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カンプルがわずか半年でドルトムントを去ったワケ…キャリアで最も感謝する指揮官は?/独占インタビュー

彼のキャリアは山あり谷ありだ。そう、今ではドイツ屈指のクラブに成長したRBライプツィヒでも主力を張るMFケヴィン・カンプルのことである。

2015年の晩夏、カンプルはやっとの思いでたどり着いたビッグクラブ、ボルシア・ドルトムントをわずか半シーズンで後にした。ドルトムントを去った彼がユース時代を過ごしたレヴァークーゼンに戻った理由、現在までその決断を悔いてはいないワケを明かす。

加えて、彼のキャリアにおいて大きな役割を果たした指揮官たちについて『Goal』の独占インタビューで語ってくれた。

■ライプツィヒの目標はタイトル獲得?

KEVIN KAMPL RB LEIPZIG

――序盤は厳しいスタートでしたが、最近ライプツィヒのコンディションはまた明らかに上向いてきています。あなたはこれまでの結果をどう思いますか?

これまでのところ、僕たちの誰にとっても非常に満足のいく結果になっていると思うよ。4、5週間前からはとても順調にいっている。ヨーロッパリーグでザルツブルクに負けたことで、確かに僕たちは勢いを削がれてしまった。けれど、あの敗北からすぐに正しい結論を引き出したんだ。僕たちのチームが最善を尽くして力を合わせ、ハードに仕事をしてコンパクトに戦えば、僕たちが何をやろうとしているのか見えてくるはずだ。

――ちょっと前にあなたは、ブンデスリーガのチャンピオンになることが夢だと言っていましたね。今シーズンはどこまで行けそうですか?

「いつかドイツチャンピオンになるのが夢だ」と言わないとしたら、その方がおかしなことだろう。けれど今はまだ、僕はそこまで大きなことは考えていない。それよりも僕たちは、今この場所で全力を尽くし、1試合1試合で結果を出して、たくさんの勝ち点を稼ごうと頑張っているんだ。最後にはできるだけ上の順位にいたいと思っているのは間違いない。それでも僕たちは自分たちの力を過信していないし、タイトル獲得を目標として掲げるつもりはないよ。

――ですが、バイエルンに圧倒的な強さが見られない今シーズンは、いつもよりチャンスが大きいんじゃないですか?

順位表の上半分に並んだチーム間で力の差がそれほど大きくなければ、それは誰にとっても望ましい状態だ。互角の戦いが繰り広げられる試合が多ければ多いほど、観客にとってもバイエルン以外のチームにとってもわくわくするような素晴らしいシーズンになるからね。けれど、今バイエルンがちょっとした不調に陥っているからといって、あまり深読みして期待を膨らませ過ぎるのもよくないと思うんだ。バイエルンはきっとまた持ち直す。ヴォルフスブルク戦やマインツ戦での勝利を見ればわかることだ。

――ライプツィヒにとってはブンデスリーガで結果を出すことが優先事項だとすれば、ヨーロッパリーグで余計な負担がかかるのは不利だと考えますか?

いや、決してそんなことはないね。僕たちはみんなヨーロッパの舞台で戦えることを喜んでいる。特に若い選手たちにとっては、それは特別なことなんだ。国際的な舞台で戦う一つひとつの試合から貴重な経験を得ることができるんだからね。だから僕たちは、できるだけ勝ち残れるように頑張っているよ。

――チャンピオンズリーグ出場を逃したことで、町やクラブで初めのうち盛り上がっていたお祭り気分はしぼんでしまいましたか?

そんなことはないね。もちろん、ブンデスリーガでの最初のシーズンに2位になってチャンピオンズリーグに参加できるとなれば、そのうれしさは半端じゃない。けれど、ライプツィヒの人々は今でもまったくポジティブな気分でいるよ。僕たちはまだブンデスリーガに上がってから3年目だし、国際舞台で戦うのはまだ2度目だということを忘れてはいけない。誰が考えてもわかることだけど、2度目のシーズンには不意討ち的な効果が薄れることもあって、最初のシーズンより難しいものになるんだよ。けれど、僕たちは正しい道を進んでいると思うんだ。非常にいいパフォーマンスができているし、特に若手の活躍が素晴らしいね。

――若手の中では誰に一番大きな可能性を感じますか?

その質問に答えるのは難しいね。みんなすごい才能の持ち主なんだ。たとえばジャン=ケヴィン・オーギュスタンにしろ、イブラヒマ・コナテにしろ、ダヨ・ウパメカノにしろね。この3人はまだ本当に若くて、それなのにもう非常に高いレベルのプレーができるんだ。彼らがこれからも厳しい努力を続ければ、きっと大きなことを成し遂げられると思うよ。

――28歳になるあなたは、すでにライプツィヒのベテランメンバーの一人ですね。2021年までは契約が残っていますが、将来に関してはどんな計画を持っていますか?

家族にとっても僕にとっても、ここはすごく居心地がいいんだ。僕にはまだわりと長い契約期間が残っているから、その後のことは考えていないよ。確かに僕はもう28歳で、チームで一番年長の方のグループに入っているけれど、次にどういう一歩を踏み出すかについては何も計画はないんだ。ライプツィヒは素晴らしいチームで、素晴らしい指導陣がそろっている。それが一番重要なことだ。居心地がいいと感じることのできるチームにいて初めて、選手は力を発揮することができるんだよ。

■「ハインケスは精一杯僕の力になってくれた」

――指導陣の話が出ましたが、今季から指揮を執るラルフ・ラングニックは非常に経験豊かな監督ですね。彼はどんなふうに選手たちに接していますか?

ラングニックは素晴らしい監督だよ。彼のことは6、7年前からよく知っているけれど、彼の下でプレーするのは初めてなんだ。一緒に仕事をするのは、とても楽しいよ。僕たちが安心して試合に臨めるように、試合前の準備にとても力を入れてくれるんだ。たくさんのビデオを見せてくれるだけじゃなく、詳しくコメントしてくれるんだよ。だから僕たちは、対戦相手がどんなプレーをするのか、本当に細かいところまでわかっている。人間的にも、とても気持ちのいい人だ。僕たち選手やチームに対して言いたいことがあるときには、遠慮なくずけずけ言うけれどね。彼は自分のチームの選手たちのためなら何でもやってくれるだろうね。彼はそういう人間なんだよ。

Ralf Rangnick RB Leipzig 25102018Getty Images

――2019年の夏には、ラングニックはスポーツディレクターの仕事に戻って、ユリアン・ナーゲルスマンが監督を引き受けることに決まっていますね。すでに彼に期待するところがありますか?

そのことに関しては、僕たちはまだ何も考えていないよ。ナーゲルスマンが素晴らしい監督で安心できる人柄だということ、僕たちにわかっているのはそれだけだ。僕たちはナーゲルスマンとも楽しくやっていけると思っている。けれどもう一つはっきりしているのは、僕たちはラングニックという素晴らしい監督の下で初めてプレーすることになって、充実した素晴らしいシーズンを送りたいと思ってるってことだ。彼のためにも心からそう思うんだ。スポーツディレクターの仕事のほかに監督まで引き受けて、ラングニックが今非常にハードなシーズンを送っているのがよくわかるからね。

Jupp Heynckes als Trainer von Bayer LeverkusenGetty

――あなたは、もうひとりユップ・ハインケスという経験豊かな監督の下でプレーしていたことがありますね。彼は、かつてレヴァークーゼンであなたをトップチームに引き上げてくれた人物です。その頃のことでどんな思い出がありますか?

当時の僕は、ウルフ・キルステンが指揮するアマチュアチームでプレーしていた。そしてある年のインターナショナルブレイク中に、ハインケス監督が僕とあと2、3人の選手をプロの練習に参加させてくれることになったんだ。その後も何度か練習に参加して、そしてある日、クラブの上の方から伝えられたんだ。ハインケス監督が僕とプロの契約を結びたがっているってね。そうやってすべてが始まったんだよ。僕は今でもハインケス監督に感謝しているよ。彼は精一杯僕の力になってくれたんだからね。

■ドルトムントを去った理由

Kevin Kampl Borussia Dortmund FSV Mainz Bundesliga 02132015AFP

――レヴァークーゼンからグロイター・フュルト、オスナブリュック、アーレン、レッドブル・ザルツブルクを経て、あなたは2015年にボルシア・ドルトムントに移りましたね。シーズンの半分を過ごしただけでドルトムントを去ったのはなぜですか?

僕が移籍したとき、ドルトムントは難しい状況だった。ブンデスリーガでの順位が下から2番目だったんだから。とにかく、何もかもうまくいっていなかった。それでもシーズンの終わりには8位になったけれど、全体としてドルトムントにとっては非常に厳しいシーズンだったし、僕個人にとってもそうだった。ザルツブルクからドルトムントへ移ったのは、僕にとっては大きな飛躍だった。それでも僕はほとんどすべての試合に出られたし、居心地も良かったよ。ユルゲン・クロップは優れた監督で、人間としても素晴らしかった。トーマス・トゥヘル監督に変わってからも何も問題はなかったよ。

――では、なぜ去ることになったのですか?

それは、ロジャー・シュミットが是非レヴァークーゼンへ来てほしいと言ったからなんだ。彼は、ザルツブルク時代も僕にとって教育係のような存在だった。だから僕は、シュミットの下へ行くことを許してほしいとトゥヘル監督に頼んだんだ。ある選手がキャリアを送る中で一人の監督に出会って、2人の間に特別な結びつきが生まれる、そんなこともあるっていうことをトゥヘルはわかってくれたんだ。

――トゥヘル監督はあなたを引きとめなかったんですか?

レヴァークーゼンからの話じゃなかったら、僕はトゥヘルに頼んだりしなかっただろう。それにトゥヘル監督もはっきり言っていたよ、「ほかのクラブからの話だったら僕を手放さなかっただろう」ってね。彼は、僕とシュミット監督との関係をわかってくれていたんだ。これが、僕がドルトムントを去った唯一の理由だよ。僕の契約は、まだあと4年も残っていたんだからね。

Kevin Kampl Bayer Leverkusen

――今になって、ドルトムントを去ったことを後悔することはないですか?

それはないね。僕はきっとドルトムントでもうまくやれていただろう。けれど結局のところ、レヴァークーゼンへ移ったことで僕は最高の一歩を踏み出したんだ。レヴァークーゼンで、僕はまた自分の力を花開かせることができたんだから。そういうわけで、僕は今もトゥヘル監督に感謝しているよ。

――ザルツブルクでは、あのサディオ・マネと一緒にプレーしていましたね。マネは今リヴァプールに所属して、プレミアリーグでもっとも傑出したプレーヤーの一人になっています。彼がこのような成長を遂げると思っていましたか?

必ずそうなると思っていたよ。僕とサディオとは今でも連絡を取り合っているんだ。僕たちは同じときにザルツブルクに加入して、彼はチームの中でも僕が一番親しくしていた仲間の一人だった。僕と彼はしょっちゅう一緒に練習に出かけたものだよ。彼はすごくいいやつだし、とんでもなく優秀なフットボーラーだ。今では素晴らしい成長を遂げて、ヨーロッパ最高のフットボーラー7、8人のうちに数えられるまでになっている。彼のことをすごく誇りに思っているよ。

――セントラルミッドフィールダーであるあなたも、どちらかと言えば、自分でフィニッシュを決めようとするよりも味方にパスを送るタイプのフットボーラーですね。そういう観点から見て、現在ワールドクラスのフットボーラーとして評価されているルカ・モドリッチをどう思いますか?

モドリッチは信じられないくらい優秀なフットボーラーだ。彼は少し後ろの方まで下がってボールを取りにいき、1人2人と敵を抜いて、前へ向かってスルーパスを出す――僕は、彼のそういうプレーのやり方が好きなんだ。自分でボールを取りにいって試合の流れを切り開く、それによって前にいる仲間をしかるべき場所へ移動させる、それは僕の得意とするプレーでもあるんだ。けれど、この点から言えば、ジネディーヌ・ジダンがいつも僕の最大のヒーローだったよ。

インタビュー・文=ケリー・ハウ/Kerry Hau

構成=Goal編集部

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