いざ、日韓戦。2歳年上+欧州組、兵役免除のかかった韓国にヤング森保ジャパンが立ち向かう

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(C)Getty Images
インドネシアで開催されているアジア競技大会で、U-21日本代表は9月1日にU-23韓国代表との決勝を迎える。ここでは、準決勝・UAE戦の戦いを経てのファイナルを展望する。

■U-21日本代表、明確だったUAE戦の目標

8月20日、準々決勝・サウジアラビア戦(1-2)から中1日で迎える準決勝。ファイナリストの座を懸けたUAEとの戦いは、「われわれもキツいが、相手もキツい」(森保一監督)中での攻防だった。

同会場の第1試合では韓国がベトナムを3-1で撃破。日本がグループステージで大苦戦を強いられた相手を序盤から球際でも圧倒し、技術的にも見事なゴールを刻んでいく様は、会場に強烈なインプレッションを残していた。

「世界的な選手」(FW上田綺世/法政大)であるFWソン・フンミン(トッテナム)を筆頭に、日本でも知られた選手がそろう陣容のチームでもある。「試合が始まる前に監督も(韓国について)言ってきた」とMF遠藤渓太(横浜F・マリノス)が振り返ったとおり、日本にとっては意識せざるを得ない相手だ。勝って、最強布陣の韓国と決勝で——。UAE戦の目標はより明確になった。

今大会にチームとして「U-21」で臨んでいる日本に対し、UAEもこの準決勝は「U-21」世代の選手を先発11人中8人に起用していた。東京五輪への強化を意識した編成を取りつつ、「U-23」や「オーバーエイジ」の選手も残してメダルも欲しいラインナップである。

だが、「十分なパワーが残っていなかった」とUAE・スコルジャ監督は肩を落とす。ラウンド16、そして準々決勝と2試合連続して延長戦を戦ってきたUAEにとって、「中1日」で迎える試合の過酷さは日本以上だったことだろう。何とかスローペースの試合に持ち込もうと、ゆったりとしたポゼッションを増やし、アウト・オブ・プレーではしっかり時間を使ってという具合に試合のテンポを落とし続けたが、それは苦しさの裏返しだった。

■日本サッカーお馴染みの課題も出たが

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▲78分、「仕上げの綺世(あやせ)」が決めてUAEを下した

もちろん、日本も「キツかった」(FW岩崎悠人/京都サンガF.C.)のは間違いなく、相手にお付き合いしてしまったような時間もあった。このあたりは「若干まったりしていた」と振り返った選手がいたとおり。また不用意に背後を取られるシーンもあるなど課題も残ったが、結局は局面のワン・オン・ワンを含めて日本が確実に上回る試合となった。

なかなかチャンスで決め切れない日本サッカーお馴染みの課題も出てしまったが、最後はスーパーサブとしての資質を開花させ、チーム内では「仕上げの綺世(あやせ)」の称号(?)まで定着してきたFW上田綺世(法政大学)が決勝点を奪ってフィニッシュ。1-0で勝ち切った日本が、9月1 日の決勝戦へと駒を進めることとなった。

いわゆる「良い試合」にはならなかったUAE戦だが、消耗している中でもチームとしての連帯意識を感じさせる戦いぶりでしっかり勝ち切ったのは好印象だった。

ここまで控えに回ることの多かったMF初瀬亮(ガンバ大阪)、MF遠藤渓太(横浜F・マリノス)といった選手が自分の役割を全うしたのもポジティブな要素。遠藤は持ち前の突破力で大いに力を見せたし、唯一のA代表経験者でもある初瀬は、守勢に回った終盤に「声」の部分でも存在感を出してくれた。

攻撃陣も10番を背負うMF三好康児(北海道コンサドーレ札幌)が負傷して出場不能となり、風邪で離脱していたMF三笘薫(筑波大学)のコンディションが戻っていないため、もともと18人しかフィールダーがいないこともあって、攻撃的な交代の駒も不足気味。

前田大然(松本山雅FC)、岩崎悠人(京都サンガF.C.)、旗手怜央(順天堂大)の1トップ2シャドーは連戦とならざるを得ない中で疲労の色も隠せなかったが、その中でも守備をサボることなく戦い抜き、唯一のスーパーサブとなった上田はきっちり結果を出した。より「チーム」になってきた感触はある。

■今大会、最高水準のチーム・韓国

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▲ファン・ウィジョ(ガンバ大阪)は準決勝・ベトナム戦で1得点

そして、ここで最強の相手を迎える。

韓国だ。決勝なのだから最強の相手が出てくるのは当然と言えば当然なのだが、個々のタレント性という意味から言っても間違いなく大会最高水準のチームである。

日本より2歳年長のU-23代表であるのはもちろん、日本が招集していないFWイ・スンウ(ヴェローナ)のような欧州組の選手もメンバーに加えてきた。さらに3人のオーバーエイジ枠もフル活用。アジアのトップ選手と言えるソン・フンミン(トッテナム)、JリーグのFWファン・ウィジョ(ガンバ大阪)のコンビを前線に、そしてGKにはW杯での活躍も記憶に新しいチョ・ヒョヌ(大邱)を補強した。

アジア競技大会に対して韓国が並々ならぬモチベーションとトップ選手を含めた編成で臨んでくるのは毎回のことだが、その理由は金メダル獲得時に「兵役免除」という特典を得られるからだ。

スポーツ選手にとって全盛期で2シーズンにわたって第一線を離れなければいけない兵役は、収入はもちろん選手生命自体にも関わる問題で、代表チームを指揮する立場からも回避「させたい」のが本音である。

同様の特典は五輪のメダルでも得られるのだが、どう考えても五輪でメダルを獲るよりもアジア大会の金メダルのほうがハードルは低いように思える。そのため、ここに全力を傾注してくるわけだ。

もっとも、この人生に関わる大事となるだけに、余りにも精神的なプレッシャーが強くなり過ぎるという一面もある。緊張感の中の厳しい連戦で消耗してしまい、結局タイトルを逃すことも多かった。1990年代以降に韓国がこのアジア大会を制したのも、決勝に進んだのも、わずかに前回大会の1度だけ。当時も戦力的には圧倒的に優位だったにもかかわらず、スレスレの優勝だった。五輪でも2012年のロンドン大会の銅メダルで一回兵役免除を勝ち取っているので、回数的には同じだったりもする。

■彼中心にすべてが動く「フンミンボックス」

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▲まずは、ソン・フンミン(7番)を封じたい

とはいえ、準決勝のベトナム戦を観る限り、韓国の状態は相当いいと考えておくべきだろう。理由はやはり、ソン・フンミンの存在だ。キャプテンも務めるA代表のエースは、精神的にも支柱になっていることがうかがえる。絶対的な実績がある上に、性格的にも落ち着いているとのことで、信頼感は周囲のプレーの端々から感じられる。

絶対エースとして前線でドンと構えていても誰も文句を言わないはずだが、今回はトップ下としてボールの中継点となってアシスト役をこなしつつ、左右裏のスペースへも飛び出していく役目をこなしている。彼中心にすべてが動く「フンミンボックス」のようなシステムになっているのだが、周りもソン・フンミンに萎縮している様子はなく、韓国もまたこの大会を戦いながら、しっかり「チーム」になってきた印象だ。

日本としては攻撃の要であると同時に精神的にも柱であるこの絶対エースを封じつつ、カウンター対応などにやや不安を残す守備陣の問題を露呈させたいところ。

出場停止から戻って来る大型DFの板倉滉(川崎フロンターレ)をソン・フンミン対策で中盤に置くといった策も考えられるかもしれない。また準決勝で負傷した前田大然(松本)の出場は微妙で、その穴をどう埋めるかもポイントとなる。

決戦は9月1日日本時間20:30キックオフ。

「2日あれば回復できる」とは岩崎の言葉だが、泣いても笑っても最後の試合であり、最強の相手を迎えて腕試しができる機会でもある。ここまでで最上のパフォーマンスを発揮し、最高の試合を見せてもらいたい。

文=川端暁彦

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