日本代表に不足した「サッカーの大前提」…長谷部誠が指摘する戦術より大事なもの

日本代表は23日のマリ戦を1−1のドローで終えた。主将の長谷部誠が感じた、日本代表に足りていないものとは？

「いくら戦術があっても、今日に関しては本当にミスが多かった」

23日に行われた日本代表対マリの一戦は1−1のドローに終わった。ロシア・ワールドカップを今夏に控え、内容と結果の伴う試合が期待されただけに、厳しい現実が突きつけられた格好だ。

主将として日本代表を引っ張る長谷部誠も、厳しい表情を浮かべて試合を振り返る。

最初からすべての歯車が狂っていたわけではない。特に前半に関して、手応えは悪くなかったという。

「とにかく前からハメにいって、相手の出方を見ながらブロックを作っていった。前半に関しては結構ハマった部分もあったし、チャンスも作れていました。最後、仕留める部分で精度を欠いてしまったし、PKで失点して折り返す形になりましたけど、そこまで悪い感覚はなかったです」

しかし、後半は徐々に相手に崩されるシーンが増えていった。長谷部が指摘したのが、マリの「個の力」だ。

「ブロックを作っても一つかわされると、ズレてズレてズレて……というふうになってしまう。マリの個に、僕たちは個でも組織でもズラされてやられる感覚がありました」

「今日に関しては戦術の部分もあると思いますけど、個々のクオリティにフォーカスしないと。いくら戦術があっても、今日に関しては本当にミスが多かった。局面局面で簡単にかわされる部分や球際で負けるところも多かった。それがサッカーの大前提なので、そこをもう一度、選手がしっかりと痛感するゲームになったと思います」

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が口を酸っぱくして語る「デュエル」（一対一）の部分で課題を突きつけられてしまった。実際、ハリル監督も試合後のフラッシュインタビューで「（ワールドカップで対戦する）セネガルと戦う準備ができていないということ」と、憮然としながら語っていた。

長谷部はそれでも「今後の3日間、しっかりフォーカスしてやっていきたい」と前を向いたが、同時に「（アフリカ特有の個の力への対応の難しさは）今に始まったことじゃない」と話したように、日本は改めて大きな課題を突きつけられる格好となった。

ウクライナ戦は27日。ワールドカップメンバーの発表は5月。そして本大会は今夏に迫っている。残された時間が決して多くない中で、日本代表は長年向き合っている課題の克服を改めて求められることになった。

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