●クラブでの立ち位置
レギュラー
●個人への期待、目標
レギュラー維持
●ポジション争いのライバル
ヤニック・ヴェステゴーア(新加入のデンマーク代表CB)
■「日本史上最高のCB」へと成長した7年間
日本代表DFの吉田麻也は、サウサンプトンでプレミアリーグ在籍7シーズン目に突入する。ここで、吉田のプレミアでの経歴をもう一度振り返ってみたい。
プレミアリーグ出場数129試合は、イングランドに在籍した日本人選手で史上最多。FA杯やカップ戦も含めると、在籍6年の出場数はさらに増えて151試合に達する。
吉田の凄さは、サウサンプトンから提示された契約更新にも表れている。過去にプレミアリーグに在籍した日本人選手でクラブとの契約更新を勝ち取った選手は他にいないが、これまで吉田は2度にわたりサウサンプトンと契約を更新した。昨年8月の29歳の誕生日に2020年まで契約を延長したのは、クラブから信頼されている何よりの証拠だ。
これだけではない。流暢な英語力とリーダーシップを買われ、ゲームキャプテンを務める試合が増えた。さらに、サウサンプトン在籍7季目となり、チームでは古株と呼ばれるようにもなった。日本人の吉田が、新加入のイングランド出身選手にクラブ施設を案内することもあるといい、本人も「少し変な感じがする」と笑う。
思い返せば、「プレミアリーグ初の日本人CB」としてイングランドに渡ったのが6年前。肉体改造を行って体重を8キロ増やし、身体をプレミア仕様に仕上げた。一方で、杉本龍勇氏(法政大学教授)の指導を受けながら、俊敏性を落とさないよう地道にトレーニングにも励んだ。さらに、ベルギー代表FWロメル・ルカク(マンチェスターU)やブラジル代表FWガブリエル・ジェズス(マンチェスターC)といったワールドクラスのストライカーたちと毎週対峙し、ディフェンス・スキルを磨いた。そして今もなお、プレミアリーグで実績と経験を蓄積し続けている。
こうして考えると、日本人CBとして前人未到の境地に達しているのがよく分かる。選手として一回りも二回りも成長し、世界と戦う術も知った今、吉田は「日本史上最高のCB」になった。そう言って良いだろう。
■「サッカーがしたい気持ちに駆られています」
(C)Getty Imagesしかし、本人に慢心はない。残留争いに巻き込まれた昨シーズンも、最終節後に消化不良の1年になったと漏らした。さらなる飛躍を誓って臨んだシーズンであっただけに、息の詰まる苦しい残留争いを強いられたことに、悔しさを隠そうとしなかった。
「試合に出られるようになって、大きな目標とか野心を持って挑んだシーズンだった。もちろん前のシーズンよりいいものにしたいと思ったし、自分のキャリアの中でピークになるシーズンにしたいなって思っていたので、満足感はまったくないです。だけど、チームとしても個人としても、残留争いを乗り越えたっていうのは一ついい経験になったなと思います。なので、残留争いはもうしてはいけないと思う。サウサンプトンはそういうチームではないと思うけど、さらに良くなるために、もっと勝負強さや勝ち癖をつけていけるようなチームにならないと。個人としてもチームとしても、そう思います」
また昨シーズンでは、3バックの中央として新境地を切り開いた。味方に指示を出しながら、最終ラインの上げ下げをコントロール。敵のボールがバイタルエリアに入れば、吉田は前方に飛び出してインターセプトにつなげた。同位置でのプレーについて、次のように語っている。
「確実に1試合目よりどんどんどんどん良くなって、最後の方はほとんど難しさを感じずにプレーすることができるようになったので、割と良かったんじゃないかなって思いますね。ボールをさばくとか、相手にガツガツ行くっていうのは少ないですけど、他の選手より集中してゲームの流れを読んで、インターセプトしたり、ラインコントロールをしたりしないといけない。頭はすごく疲れるポジションですね」
そんな吉田の成長を実感したのがロシアW杯だった。プレミアリーグで揉まれてきた経験を生かし、抜群の安定感と力強い守備で最終ラインを統率。W杯の檜舞台で最高のプレーを披露し、日本代表のベスト16進出に貢献した。
こうして迎える新シーズン。吉田の目はすでに次なる戦いに向けられている。ロシアW杯に参加したことでチームへの合流が遅れたが、新シーズンの開幕が今から待ちきれないという。
「気持ちと体を戻すためにもプレーできてよかった。チームが何試合かこなしている状況で、自分はチームに遅れて合流したので、少しばかり難しさがある。今はフィットネスを上げていくことが必要。W杯のような大きな大会の後は、肉体的にも精神的にもエネルギーを消耗してしまう。だけど、チームに戻った今、サッカーがしたい気持ちに駆られています」
サウサンプトンの初戦は8月12日のバーンリー戦。今シーズンも、吉田はサッカーの母国・イングランドで研鑽を積んでいく。
取材・文=田嶋コウスケ
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