチームを指揮するのは、自分の年齢を考えても非常に魅力的な挑戦だと思う。だがしっかり組織された野心的なクラブで、若手選手を指導するのも恩返しをする意味で良い方法だと思う。僕はローマのような素晴らしい下部組織で学ぶことができたが、その経験や知識を引き継ぐことができればと思う。連絡は何度かとってきたが、多くの関係者への尊敬は今も変わらない。それから自分の中では、イングランドサッカーから大きな影響を受けたと思う。将来的にイギリスで“マネージャー”を経験することが僕の夢だよ」

取材・文=シモーネ・ガンビーノ/Simone Gambino

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