もしもイタリアがロシアW杯出場を決めていれば…幻となったイレブンを考える

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これから紹介する4つの代表メンバーの予想案は、あくまで著者の純粋な希望や空想に基づいたものである。しかしイタリアがW杯に出場していたらと、皮肉な夢を持ち、想像しながら読んで欲しい。

もしもイタリア代表がロシア・ワールドカップに出場していれば…。サッカーファンなら一度は膨らませる妄想だ。『Goal』では、イタリア代表が誰の指揮の下、どのような婦布陣でロシアへと向かっていたのかを、現地編集部監修でお届けする。

■ジャンピエロ・ヴェントゥーラの23人

レナト・マイサーニ/Renato Maisan

Giampiero Ventura Italy

もしイタリアがスウェーデンの地で行われた第1戦での敗北を覆すことができていたとしたら、どうなっていただろうか。私はサンシーロで行われた第2戦において、スペイン人審判アントニオ・ラオスが笛を3度吹いて試合終了を宣言し、悪夢が始まった瞬間から、今に至るまでを問い続けてきた。

あのとき、閉じてしまったW杯へ続くドアが再び開くことはない。だがもし、ジャンピエロ・ヴェントゥーラ監督率いるイタリアが、スウェーデンでの試合結果を覆し、2018年ロシアW杯行きのチケットをもぎ取っていたとしたらと、頭の中で想像してみることは可能である。仮にそうなっていた場合、どんな形にせよ本大会出場を決めたことで代表指揮官は信任を受け、ロシアでもチームを指揮することになっていたはずだ。

となれば、監督がW杯に連れて行くメンバーは誰なのか。ヴェントゥーラがアッズーリに着任した当初から信頼を寄せていたGKジャンルイジ・ブッフォン、GKジャンルイジ・ドンナルンマ、GKマッティア・ペリンの3人は、もちろんロシアへ旅立ったはずだ。ヴェントゥーラにとってシステムの選択は悩みの種となっただろうが、ユヴェントスのDFアンドレア・バルザーリ、DFジョルジョ・キエッリーニ、DFダニエレ・ルガーニは当然のように招集されただろうし、アッズーリの常連メンバーだったDFレオナルド・ボヌッチ、そして今は亡きDFダヴィデ・アストーリも選出されたはずだ。

また、DFマッテオ・ダルミアンは“アンタッチャブルな存在”とは言えなかったものの、MFアレッサンドロ・フロレンツィとMFレオナルド・スピナッツォーラの2人もおそらくメンバー入りを果たしたに違いない。いずれも4バックのディフェンスラインだけでなく、5人で中盤を構成する際にも有効な選択肢となるからだ。一方、スウェーデンとの2連戦に招集されたDFダヴィデ・ザッパコスタは選外となった可能性が高い。

MFに関しては、前指揮官の下、ギリギリのタイミングで代表入りを果たしたMFジョルジーニョもおそらく順当に選出されたはずだ。ナポリのレジスタは、かじ取りの役割を担うMFダニエレ・デ・ロッシの代役となっただろう。

一方、ウィングハーフはMFマルコ・パローロ、MFマルコ・ヴェッラッティ、MFロベルト・ガリアルディーニが務め、右サイドにおいては、MFアントニオ・カンドレーヴァがFWフェデリコ・ベルナルデスキを抑えて、レギュラーをつかんだだろう。さらにユヴェントスFWだけでなく、FWステファン・エル・シャーラウィも、ほぼ間違いなくロシアへと渡っていたはずだ。

だが、ヴェントゥーラはFWロレンツォ・インシーニェについて好印象を抱いておらず、落選になっただろうと予想される。スウェーデンでの第1戦では、投入のタイミングが遅く、さらに初めて経験するポジションを任されたことでいいプレーができなかった。そしてサンシーロでの第2戦においてはインシーニェは起用すらされず、物議をかもした。しかしそれは指揮官が第1戦での彼の振る舞いを問題視したためだとみられている。これらのエピソードは、ナポリの才能がW杯メンバーから落選する前兆と言えるだろう。

さらにヴェントゥーラは、攻撃陣に厚みを持たせるため、FWチーロ・インモービレとFWアンドレア・ベロッティの二人も連れて行ったはずだ。そしてジョーカーとして欠かせないFWエデル、ケガのためスウェーデンとのプレーオフを欠場していたFWシモーネ・ザザも途中出場で武器となりえただろう。

そして最後にはFWマノーロ・ガッビアディーニが選出されただろう。厳しい状況において、ヴェントゥーラはまさに彼を頼りにしていた。一方で、FWマリオ・バロテッリや“反逆児”ことFWグラツィアーノ・ペッレ、そしてミランの新星FWパトリック・クトローネは落選となっただろうことが予想される。

しかしこれらの想像の確証を得ることはできず、あくまでも“想像”に過ぎないのが残念だ。

■ルイジ・ディ・ビアージョの23人

フェデリコ・ カソッティ/Federico Casotti.

Luigi Di Biagio Italy coach

歴史に“もしも”は存在しないが、空想の世界ならそれは可能だ。ならばもし昨年11月10日、ストックホルムのフレンズ・アレーナにおいて、ゴールポストに弾かれたはずのDFマッテオ・ダルミアンのシュートがネットを揺らしていたらどうなっていたかを想像したい。アウェーで貴重なゴールをもぎ取りスウェーデンには1-1、そしてホーム、サンシーロでは、歯を食いしばって必死に0-0のスコアを守ったと仮定しよう。無残な結果だったとしても、W杯への切符はつかんだはずだ。

しかしながら、となれば、このW杯出場決定は決して喜ぶことのできないものだろう。結果を受け、ヴェントゥーラがチームを去ることは不可避となったはずだ。イタリアサッカー連盟(FIGC)のカルロ・タヴェッキオ会長は、指揮官を解任する決断をとることはやむを得ない。しかしその後、誰に監督の座を託したであろうか。

カルロ・アンチェロッティは固辞し、アントニオ・コンテとロベルト・マンチーニはそれぞれクラブを離れる意思を見せない。このため連盟トップは、世間の不満をやわらげ誰もがそれなりに納得できる唯一の案として、U-21のルイジ・ディ・ビアージョを昇格させていた可能性がある。

だが、目前に迫ったW杯を前に、新たに何かを“作り上げる”余地はほぼ皆無だ。最も重要になるのは、システムの変更だろう。ディ・ビアージョは3バックのディフェンスラインを廃止し、より時代に即した4-3-3を採用したはずだ。これにより両サイドアタッカーを最大限に活用することができるほか、サイドバックの役割も重要になる。

GKには、6回目のW杯を迎えるジャンルイジ・ブッフォン、初経験となるジャンルイジ・ドンナルンマ、そして第3GKを務めるマッティア・ペリンが名を連ねたはずだ。一方センターバックは、ベテランのレオナルド・ボヌッチとジョルジョ・キエッリーニ、若手のダニエレ・ルガーニとアレッシオ・ロマニョーリで構成される。プレミア勢のサイドバック、マッテオ・ダルミアンとダヴィデ・ザッパコスタは、アレッサンドロ・フロレンツィおよびレオナルド・スピナッツォーラとポジションを競うことになる。

続いては中盤だ。ダニエレ・デ・ロッシの選出は濃厚だが、ジョルジーニョの成長もあり、レギュラーとしての確約はない。だが、その両脇にサポート役としてマルコ・パローロとジャコモ・ボナヴェントゥーラ、そしてアタランタで素晴らしいシーズンを過ごしたブライアン・クリスタンテもメンバー入りを果たすだろう。

攻撃陣はすでにほぼ確定している。キャリアにおける最高潮を迎え素晴らしいシーズンを送るチーロ・インモービレ、ケガから回復したフェデリコ・ベルナルデスキ、そして風変りな戦術論から解放されたロレンツォ・インシーニェだ。

アントニオ・カンドレーヴァとアンドレア・ベロッティが控えの中での第1選択肢となるが、パトリック・クトローネに賭けてみるのも面白いかもしれない。20歳らしい情熱に加え、神業のようなタッチが光り、1978年大会のパオロ・ロッシや1990年大会のサルヴァトーレ・スキラッチのような存在になれた可能性は大いにある。すでに叶わぬ夢と化したが、W杯に出場していれば、2018年の夏はきっとクトローネが夢を見させてくれただろう。

■カルロ・アンチェロッティの23人

シモーネ・ガンビーノ/Simone Gambino

Carlo Ancelotti 17102017

目を閉じて想像のスイッチをONに切り替え、歴史を書き換えてみよう。イタリア対スウェーデン戦の87分。エル・シャーラウィのボレーシュートがGKロビン・オルセンの両手を跳ねのけた。そしてアッズーリは延長戦に突入。PK戦にもつれると、勝負の懸かった最後のPKをチーロ・インモービレが決め、九死に一生を得たイタリアはW杯出場を勝ち取った。しかし秋ごろからうわさが流れていた通り、イタリアサッカー連盟(FIGC)はヴェントゥーラ監督の職を解き、国際舞台で確かな経験を持つビッグネーム、カルロ・アンチェロッティを招へいすることを決めた。

では空想上の話とはなるが、アンチェロッティ指揮下においてどんな代表メンバーをロシアで目にすることになったのかを検討したい。まず、W杯出場を決めた殊勲として、“セナトーリ”ことベテラン勢の選出が確実になる。ジャンルイジ・ブッフォンやアンドレア・バルザーリ、ジョルジョ・キエッリーニ、ダニエレ・デ・ロッシら全員がロシア行きの飛行機に搭乗し、キャリアで最後となるW杯の檜舞台へ向かっただろう。アンチェロッティは、これまで豊富な経験を持つメンバーを常に手元に置いており、彼らに留守番をさせることは考え難いからだ。

23名の招集リストを作成する上では、2つのシステムが基準になる。まずは4-3-3のバリエーションの1つであるクリスマスツリーだ。アンチェロッティはこのシステムを基に、ミランの伝説を築き上げたほか、これまで他のクラブにおいても多少の変化をつけつつ採用してきた。そして2つめは4-2-3-1。これはレアル・マドリーやバイエルン・ミュンヘンで頻繁に採用されたシステムである。

守護神3人衆はほぼ間違いない。主将ブッフォンに続き、ジャンルイジ・ドンナルンマとマッティア・ペリンが名を連ねたに違いない。守備陣では、アンタッチャブルな存在であるレオナルド・ボヌッチ、ジョルジョ・キエッリーニ、アンドレア・バルザーリに加え、アンチェロッティの戦術において基礎となる攻撃的サイドバックのアレッサンドロ・フロレンツィやレオナルド・スピナッツォーラ、複数ポジションをこなし信頼度の高いマッティア・デ・シリオおよびマッテオ・ダルミアンがメンバー入りしたはずだ。

中盤の要は、W 杯の覇者ダニエレ・デ・ロッシに託される。レッジョーロ出身の指揮官は、これまで何度も彼を自身のクラブに引き抜こうとしただけに、信頼していたことが伺えるからだ。しかし真のスターは2012年、まさにアンチェロッティがパリまで呼び寄せたマルコ・ヴェッラッティだと言えそうだ。ペスカーラ出身のこのMFは、美しいプレーを通じ結果を出すことを目指すイタリア代表において、ウィングハーフ、もしくは守備的MFの一角として君臨しただろう。したがって11名のスターティングメンバーには、ドリブルや中央への切れ込みを得意とするテクニックに長けたウィングハーフの起用も想定される。ジャコモ・ボナヴェントゥーラはクラレンス・セードルフには及ばないかもしれないが、アンチェロッティのチェスボード上は適役と言える。

前線ではセリエA得点王のチーロ・インモービレを無視することはできないだろう。1人で攻撃を担えるアタッカーであり、指揮官が採用するワントップの戦術において、理想的なフィニッシャーと言える。アンドレア・ベロッティは高く評価されているFWではあるものの、強力なライバルの存在により攻撃陣の序列において順位を落とすことだろう。となると、23人目の選手は誰だろうか。フィリッポ・インザーギの後継者とされるパトリック・クトローネなら、アンチェロッティを虜にできただろうと想像される。

しかし残念ながら、目を開いて現実に戻らなければならない。エル・シャーラウィが放ったあのボールはコーナーキックに終わり、イタリアを救っただろう延長戦もPK戦も存在しなかった。W杯へはスウェーデンが駒を進め、アンチェロッティ率いるイタリア代表は実現せぬまま、アッズーリもロシアに向かうことはないのだ。

■コンディション重視の23人

セルジョ・ケージ/Sergio Chesi

理論上、最強の代表メンバーとは、必ずしも高い技術を持ち一定のグループに属する選手とは限らない。これから選ぶ代表メンバーは、各選手の所属クラブでの今シーズンのパフォーマンスを忠実に反映させている。他のあらゆる要素を排除し、より良いプレーを見せた者が選ばれるという能力主義が基準なのだ。まさに、“ピッチ上で選んだ代表”と言える。

我々は選手の平均評価や『Opta』によるデータを駆使し、今シーズンのパフォーマンスを効果的に視覚化した。その上で、アッズーリの23人のメンバーを仮定してみた。唯一固定されるのは、ジャンルイジ・ブッフォン、ジョルジョ・キエッリーニ、ダニエレ・デ・ロッシら代表の魂を受け継ぐベテランの3選手になる。だがそれ以外のメンバーは、あくまでピッチ上のパフォーマンスを重視しており、サプライズ選出が十分予想される。

まずはGKから始めよう。先ほど述べたブッフォンに加え、マッティア・ペリンが選出。さらに新顔のアレッシオ・クラーニョが名を連ねることになったはずだ。彼は今シーズン、浮き沈みの激しいカリアリにおいて、神懸かったセービングを何度も見せた。一方で、昨シーズンの好パフォーマンスが維持できていないジャンルイジ・ドンナルンマは落選。守備陣ではレオナルド・ボヌッチも同じ運命をたどるだろう。

このためキエッリーニのほかに、DF陣ではマッティア・カルダーラ、アレッシオ・ロマニョーリ、ダニエレ・ルガーニがセンターバックを構成することになる。サイドバックにおいては、ダヴィデ・カラブリア、マッティア・デ・シリオ、レオナルド・スピナッツォーラらが選出されるはずだ。

中盤においては、現実でもアッズーリに招集された経験を持つブライアン・クリスタンテおよびMFニコロ・バレッラの名前が目にとまる。 両者ともにそれぞれアタランタおよびカリアリで高いレベルのパフォーマンスを見せたからだ。

さらにベテランのデ・ロッシの配下において、ジョルジーニョやマルコ・ヴェッラッティ、そして必要とあればサイドでのプレーも可能なジョーカー、アレッサンドロ・フロレンツィが代表ユニフォームを獲得するだろう。

前線の分析結果はさらに面白いものになっている。両ウィングについては、ロレンツォ・インシーニェ、フェデリコ・ベルナルデスキ、フェデリコ・キエーザ、シモーネ・ヴェルディが招集可能な最強メンバーに選出される。秘められた潜在能力があり、異議を唱える余地はない。

しかしながら、センターフォワードにおいては絶対的なインモービレに続き、今シーズンに入り22ゴールをマークしたFWマリオ・バロテッリ、17ゴールを挙げたFWファビオ・クアリアレッラが代表の座を獲得するだろう。彼らは毎試合、ピッチにおいて結果を出し続け、代表選出にも相応しかったはずの選手たちだ。

だが結局のところ、その実力を国際舞台で見ることはできない。可能性に秘められた選手たちが、W杯を自宅から観戦しなければならない今年とは、非常に間が悪いとしか言うことができない。

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