Steven Zuber Brazil Switzerland World Cup 17062018Getty

なぜスイスはW杯決勝Tで勝てないのか?レジェンドの見解は…/独占インタビュー

4年に一度の祭典がついに開幕した。

『Goal』では、ロシア・ワールドカップ開幕に際して選手や指揮官に独占インタビューを実施。今回は、元スイス代表のステファン・シャプイサ氏に話を聞いた。

高い決定力を生かし、ドルトムントで長く活躍したスイスの名ストライカーは、1994年のアメリカ・ワールドカップ、そして1996年と2004年と、2度の欧州選手権に出場。スイス代表でエースとして活躍した実績を持つシャプイサ氏は、ロシアW杯に臨んでいる母国にどのような思いを抱えているのだろうか。『Goal』だけに語ってもらった。

■現スイス代表の評価は?

Switzerland 08062018

――今回のスイスチームは、どのくらいのレベルだと思っていますか?

全員が実力を発揮すれば、良いチームだよ。才能ある選手ばかりだ。問題は、外国でプレーする選手が多い一方で、必ずしも所属クラブでスターティングイレブンに入っていないということだ。代表チームにとって、重要な選手があまり試合に出ていないというのは、いつだって問題だよ。でも、まあ、国内リーグのレベルがあまり高くなくて、優秀な選手が外へ出ていってしまう国は、スイス以外にもたくさんある。試合に出られなかったり、得意でないポジションで使われたりするリスクはあるものだ。

――スイスは、いつも予選ではとてもうまくいって、本大会の常連です。ですが、本大会では、決勝トーナメントを勝ち上がるのに苦労していますね。その理由はなんだと思いますか?

わからない。でも、スイスが勝てた試合はあると思う。2006年ドイツ・ワールドカップのウクライナ戦は、PK戦で負けた。この前のユーロ2016でのポーランド戦もそうだった。決勝トーナメントの大事な試合で負けることが多い。良い試合はできるんだけど、「大事な試合」が勝てないんだ。

――強豪との対戦で、ということですか?

そう。そうでない場合もあるけどね。実際、ウクライナとポーランドは強豪とは言い難い。良いチームだけど、運がよければスイスが勝てない相手ではなかった。倒すことはできたはずだった。

――あなたがプレーした1994年のチームよりも、今回のチームのほうが才能ある選手が多いと思いますか?

比較するのは難しいね。だけど、今回のチームのほうが、良い選手が多いと思う。私の時代のほうが少し良いかもしれないのは、外国のそれぞれのクラブで、スターティングイレブンに名を連ねていた選手が大勢いたことだ。「外国に行っているだけ」の選手は多くなかった。おそらく3人か4人は、レギュラーでプレーしていた。今は、主力の選手たちがいつもプレーできているわけじゃない。そうなれば当然、代表チームに悪い影響が出てしまう。

――ヴラディミル・ペトコヴィッチ監督は就任から4年が経ちましたが、彼の仕事ぶりをどう思いますか?

彼は前任者のオットマール・ヒッツフェルトから仕事を受け継いだ。ペトコヴィッチ監督は、若手を多く招集している。若い選手とベテランの融合に成功しているね。予選では非常にうまくいった。素晴らしかったよ。10試合で9勝したチームは、我々とポルトガルの2チームだけだった。そのポルトガルに次いで2位通過だったから、プレーオフに回らなければならなかったけどね。そして、今や、ブラジルという大本命の優勝候補と同じグループになって、面白いワールドカップに挑もうとしている。もちろん、他のチームもタフな相手だけどね。

■「重要なのはセルビア戦」

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――ベスト16にスイスが残れる可能性は、どのくらいだと思いますか? ブラジルと同じ組になりましたが…。

スイスはいつだって、そう簡単には負けないチームだよ。組織がしっかりしているし、強豪を苦しめることができる。ブラジルは、自国開催のワールドカップで残念な結果に終わった。まだ嫌な記憶が残っているかもしれない。それでも、面白い試合になると思う(1-1のドローで終了)。良い結果が出せれば、我々にとって大きなプラスになる。ただ、スイスにとって一番大事な試合は、2試合目のセルビア戦だね。

――FIFAランキングでは、スイスは6位です。ワールドカップでも準々決勝までは進める可能性があるということです。メンバーを見ると、素晴らしい結果をあげそうな印象があるのですが……。

そうだね、スイスはベスト16より先に進んだことがない。準々決勝に行けたら、素晴らしいだろう。だけど、それには、トーナメントを堅実に勝っていかなければならない。不可能なことは何もないけど、言ったとおり、スイスは決勝トーナメントを勝ち進んだことがないから、大事な試合を落とさないようにしないといけない。

――今のスイスには、あなたのようなレベルの高いストライカーがいないと言われたら、どう思いますか?

これまでのスイスには、レベルの高いストライカーは何人もいたと思うけど、今はそんなに攻撃的な選手が多くない。最近では、攻撃的なポジションは、ますます難しくなっている。クラブでは、1人のアタッカーしかいない場合が多い。スイスのアタッカーは悪くはないけれど、外国のクラブに所属していて、一緒にプレーする時間が少ない。それでも、この6月には、コンディションを整えてきていると思うよ。私の頃には、フォワードは3~4人いて、監督には選択肢が多かったからね。

インタビュー・文=ナイーム・ベネドラ/Naim Beneddra

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